春彦 2020-02-03 01:40:48 |
![]() |
通報 |
そりゃあまあ…一日頑張ってきたダーリンを出迎えんのは良き妻の務めだからね、知らねえけど──はいはい旦那様、お疲れでしょうしとりあえず此方へ。がっつり癒して差し上げますので、多分。( 過保護めいた言葉が口をつく前に適当な冗句を並べ、流暢な英語と共に握られる手を見下ろせば目を丸めた後愉快げに細め。相手が家に上がったタイミングでその手の甲へ口付け"今日はこの路線で行くか"と呟く思いつきのまま緩く引き、低い声故か妻というより執事のような調子で寝室へ誘い )
そう、確かに僕的に出迎えの重要性は高いし…間違いじゃないかな。_…ッ、何…今日は淑やかな妻路線にするの。別に何でも良いけど予防線張るのは頂けないな、仮にも癒す気あるんなら( 冗句を聞き可笑しそうに口許緩めれば、細まる目をへ視線合わせ暗に務め同意し。甲に口付けられ擽ったく肩震わせ一笑し、呟き含め低く耳触りの好い声調での言葉を拾いながら誘い受けて寝室へ入りベッド前まで来ると"先寝っ転がって"目で訴えて )
へえ、ちょっと意外──っつーか言ってくれりゃあ出迎えでもお迎えでも何処だってやってのけんのに。…ほら、全力出す前にコロッと寝ちゃうフラグあるだろ?芳樹くん想いの俺としちゃそっちのが有り難いんだけど、しばらく残業アンド残業な訳だし。( 良い情報を得たとばかりに弧を描く唇から先程隠した過保護を覗かせ、片手でハンドル扱うような仕草を見せて。ベッドの前で立ち止まると視線を隠すように額へキスを落とし、ようやくベッドへ寝転がっては"眠けりゃこのまま寝ちゃいなよ"と釘刺し誘うように繋いだままの手を広げ )
言ったらそう言うと思ったから…別に玄関から迎えてくれる位で十分__…今の、そう言う前置きじゃなかった様な気がしたから言ったのだけど。まァでも其のフラグは回収しかけてるし、また寝落ちる前に此処はあんたの御気遣いに甘えとくよ。( 相手の動作共々、予想の範囲内での返答認めては緩めた表情は其の儘に睫毛伏せ静に述べ。額にもキスを施され多幸感に満ち、安らぎから眠気が来ると丁度手は離さず横たわった相手から釘刺し受けて。拡げられた両腕に双眸細めつつ浅く頷いてからベッドに乗り上げ、返事の傍ら其の前髪を梳く様に撫でた後唇に軽く口付けると手繋いだ状態で隣に寝転び。其れから訥々と呟き、何時もの様に抱き締めては就寝し )じゃあお休み、春彦さん…今日もこんな時間まで付き合って貰ってどうも。此方は蹴って良いから寝て。
( 一足先にシャワーを借り、濡れた髪のまま原稿の続きに取り掛かるも早々に寝入ってしまった明け方の消化不良が尾を引いて集中欠き。諦めて携帯とショートピース片手にサンダルをつっかけては階下まで降りていき、夜道に相手の影が無い事を確かめるとマンション側の花壇に腰掛け、顔扇ぎつつ口寂しさを煙草で誤魔化し )…あの子が先か熱中症が先かって奴だな、これは。
( 会社から車で直帰し駐車場で降り、説錠した車のキーを連絡し忘れた為携帯に持ち替えながら入口へ向うと遠目に花壇にぽつねんと座る人影を認め。珍しいな、と歩みを少し遅め見遣るも持ち前の視力で直ぐ其れが恋人だと分かれば驚きも割に懸念で顰めた面作り。スマホを懐に戻す片や、淡白な冗談零しつつ其方へ近寄って )……とうとう待つのに耐え兼ねて仕舞ったかな。って言うか何時から居たの?
…いいや、ただの気分転換。クリエイティブ職特有の。ついでに玄関で出迎えてくれってリクエストを叶えようかと…はいよ、おかえりとお疲れ様の一服。( 数本目のショートピースを灰皿へ押し込む寸前、足音のする暗がりへ人相悪く目を凝らせば冗句携え現れた相手に眼差し緩め。問いへの回答代わりに吸い殻見せつつ立ち上がり、涼しい顔で惚けるもつい視線は唇に落ち、誤魔化しがてら指に挟んだまま短い煙草をあてがって )
…。そう、ベランダで済んでたのにまた急な心変りだね…別に叶えてくれる事自体は良いから次は水持ってってよ__…ん。どうも、春彦さんもお疲れ様 ( 凝らした目を緩める相手の前まで来、提示された吸い殻の数に長時間だと悟れば浅く吐息し。腰上げた相手の涼しい面持へ仏頂面向け、だが飽くまで見逃す方針で述べると宛がわれた煙草を見遣り、程無く摘み指の間から抜取り咥えつつ"帰ろ"と目配せしては先に歩き始め )
ベランダ如きじゃ気ぃ散るようになっちゃってさあ、重症。やっと芳樹くんの苦労が分かったわ…あとはまあ、この頃ベッドインから即爆睡ってパターンばっかで欲求不満ってのも少々。( 忠告にも生返事で頷けば視線通りに歩き出しながらだらだらと経緯語り、追いついた際に空いた手で相手の片手を取って。心地良い体温を味わうように指を絡めてエレベーターへ乗り、些か満足げに緩めた表情で上昇する間に自戒込めた本音も付け足し )
何、集中削がれるって…?近い内に自分の家になるのに今更そんな僕の苦労以上の物患って可愛そうに。_…ふ、珍しく随分とストレートに言うじゃないか。まァ気持ちは分かるよ、僕もあんたの寝顔眺めるの好きだけど…矢っ張り少し、ね。( 背で生返事聞き、手に手が触れては視線を相手へ移して。満足気な笑顔と掌に伝う温もりで此方も緩めば表情戻り、絡む指を握り返すも足された言葉に鼓動跳ね。滲む甘い疼きに煙草片す傍ら口許綻ばせ、指定階に着くなり手を引き部屋に向うと控えた声量で同意しつつ一切顔を合せぬ儘カードキーで解錠し。扉開けて中に踏み込んだ所で虫食いな呟き漏らして )
ちゃーんと恋人摂取してりゃ平気なんだけどねえ、慢性的にじわじわ削がれてる君とどっちが厄介なんだかね。──そっちこそ珍しいじゃないの、いきなりぶっちゃけてくれるなんて…俺さ、芳樹くんがそういう事言ってくれんのめちゃくちゃ好きよ。ってな訳で丸ごと聞かせてよ、おやすみ代わりに。( 解ける仏頂面を充足した心地で眺め、上機嫌な子供のように引かれる手を揺らして部屋へと向かうも同意の言葉に戯れを止め。罪悪感とは異なる後ろ暗い感情に昂ぶれば吊り上がる唇でぽつりと打ち明け、もう一方の手を背けられた顔に伸ばすと頬撫でるように此方を向かせ。欲するまま一度口付けては吐息が触れる距離で微熱滲む双眸細め )
おや、遠回しに会社へ対するクレームかな…そう言うのって遅いか早いかの違いなだけで何方も何方なんじゃないの。__あんたと同じで気分、……。 ( 相手の子供っぽい仕草に気緩んでいたも束の間、閉扉音と共に響いた言葉に冷淡に返そうとするも艶めく声音での甘い告白に心臓掴まれ。痺れる様な感覚に沈黙し、頬なぞる長指に振り向く儘唇重なっては絡めた指先が少し力んで。水音立て離れた唇に吐息が掛かり、微熱孕む双瞳に情慾滾る切迫感に憫笑に似た翳る微笑見せ。湿り気帯びた髪に手差入れて後頭部を引寄せ、薄く開いた唇で"嫌だ"形作ると深く重ね合わせて )
( 勤務の隙間時間に『お疲れ様。御免、今日は何時帰れるか分からないから待たずに寝て。それじゃあ早い上に文面になるけど、お休み春彦さん』短なメール送り。打った相手の名に寂寥感苛み、自ずと薬指の付け根を触れば溜息を逃がし振払う様PCに向き直って )
( 食事を兼ねた打ち合わせを終え、帰路に着く途中メールに気付けばばつの悪さからくしゃりと髪を掻き『オッケー、今度こそしっかり寝溜めしとくよ。遅くなったら過保護な彼氏が安眠できるように道中気をつけて、どうぞ。じゃ、もう一頑張り応援してます』ひとまず簡潔に返し、歩みを再開すると途中コンビニに立ち寄ってからマンションまで戻り。挨拶も無く部屋に上がっては鞄からメモとペン取り出し、その場で書き連ねたそれに栄養ドリンクを添えて玄関先に並べてから溜め息残して浴室へ向かい )
『芳樹くんへ、おかえりアンドお疲れ様。それから何より、君にあんな事言わせて早々寝落ちてごめん。煮るなり焼くなりビンタするなり…何ならデコに絵描くなりしてくれちゃっても良いから、明日ちゃんと謝れるまでそれで一旦許しといてくれると助かる。
無論それ+リポDでチャラって訳じゃないんで週末か、君の都合の良い日にでもガツンと埋め合わせさせてちょうだい。そろそろ街に繰り出しても良い頃合いだろうし、多分。それじゃあ明日に備えてゆっくりおやすみ、今日も一日頑張りました。春彦より花丸を込めて。』
( 相手宛の返信に後押しされつつ何とか泊りは防ぎ、重い疲労感を引き摺って静に帰宅すると玄関口に置かれた諸々見付け。両方拾い上げ労いに目細ませて読めば折り畳み『ただいまと色々御親切にどうも、許すも何も寝落ちはお互い様だし不問。ただ煮ても焼いても良いってのは魅力的だから其処は採用させて貰うよ。一先ず、勿論あんたの私用優先だけど週末全部使って返しな』と其の裏面にペン走らせリビングのテーブルに残し、リポDは冷蔵庫へ収め明日に回しては億劫ながらもシャワーを浴びに行き。髪の水気取り、漸く恋人が眠るベッドへ着けば安堵に心安する儘額に唇寄せて。相手に擦り寄るが如く布団潜り込み、くっ付いては丸くなり )
( 夏物の着替え片手に喫煙所を通り過ぎ、マンションへ向かう途中前方に恋人の背中を見つければ鼓動と足取りが早まって。ポケットに入れたままのメモが音を立てないよう極力静かに歩み寄り、湧き上がる笑みを噛み殺しつつ驚かせるようにその肩を叩くと背後から悪ぶった声調で囁き )──こんな時間に一人歩きしちゃ駄目だろ、色白美人な兄ちゃんが。悪ーい大人に攫われちゃったらどうすんの。
( 連日の疲労故に鈍い歩みで道中、仕事の連絡確認し終えた携帯懐へ戻してれば不意に肩叩かれ。驚きに身体が硬直する儘足を止め、悪者染みた囁きを聞くと同時に振り返ると目前の相手に瞠目して。然し其れも刹那、胸中に恋しさ押寄せ肩に頭を押付けては深めの吐息混じりに何とも雑な返答し ) …あぁうん…春彦さんが来てくれたし、もう心配無いでしょ。
おっと…流石の芳樹くんも充電切れかね、今週はいつにも増して頑張ったもんなあ。そんな君を差し置いてグースカ爆睡して悪かったよ、本当に。( 悪戯な眼差しで見つめ返すも相手が凭れてくれば受け止め、労りを込めてぽんぽんと頭を撫でて。そのまま抱き締めたい衝動を眉根寄せ戒め代わりの謝罪で堪え、暫く煙草の香りに浸った後片手を差し出すと"勿論、全力でボディーガードするとも"と疲労滲む相手に合わせて声量落とし )
…まァ最近は緩かった分、少し反動が大きいだけだよ。_…別に気にして無い、其れにあんたがちゃんと帰って来てくれたから僕は十分に睡眠取れたしね ( 柔く乗せられる掌の心地好さに目伏せては少しの間安堵感に浸り、相手の落着いた抑揚を聞きつつ外と言う事もあり頭離し姿勢戻して。謝罪に対し穏やかに返し、言葉と共に差出された手を見た目細め、微笑んだ面持で頷くと指を絡め自宅に向かい )
…あぁ、また丸っこくなって寝てたろ、多分。あれじゃ充電になんないからノーカン。そのへん諸々考慮して今週末は家デートにしとこうか──ツケも大胆に払えるし、ねえ。こんだけ溜まってりゃ煮るなり焼くなり炒めるなり思うがままよ。( 細い指を握りながら返答にふと思い出すと持論述べて首を振り、たどり着いたエントランスからエレベーターへ移動する間に僅かな思案の沈黙を取って。11階のボタンを押す頃には結論伝え、痕の消えた耳裏をさりげなく確かめつつ楽しげに煽るように囁いて )
トピック検索 |