Minuit a Vienne

 Minuit a Vienne

オーナー  2021-07-17 21:17:51 
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ベル・エポック( Belle Epoque )

――19世紀末から20世紀初頭までのパリやヨーロッパが繁栄した華やかな時代。



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レス禁止





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  • No.48 by ハンナ・ホフマン  2021-08-09 15:42:57 



>45 ガードナーさん

……それなら、きっとこれから見つけるのね。ここはとってもいい場所ですわ。
夢を見るにはうってつけの場所ですもの。

( 自分を好奇心旺盛そうだと初対面で見抜いた相手を一瞬まじまじと観察してから、曖昧に笑い声を返事として。親不孝だと苦笑いする相手に思い当たる節を感じて微笑めば、静かな、しかし確かに若さの蔓延する店内をぐるりと見回して。相手に合わせてティーカップに口をつけるとまた振り返り、困ったように眉尻を下げつつも、楽しそうにクスリと若い男を指さして。テーブルに上半身を預けて寝こける、カレアムと同じくらい若い男との関係こそ名言はしなかったが、お揃いのブラウンの癖毛に、瞳は見えないものの、小さく尖った鼻はハンナによく似ていて。 )

まさか!彼のエスコートで……来たはずなんですけれど。……今は、家の者を待ってるんですの。



>47 レオン・ダントン

……それが、賞品になると仰るの?ムッシュ・ダントン。

( 軽快なお喋りと、優雅な振舞い、たまたま居合わせたこの席でさえもレオンとの時間は心地よく、うっとりするような申し出ではあったが、その右手をすぐとることが出来ずにレオンを見つめ返す。突飛な行動が多くとも、ハンナはまだ若く、世間知らずな令嬢でもあり。既にデビュタントも済ませた身で、その手を取るのが大人達や、暇を持て余した上流階級の若者達にとって過大な意味を持つことを知っている。眉を顰められることには慣れてはいるが、人を巻き込むとなれば話は別で。その申し出がどういう意味を持つのか知っているのか、と暗に問う瞳は揺れていて。その瞳の揺れは不安よりも、目の前の男がそんな古い価値観を笑い飛ばしてくれることへの期待を表していて、レオンの手の数cm上に、繊細な手袋に包まれた手をおずおずと差し出せば、うずうずとした表情も隠さず、その手を取りたいという意思をダメ押しとばかりに口に出して。 )

そう仰るのなら、勝負ですもの、お断りはできませんわ。

  • No.49 by レオン・ダントン  2021-08-11 00:03:11 




>48  ハンナ


( 手が置かれるまでの空白。傍から見れば短い時間だったかもしれない。しかし、ハンナにとってそれがどれほど長く苦しいものだったかは想像に難くない。もちろん、レオンにとっても。上流階級の令嬢と労働者階級出身の男。彼自身、この二つの関係の絶対性を知っていた。それらは、生活全体を縛るものとして決定されたふたつの地位。そして、世にあるすべての地位と同じように、偶然によって、貧富の差によって、お偉方によって、定められた地位。彼がいくら紳士然としていようとも、大富豪になったとしても"労働者階級の出"という肩書きが消えることはない。そんなレオンのことを見つめ返す彼女の力強い瞳。こちらから申し出たにも関わらず、レオンの顔には期待や焦り、不安が合併したようなものが浮かんでいて。それから、ハンナの手がほんの少し上に置かれる。彼女の決断に感激し、笑みを零さずにはいられなくて。感謝を伝え、彼女の指先を優しく包み込む。ああ、そうだ、と手を離せば、おもむろに内ポケットからペンと小さな手帳を取り出して。レストランの名前を走り書きし、引きちぎった紙を彼女の前にゆっくりと置けば )

ありがとう、ハンナ。
…小さい店ですから、あなたのお口に合うか分かりませんが。ただ、ここのバンドは素晴らしいですよ。


  • No.50 by カレアム・ガードナー  2021-08-11 17:19:16 


>47 レオン

そうですね、じっくりと…。焦らないようにします。

…今の聞こえました?
音楽という名目の芸術を、こんな遅くまで磨き上げている方もいらっしゃいます。
“わたしが将来像を磨くのも、あなたが弁護士になる夢へ進歩するのも時間をかけろ”と言われているように感じます。

…やっぱり、わたしには歯の浮くような台詞は似合いませんね。

( 同じく若い相手に助言をしてもらえば、ありがたく思いつつも、微かに憂いを帯びた目で夜空を仰ぎ、応答して。
そのとき、誰もが耳にしたことがあろう有名な曲のフレーズが耳に入る。夜であるため、それはごく小さな音だったが、恐らく音楽家がコンサートのために練習していると予想し。再びレオンの方を向いて格好をつけた言葉を発するも、思わず苦笑いをして )





>48 ハンナ

そうでしたか。てっきりあなた一人だけかと。
彼はお疲れの様子ですね。

ここで酔い潰れる面々の長話に引っ掛かりたくなければ、一人での行動は避けることを薦めようと思ったのですが。
…しかし、その必要は無さそうですね。あなたならどんな話題でも興味を持って聞いてくださるから。

( 相手が指をさした方向に顔を向ければ、一人の青年がぐったりと体をテーブルに預けている。疲れているのだろうと頬を緩めると、連れがいるのかを確認した理由を述べて。
ひょっとして、彼女の好奇心に勝てるものはこの世に無いのではないかと ふと思って )
                           




  • No.51 by レオン・ダントン  2021-08-13 15:23:37 




>50  カレアム


君からそんな言葉が聞けるとは。…だが、くれぐれも時間をかけすぎるなよ。"まだ"二十代なんて言っていたら、そのうち、"まだ"四十代になってるかもしれんからな。

( カレアムから演奏が聞こえたかと尋ねられれば、顔を上げ耳を澄ましてみる。たしかに、音は小さいが、美しいメロディが聞こえてくる。ゆっくりと目を閉じて、小さく頷きながら堪能する。そうして聞き入っていると、カレアムが何時に無く洒落た台詞が云い。彼からそんな言葉が聞こるのかという驚きや嬉しさなどの感情が湧き出てきて。しかし、相手が苦笑するのを見れば、ふふっとつい笑って。いまだ小さく流れ続けている曲。まるで我々のためだけに演奏してくれているかのような錯覚に陥り、優越感に浸って。そうやってその旋律に再び聞き惚れていたとき、音楽についての話題を彼に振ってみる。そして、ヴィエンヌ人なんだから当然、とでも言うような口調で彼に同意を求めて )

音楽か。わたしは音楽も好きでね、コンサートにたまに行くのだ。まあ…金に余裕があるときだがね。もちろん、きみも好きだろう?


  • No.52 by ハンナ・ホフマン  2021-08-15 16:10:03 



>49 レオン・ダントン

まあ……まあ、まあ!
私、このお店行ってみたかったんですの!

( レオンの焦りや期待の混ざった様な困ったようにも感じられる表情が、手をとると笑みに変わったのを見てほっと胸を撫で下ろす。友人と夕食を楽しむのに身分や性別など関係ない、自らの信ずる選択であっても、初めて父や弟以外の手をとるのには相応の覚悟がやはりいって。相手からすれば大した意味の無い行動でも、ハンナの中では大きな一歩に、内心ドキドキしながらメモを覗き込めば、パッと表情を明るくして無邪気な声を上げる。屋敷からこの店までの道中で、確かに多少庶民的ではあるが食欲を掻き立てる香りと、楽しそうな声と音楽には何度も視線を奪われた、とはいえハンナが父や弟と入るような格の店でもなく、専ら最近の興味の向かう所のひとつで。少々賞品の趣旨から外れてはいるものの、心底嬉しそうな好奇心に輝く目を、メモからレオンに向ければ、メモを大切そうに胸に抱いて。 )

ありがとうございます、楽しみにしておりますわ。


>50 ガードナーさん

疲れ……どうかしら?

あら、もしかして、だからこうやって付き合ってくださったの?

( どうやら気持ちよさそうな寝息を立てている弟が抱えている酒瓶はカレアムから見えないらしい、基本的に弟に甘いハンナではあるがこの時ばかりはジトリと弟を見やって。親切な忠告を口にするカレアムに目をパチクリさせれば、口を抑えてクスクスと笑いながら首を傾げて。)

  • No.53 by カレアム・ガードナー  2021-08-16 21:15:44 



>51 レオン

ごもっとも。焦りは禁物ですが、節度を。

( どんどん年を取って、結局はチャンスを逃がす、なんてことにはならないようにと忠告する相手に深刻な表情で頷いて。
しかし、自分の格好つけた言葉に驚くレオンを見て、照れくさくなり、先程の表情など崩れてしまった。
相手の音楽についての話に相槌を打ちながら、未だに小さく聞こえる曲の心地よさに頬を緩ませて。たまにコンサート会場へ足を運ぶと言う相手に、音楽が好きかと聞かれれば、もちろんです、と迷いなく答えて )


いつか予定が合えば、是非あなたとコンサートに行きたいです、ダントンさん。



>52 ハンナ

…長い話に付き合わされた方を何回か目にしているんです。
まぁ、それも”ラ・リヴィエールらしさ”だと言ってしまえば、それまでですけれども。

( 察するにハンナとは親しいであろう男性に対し、“それはどうか”と やや投げやりな彼女の発言に思わず微笑んで。
ラ・リヴィエールで一人で時間を潰していれば、長話に捕まった者を何人か見たことがあると小さくため息をつく。
今度は上品に笑う彼女に、話に付き合ったことについて問われれば、真剣な表情に戻り口を開いて )

だって、あなたが忙しなく表情を変えて、わたしの話に付き合ってくださいますから…付き合ってくださったのは寧ろわたしの方です。

また別の日にでも、あなたとゆっくりお話しできる時間があれば嬉しいですね。今度はあなたにお話ししてもらう番です。
                           
                           

  • No.54 by レオン・ダントン  2021-08-17 22:12:23 




>52  ハンナ


ええ。

( 紙に書いた店の名前を知っていたこと、前からそこに興味を持っていたというハンナの予想外の返答に少し驚いて。それもそのはず。あの店はいわゆる"上流階級"なんていう者たちが近付くような場所ではなく。しかし、今回のディナーの相手は、そんな頭の凝り固まったブルジョワ連中ではなく、目の前の良くも悪くも庶民的な淑女。そのことを思い出せば納得して。憧れの店に行けることになって心底嬉しそうな表情をするそんな彼女を見れば、こちらの顔にも自然と笑みが浮かび上がり。グラスの水を飲み干せば、さて、と言って。まだ帰るには少し早い時間ではあるが、先の対決で飲みすぎたらしく。席からゆっくりと立ち上がれば、テーブルの上の帽子を手に取り、それを胸に当てお辞儀をし。)

そろそろ失礼させていただこうかな。

今夜は楽しい時間をありがとう。
では、メモの日時にまた。失礼。


(/いつもお世話になっております。レオンの後ろの者です。私としたことが、レオンがメモにディナーの日時を書く描写を入れるのをすっかり忘れておりまして、勝手ながら書いたことにさせていただきましたが宜しかったでしょうか…。また、今後の展開のご相談なのですが、レオンがレストランの店先でハンナ様のご到着を待っているというものでも宜しいでしょうか。ハンナ様とのディナー、楽しみにしております。それでは、失礼しました。 )



>53  カレアム


( クールで、普段一人でいることの多いカレアムが、コンサートに一緒に行きたいと云ってくれるのを聞けば、嬉しさと驚きが混じった表情をして。そういえば、とオーケストラのコンサートを聞きに行こうかと思っていたことを思い出し、彼をそれに誘って。また、カレアムがレオンのことを他人行儀に苗字で呼ぶのを聞けば、どうかレオンと、と自分のことを名前で呼ぶようにと勧めて )

ふむ…ちょうど今度のコンサートに行こうと思っていたのだが、よければ一緒にどうかね。


  • No.55 by ハンナ・ホフマン  2021-08-18 16:42:48 




>53 ガードナーさん

ふふ、それでもお陰で絡まれなかったのは事実ですわ。ありがとうございます。

( そもそも認めてしまえば良いものを、ハンナの質問に正直に答えるカレアムの不器用な誠実さに、好感を覚え。自分が話すというのは得意ではないが、穏やかな彼との会話の時間はきっと心地よいものになるだろう、とより一層華やかに微笑んで立ち上がり。ラ・リヴィエールの扉を見遣れば、使用人風の男と御者風の男が2人所在なさげにこちらを窺うように立っていて。そのままカレアムに向かって優雅なお辞儀をすると、滑るようにゆったりと扉に向かい。 )

でしたら話したくなるようにさせてくださいな。
家の者が参りましたので失礼致します。
御機嫌ようムッシュ・ガードナー。良い夜を。

(/お世話になっております。ハンナの中の者です。今後の展開ですがこのまま何もなければ、またラ・リヴィエールで偶然お会いする形で今晩のところはお別れ、で宜しいでしょうか?
今何かあれば、呼び止めていただければ弟を先に返してカレアム様にお付き合い致します。どうぞよろしくお願い致します。 )


>54 ダントンさん

こちらこそ、素敵な夜になりました。
ええ、お気をつけて。

( 興奮するハンナに微笑ましそうな笑みを浮かべるレオンに気づくと、こほん、と恥ずかしそうに調子を整えて。レオンが立つのに合わせて立ち上がれば、ドレスの裾を持ち上げてお辞儀を返し。立ち上がったことでじんわりとシャンパンのまわりが早くなるのを感じながら、頬をアルコールに染めてにっこりと微笑んで。 )

(/こちらこそ大変お世話になっております。メモについて把握致しました。勿論全く問題ございません。雰囲気ある素敵なお誘いで、ハンナはこのメモを今後も大事に取っておくんだろうな、など想像が膨らんでしまいました!
今後の展開についてもかしこまりました。そちらでよろしくお願い致します。 )



  • No.56 by レオン・ダントン  2021-08-19 22:05:42 



>55 ハンナ


( 夕陽でピンク色に染まったヴィエンヌの空。季節やこの街の緯度が高いせいなのだろう。スーツベストに留めてある懐中時計を覗けば、針は既にディナーの半刻前ほどを指している。スーツを整え、帽子を被り、ドアを開けると、多くの人が行き交う通りに出て。彼らの間を縫うようにして歩道の縁まで歩き、指を2本歯の間に挟んで笛を吹く。すると、前方を走っていたハンサムキャブがレオンの目の前でゆっくりと止まり。お世辞にも座り心地が良いとは言えない車両に乗り込み、後ろに立っている御者に目的地の名前を告げれば、御者が屋根越しに鞭をふるい、馬車が動き出す。がたがたと揺れる馬車の中、窓から街の景色を覗いてみると、そこからは、ワッフルのように几帳面に敷き詰められた石畳の上で、蹄の音と車輪の音を街中に響かせながら走る華麗な馬車達や、ベージュ色を基調とした石造りの建物達が隙間なくずらりと並んでいる様子が見えてくる。しばらく走った後、緑色のオーニングが一階部分に取り付けられた、やはりベージュ色の建物の前で馬車が止まる。御者に礼を述べ、金を払えば、レストランの入口近くまで歩いて。彼女が先に待っていたらどうしようかと辺りをちらりと見渡すも、幸いまだ着いていないらしい。壁にもたれかかり、腕を組み少し俯く。木枠で囲まれた窓から漏れてくる暖かな照明に楽しそうな笑い声、そしてバンドの演奏。それらに耳をすませ、今夜起こることに胸を躍らせながら、もうすぐ来るであろう今夜の特別なディナーの相手の到着を気長に待つことにして )


  • No.57 by カレアム・ガードナー  2021-08-19 23:34:52 



>54 レオン

えぇ!是非ご一緒させてください。…都合の良い日はいつですか?

( 相手を苗字で呼べば、名前で呼ぶようにと言われたことで、いつもの自分のよそよそしさが大っぴらになっていることに少し頬を赤らめて。
コンサートに誘ってくれた相手を見て、自分の感情の起伏は普段通りであるものの、目を輝かせる。ヴィエンヌの静かな夜と、流れてくる小さな音楽には似つかわしくない声を上げて是非、と一言。相手の予定が合う日を訊ねて)






>55 ハンナ

はい、良い夜を。ではまた。

( 家の者が迎えに来たと言って立ち上がった彼女を見て、自分も立ち上がれば、あなたも良い夜をと返事をして。相手がお辞儀をすると、それに応えるようにこちらも頭を下げて。”話したくなるようにさせてくださいな”といった相手の発言に少し戸惑ったものの、彼女との優雅でありつつものんびりとした会話をすることを期待して)
                           

  • No.58 by レオン・ダントン  2021-08-20 18:50:27 




>57  カレアム


( 平然を装いつつも、どこか興奮を隠せずにいるカレアムの姿。打ち解けてくれた証拠なのだろうか、と思うと嬉しさや微笑ましさが胸から込み上げてきて。コンサートの公演日を確認するため、ジャケットの内ポケットからメモ帳を取り出して開いてみる。ベンチの横にあるガス灯の微かな光を頼りに、ページを上から指で辿っていけば、ヴィエンヌ音楽院管弦楽団の定例演奏会、と走り書きされたメモを見つけて。それをカレアムにも見せるため、メモ帳を彼の方へ傾ければ )

たしか……うん、二週間後の日曜日はどうかね。



  • No.59 by ハンナ・ホフマン  2021-08-21 23:55:33 



>56 ダントンさん

( 揺れる辻馬車から、夕刻の美しいヴィエンヌの街を眺める。行先も相手も告げずに屋敷を抜け出して来たから、屋敷の四輪馬車は使えなかった。万一の時のための書き置きの口実に弟を使ってしまったが、普段は彼に付き合っているのだから、今夜くらいは上手く誤魔化しておいてくれるだろう。慣れない辻馬車の乗り心地は快適とは言いがたかったが、その不規則な揺れは今のハンナの心の律動のようで不快ではなかった。緑のオーニングの建物の前に馬車が止まったため、料金とチップを払う。相場は分からなかったが、御者の表情を見れば、どうやら多すぎたことは確かなようだ。その代わりか扉を開けて不慣れな手を差し伸べてくれる御者に、微笑んで手をとると、狭い馬車から降り立って。御者にお礼を言って振り返り、壁にもたれかかるレオンを見つけると満面に華やかな笑みを浮かべ。ブルーのリボンで編み上げた娘らしい髪型の後れ毛と、白地にブルーのストライプのドレスの裾を揺らして駆け寄って。 )

こんばんは、ムッシュ・ダントン。
私、時間通りについたと思うのですけれど、お待たせしてしまったわ。


>57 ガードナーさん

( 藍色に沈んだ街並みを蜂蜜色の街灯が暖かく照らすヴィエンヌの夜、を美しく映し流れるティウ。ラ・リヴィエールのテラス席でそのせせらぎに耳を傾け、色とりどりのカードを広げて書き物をする時間。これ以上ない完璧な時間でありながら、今晩は何処か心ここに在らずといった様子で、しまいには退屈そうに油断した欠伸をふわり。 )

  • No.60 by カレアム・ガードナー  2021-08-23 00:17:16 


>58 レオン


( わざわざ自分の方へ傾けてくれたメモ帳を見て、相手の大胆な走り書きを読めば、自分の手帳を取り出し、二週間後の日曜日の予定を確認する。その日は空いていると頷けば、コンサート会場内いっぱいに広がる、美しい音色の想像を膨らませて。楽しみだと言えば、闇に目が慣れてしまったせいで気づかなかったものの、このときはもう遅い時間で。これ以上相手を留めてしまっては、と思い、ゆっくりと立ち上がり )

その日にしましょうか。…とても楽しみにしていますよ。
もう夜も遅いので、そろそろわたしは失礼します。


(/いつもありがとうございます。もし、帰ろうとするカレアムに何か用があるのなら、遠慮なく呼び止めていただければと思います。特にない場合は、このままコンサートの日へ飛ばそうかと考えております。)




>59 ハンナ

…すみません、ホフマンさんですよね?
こんばんは、ガードナーです。


( 街灯の光が闇に溶けるような時分。ヴィエンヌをゆったりとした足取りで歩く。大学で課題の片を付け、リフレッシュに読書がてら飲み物でも、と思いラ・リヴィエールへ。鞄の持ち手を握りしめ、ふとテラス席を見やれば見覚えのある人物がいることに気がつく。
何やら書き物を広げているその人物が誰なのかが分かった次第には扉を開けて。ウェイターに紅茶を注文し、テラス席に顔を出せば確認するように話し掛けて )


(/背後様への返信を忘れていました…申し訳ありません。ラ・リヴィエールで再会したという展開でいきたいと思いますのでよろしくお願いします。)
                           

  • No.61 by オーナー  2021-08-23 19:26:13 




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カレアム・ガードナー  >7

ハンナ・ホフマン  >16


ボンソワール。
いかがなされましたか。ああ、この絵ですか。昔、無名の画家が代金代わりに置いていったものですよ。たしか、ムッシュ・ゴーガン…といった名前だったかと。


  • No.62 by レオン・ダントン  2021-08-23 19:35:12 




>59  ハンナ


( こちらに駆け寄ってくる足音に気づき、顔を上げて視線を向ければ、その瞳に映ったのは、澄みわたった青い水に、さらさらの白い砂を彷彿とさせる美しいドレスとそれを着こなすハンナ。優美さと可憐さを感じさせる彼女の姿に、眉を上げ瞬きも忘れてつい見惚れてしまって。しかし、意識を急いで下界に戻せば、壁から背を離し帽子のつばをつかみ、微笑みながら挨拶を返して。実際は予定時間よりも少し早く着いていたが、"着いたばかり"なんて小さな嘘をつき、にっこりと笑って。立っていた場所から数歩歩き、夕陽の色に似た暖かな光がガラス部分から漏れている木製ドアまで近づけば、引いて開け、脇にずれて )

こんばんは、マドモアゼル・ホフマン。
いえ、わたしも着いたばかりですから。さあ。



>60  カレアム


( カレアムがコンサート当日に予定がないことを確認すれば、よかった、と安心した表情で返事をして。ゆっくりと立ち上がるカレアムを見れば、彼のことを見上げながら帽子のつばをつかみ、にっこりと微笑んで別れの挨拶を言って )

わたしも楽しみだ。
うん、お気をつけて。


(/こちらこそいつもありがとうございます。はい、このままコンサート当日まで飛ばしていただく形で大丈夫です!芸術の都であるヴィエンヌでのコンサート、とても楽しみです。 )


  • No.63 by オーナー  2021-08-29 03:53:36 




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  • No.64 by カレアム・ガードナー  2021-09-06 13:41:03 



>62 レオン

( 忙しなく響きを立てて走る馬車に揺れながら、いつも帽子を被り、会話では表情がころころ変わるかの人のことを思い浮かべる。
ぼんやりと空に目を向ければ、まだ夕焼けの色が残っているものの、既に暗くなり始めていて。馬車を使うときに必ずと言って良いほど思い出すのは、幼い頃、馬車から降りるときに転ばぬようにと母親に注意を受けたことだった。
石畳に降り立てば、ネクタイを締め直し、目の前に聳え立つコンサート・ホールを見上げる。荘厳な装飾が施されているそれは、いっそう自分の心を弾ませる。
芸術の都であるヴィエンヌで音楽に浸ることができる、と表には出さずとも胸を躍らせて。
相手はまだ到着していないようであり、綺麗に並べられた石畳の端にて待つことに。
気がついてスーツに付いていた埃を払うと背筋を伸ばし足を揃えて立って)
                           

  • No.65 by レオン・ダントン  2021-09-07 07:22:46 




( コンサートホール行きの乗合馬車。その屋上席には、さまざまな者が座っていた。芸術家や弁護士、新聞記者、社交界の女性、そして、山高帽を被った八の字眉の彼。いつもの彼ならば辻馬車を利用するところだが、今から向かうはコンサート。チケット代のために少しでも節約せねばならない。二週間前から節食にもつとめるほどだ。懐中時計を開き、馬車の外を一瞥してみる。目的地はもうすぐ。ちょうど乗客たちの自慢話にも飽き飽きしてきた頃合だった。こんな乗り心地の悪い車両ですら、彼らの虚栄心を止めることはできなかったらしい。ようやく車両が止まり、苦虫を噛み潰したような顔で石畳へ降り立つ。すると、そこにあったものは、数本の列柱が立ち並ぶ、白く美しく、神々しい威厳を放つ建造物。日が落ち暗くなった周辺を照明で照らすその様は、まさに神殿のようで。先ほどまでのことなど、まるでなかったかのような明るい表情で辺りを見渡せば、背筋を伸ばし、凛々しく立っている相手の姿を見つけて。彼のもとに駆け寄り、帽子のつばを持ちながら挨拶すれば )

すまない、待たせてしまったかな。思いのほか、道路が混んでいたみたいでね。まったく、乗合馬車は最悪だったよ。



  • No.66 by カレアム・ガードナー  2021-09-08 18:31:33 



>65 レオン

( 他の人と共に音楽を鑑賞するのはいつぶりだろうかと思い返す。時間帯のせいか、道路が混雑してきた。人や馬車でごったがえす中、彼に自分の居場所を気づいてもらえるだろうかと ふと頭をよぎったが、その心配は必要なかった。
誰かが自分の方に駆け寄ってきたかと思えば、今到着したであろう相手の姿。その姿を見て軽く頭を下げ挨拶をすると、待たせたかと言う相手に対してかぶりを振り。馬車が最悪だったと零す彼に声を掛けて )
 
レオンさん、こんばんは。…いえ、わたしも今着いたところなので。
えぇ、道路も混雑してきましたね。
                           

  • No.67 by レオン・ダントン  2021-09-17 20:53:56 




>66  カレアム


そうか、ならよかった。

( 二週間ぶりのカレアムの姿。相変わらず、礼儀正しいのか硬いのか分からない話し方をする彼の様子に、ふふ、と小さく笑みを溢す。辺りを見渡せば、彼の言う通り、多くの馬車や人で道路はごった返してきており、その大群はまさしくアリのように行列をなしコンサートホールへ向かっていて。ジャケットの内ポケットに手を入れれば、横長の長方形のチケットを二枚取り出し、片方を彼に渡し。ついてこい、なんていう風に右手を軽く振り、歩き出せば、アリの群れの中に混じり、ホールの中に入っていき )

さあ、行こうか。チケットは用意してある。



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