匿名さん 2020-08-29 21:09:48 |
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だって余所見してたら払い終わってたから…
( また悪戯心が芽生えてしまい、わざと少ししゅんとした表情を作り相手を見て。本当は実際に鏡で見せてやりたいところだったが、生憎鏡など持ち歩いていない。そうだ、スマホのカメラがあるではないか。と思いつきスマホを手に取るも、切り替えの早い相手は既に遠くにいて。先程といい今といい、相手の切り替えの速さには呆れを通り越して脱帽する思いである。ぶんぶんと手招きをしているのを見て、尻尾があったら確実に千切れるくらい振っているだろうな…などと考えながら席へ着くと、目をキラキラさせながらパフェに手を伸ばし。)
おい、そんな顔すんなよな。俺が悪かったって。
( 自身に特に非はないものの、悲しげな表情をされると何となく何かしたのではという気になってくる。完全に手玉に取られているといっても良いほど乗せられると無意味な謝罪を口にして。彼が席に着くと早速ポテトに手を伸ばす。それから何気無く幼馴染みの方を見て、後悔した。幼馴染みの傍にいるのは彼氏だろうか、傍目からもそうとわかるほど親しげな相手の姿。こんなに嬉しそうな彼女のことを、自分は見たことがない。終わった、終わってしまった。何も考えられず、ポテトを持ったまま呆然としてしまって )
ごめんごめん、冗談だよ。
( 普通に謝られると流石に申し訳なくなり、心の中では「ちょろいなぁ」などと思うも少し笑いながら上記を述べて。夢中でパフェを食べて顔を綻ばせていると、相手の動きが止まる気配がしたため顔を上げる。するとこの世の終わりでも見た様な顔をして固まっているのが目に入り。取り敢えず相手の目の前に手をかざしてみたり、声をかけてみたりと試しながら、何があったのかと視線の先を辿る。そこには先程の女の子と、親しげに話している見知らぬ人。これか。自身も同じ様なものを味わった事があるため、相手の気持ちは痛いほど分かる。この様な場合は何も触れない方がいいのだろうかと思いつつも、このまま友人を放っておくわけにもいかない。どうするのが一番いいのだろうと考えた結果、「一回お店出ようか?」と提案して。)
遅いんだっつーの。
( 軽い調子で返ってきた謝罪に対し頬膨らませてむすっとした表情を。当然本気で怒っているわけではないが、それでも感情を抑えるのは得意ではないのだ。ポテトを数本口にしたところで止まったのだから、気付かれないはずがない。彼に何を言われても、何も考えられないでいる。自分が好かれていると自惚れていたわけでもないのに、幼馴染みに知らない男が寄り添っているのがやるせない。自分では合わないとわかっているからこそ、どうしようもなかった。結婚だなんて大それたことではなくとも、長く拗らせた初恋の終わりはしんどい。二人から目を逸らして心を落ち着けると、漸く言葉が認識された。「ポテトが冷めるの勿体ないし、それに……此処で逃げたら負ける気すんだよ」優しい提案を蹴るのは申し訳ない。自らの思いだけで無下にするだなんて。涙が自然と溢れる。目の前に彼がいるのに、止めることはできなかった )
俺、何してんだろ……っ。
……。
( もしかしたら、別に付き合っている訳ではないかも知れないただのバイト仲間かも知れない。従兄弟などの親戚かも知れない。こんな可能性は幾らでもあるが、そういうことではないのだろう。そう考えると下手に励ますのは得策ではない気がする。勘ではあるのだが。“逃げたら負ける“という彼らしい返答も来て少し安心したのも束の間。目の前で泣き出した相手を見て少し驚くも、スプーンを持っていた手を置いてから何も言わずに頭を撫でるために手を伸ばして。)
俺さ、ずっとあいつのこと見てて……だから、その。
( 上手く言えない。何でこんなに苦しいのか、止められないのか。涙もあるせいで説明できず。自分が一番近くにいたのに知らない表情があるのは辛い。抑えられないままでいるからこそ、何も言わずに撫で受けて。幾らか落ち着く気がするのはなぜだろうか。「祐ー……」ひぐっ、と嗚咽を漏らしながら名前を呼ぶ。ナーバスになっている今は彼しか頼れない。彼も同じ境遇にあるだなんて知る由もなく。弱々しく彼の服の裾を掴むのは、見方によれば彼が泣かせたともとれてしまうかもしれない )
取り敢えず落ち着いて。
( うん、うん。と話を聴いていたが、嗚咽が混じりだし上手く話せない様子を見て一旦落ち着いた方が話しやすいのではと考え。そこでウォーターサーバーが近くにあるのが目視出来たため、ほんの少しだけ待ってて、と言って席を立つ。急いで水を入れて席へ戻ると、相手に差し出しながら上記を述べて。そのまま席に着いて頭を撫でるのを再開するものの、こう手を伸ばし続けるのは些か体勢がキツい。そう考えると相手の隣へ移動して、少しでも落ち着く様に今度は背中をさすって。)
さんきゅ……
( 気分は落ちたままだが、計らいによって少しずつ安定していく。未だ納得はしていないとはいえ、彼女の思いが自分に向いていないことくらいわかっていたから。「祐っ、俺……どうしたら良い?どうすれば良いんだよ……」答えのない問い掛け。彼に求めてもどうしようもないのに、今は思考が纏まらないまま。安心感を得ようと彼へと凭れ掛かって。だんだんと苦しさが和らいでいくと、ぽつりと一言。彼が何か言う前にポテトを押し込むようにして差し出し )
ごめんな、祐。ありがと。
むっ…ひょう…?
( どうしたらいいか。そんなものは誰にも分からない。一時的に気を紛らすことは出来ても、それでは解決には至らないだろう。そんなことをぐるぐると頭の中で考えながらどう言うべきか迷っていると、唐突に口の中がポテトの味で広がり。先程よりかは落ち着いた様子であるものの、自身の時はだいぶと堪えた。何ならまだ立ち直れてはいない為彼が心配になるのは言うまでもない。だがしかし、こう会話を切られてしまっては何も言えない。本当にいいのか、という思いを込めて相手をじっと見つめ。)
……大丈夫。まだ完全に諦めたわけでもないしな。
( ショックを受けたのは否定しない。苦しさが消えたわけではないけれど、そんなにすぐやめようと割り切れるほど大人でもない。一縷の望みを掛けて想うのは自由。少しの寂寥感を湛えて笑い。心配させたくないし、こうして悩んで、悩んだままでいるのは自分らしくないだろう。そうと決まれば。「やっぱうめーよな、このポテト!」意識を幼馴染みから目の前の揚げたてポテトへとシフトする。二本同時に頬張ると油がじゅわりと口の中で広がり、何とも言えない幸福が胸を満たす。表情を和らげたまま彼へと視線を向けて )
俺は問題ねーから、あんまり心配すんな。
そう…。
( 大丈夫と口では言っているものの、寂しそうな笑顔を見るとどうしても気がかりになって。ならもうこの際自身の事も言ってしまおうか。本当であれば、今言うべきでは無いのだろう。しかし同じような状況の2人であれば、まだ前を向けるのではないか。そんな建前を用意して、「今このタイミングなんだけどさぁ…」と自身の恋焦がれている相手が既婚者である事を打ち明ける。本当は、これ以上1人で抱えていたら耐え切れないであろうと考えたから。自分よがりであることは百も承知だが、このまま誰にも相談できないのはそろそろ辛い。一度話が逸れた今言うことではないのは分かっている。しかし一度、我慢しようとしていた気持ちが緩まると、もう歯止めは効かず。目の前の相手なら…と思って。)
( 初めて知った彼の気持ち。叶わない、自身の想いよりもずっと辛く、必ず噛み殺さなければならない境遇。些か配慮の足りないような弱い頭でもそれがどれだけ辛いことなのかよくわかる。想う相手が近くにいるのだから尚更。しんどいだろう、きっと凄く嫌だろう。「そっ……か……」下手な相槌はただ傷付けてしまうだけ。だからこそ言葉を選んで、選ぶのが上手くいかないせいで何も言えなかった。「祐もきついんだな。気付かなくてごめん」敏い彼とは裏腹に察することのできない己に嫌気が差す。それとなく感じ取れたら切り出して貰わなくても良かったのに。考えるのと行動するのを同時にするのが苦手なせいもあって、ほぼ無意識に彼のことを抱き締めていて )
祐っ、お前は同士だ……!
そうねだねぇ…でもここお店だから一旦離れて欲しいかな。
( 全て打ち明けて気持ちが落ち着いてくると、何故こんな事を言ったのだろう…と気恥ずかしい思いと若干の後悔の念が渦巻く。少なくとも目の前の彼にはバレていなかった事を知ると、安堵の思いを込めながら「やっぱり俺演技が上手いんだわ」と冗談を続けて。不意に抱き締められると、今まで渦巻いていたものが一気に押し寄せ、得も言われぬ感情に包まれ一気に我に返る。自分の気持ちに従っただけとはいえ、とてつもないこっぱずかしさに苛まれながら相手の背中をぽんぽんと叩いて上記を述べて。)
……あっ、悪い!
( 演技どころか本心が読めないときもある。確かに上手いよなあ、なんてうんうんと頷いて。同じ境遇の人が傍にいるのは心強い。ついつい抱き締めてしまっていたが、彼の言葉によって漸く我に返ると勢い良くぱっと離れ。体温が心地良かったこともあって離れた瞬間に流れる空気がやけに冷たく思え。今はそれよりも、とポテトに手を伸ばし。「あー……次はシェイク飲もうかな。別んとこで」さすがに絶対に利用しなければならないわけでもないのにこの店舗に通い続けるほどタフではない。けらりと笑い、極めて明るい調子で言葉を紡ぎ。ふとチョコレートパフェのアイスが溶けてきていることに気付くと面白がるように指摘を )
あーっ、溶けてんぞそれ。勿体ねー、早く食え?
じゃあ、そんな貴方にとっておきのお店を紹介してあげよう。
( そうするように仕向けたのは自身なのだが、すぐ離れてしまったことに何故か少しの寂寥感を覚えて。シェイクが飲みたいとの要望を受けると、そう言えば以前に何度か行ったお店が美味しいところだったなぁ。多分。と頭の隅にあった記憶を手繰り寄せ。パフェが溶けていることを指摘され慌てて見てみると、まだ溢れるほどではないものの、急いで食べなければいけない程で。パフェを口にしながら、おちょくるように言ってきた相手に仕返しだ、と言わんばかりにポテトを2、3本奪う。また、口にポテトを突っ込まれた事も思い出しては、徐にパフェのコーンフレークの部分だけを掬って相手の口に突っ込んで。)
えー、よっしゃ。
( 離れたことを寂しく思っても、結局新たな場所へと出掛ける楽しみがそれを上回っていく。すぐにへにゃりと表情を緩め、まだ見ぬ店への思いを馳せる。勿論ファストフード店のシェイクも好きだが、他に良い店があるのなら試してみない手はない。小さくガッツポーズをしては、「また行こうぜ。つーか紹介してよ。可愛い子いないかな」なんてわざとらしい冗談めいた言葉を残し。失恋を癒すのは新しい恋だなんて、立ち直ることは早々にできそうにはないけれど。パフェを慌てて食べる彼をにやにやしながら見ていると、知らず知らずのうちに奪われたポテト。からかいすぎたか、と反省したのも束の間、コーンフレークだけを押し込まれるとしなしな感とぱさぱさ感が同時に来たのかただもごもごと言葉にならず、ただじとりとした視線を向けるのみで )
お前なぁ…
( シェイクを楽しみにしているのか可愛い女の子を楽しみにしているのか…そんな発言を聞くと冗談と分かっていながらも呆れつつ、楽しそうにしている様子を見て安心して。コーンフレークを突っ込めば、何か言いたそうにしているものの口の中いっぱいに入っているせいで喋ることが出来ない様を見ておちょくるように口角を上げる。そこにさらに恨めしげな目線を向けられるものだから、とうとう耐えきれずに吹き出し。その時ちょうどコーンフレークの部分を口に入れた所だったためむせてしまい、飲み物を探して。)
冗談だって。
( 彼の微妙な反応をけらけらと軽く笑い飛ばす。本当に思っているわけではない、と言いながらも少しばかりの期待感は拭えない。新たな出会いがあれば良いのに。辛い思いをして悄気るのは自分らしくないだろう。彼だってきっとそう、新しい出会いがなければ進めないまま。でもそれは、一緒にいれば乗り越えられる。彼がむせたのを見て慌ててコーンフレークを咀嚼して飲み込み。お互い様だとは思いつつ、幼馴染みの彼女のいない場所にてコーラを購入。自分も飲みたかったから二杯。先程よりも空いていたこともあって比較的スムーズに進んだ。甘いものに甘いものは、なんて考えることもなく、彼へと差し出して )
けほっ…あ、ありがとう……
( これでは人の事を笑えたものじゃあないな、と思いながらむせていると唐突にコーラを差し出されたためぽかんとして。直ぐに自分の為に買ってきてくれたのだと気がつくと一言お礼を述べてそれを受け取る。甘党で炭酸が好きな自身にとって、コーラという選択は的を得ているため、もしや彼は超能力者か?!などとふざけた事を考えながら。何口か飲んで落ち着くと、「死ぬかと思った…助かった、旅人よ…」などとRPGに出てくるような台詞で巫山戯て。そして、飲んでいるコーラをまじまじと見つめた後、相手の方を向いて冗談交じりに )
因みにこれ奢り??ありがとぉー
困っていたようだからのう、良きに計らえ
( コーラを飲んで落ち着く様子を見て安心しながら、自身もコーラを口に運ぶ。しゅわしゅわと弾ける炭酸と塩辛いポテトの相性は抜群。ぱくぱくと食べ進めるとすぐに平らげてしまい。ふざけたノリに乗っかろうと何故か上から目線で台詞じみた言葉を発し。「奢るとしたら加算されるけど良いのか?そのパフェそこそこするんだからな」合わせて700円くらいだろうか、と頭の中で考えつつ、くすくすと笑いながら返答を。まあどちらにしろ、出掛けることは確定しているのだ。詳しいことはどうでも良い。「あー、明日も学校かー」ぐんと伸びをしながらだるそうに呟いて )
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