龍の家 〆

さて、ステーキも食べたし…。
私は足りたが雅は足りたか？

(肉厚のステーキを食べ終わり口許をふきんでぬぐいながら楽しい時間も終わりなんだとしみじみ思いながら呟き彼にステーキだけで足りたかと問いかけ)

……ん、大丈夫。高級な店の肉って、すげぇ小さく見えるけど脂も乗ってるしいい肉だから結構腹にくるな。
(最後の一口を食べ終えると、こくり頷きお腹をさすりながら満足そうにご馳走さま、と言って)

お粗末様でした。

ほな、行きましょか。

(満腹そうな彼を見つめてはクスクス微笑みながら母のように返事をし店員にはすでに会計をし終わってるのか席を立つと店長がやってきて見送られ)

おう。
……いつも、色んな奴とここに来るのか？
(相手の後を追い席を立ち後ろから追って。高級店の雰囲気に会食やデートなどで使うのかと、さりげなく訪ねて)

そやなー接待の時に使ったり。
仕事の打ち合わせんときに使ったりのぅ。
あそこの店員皆元は組のもんだから信用あるんや

(車に乗りそう問われん～と顎に手をおきながら考えてぽつりとぽつりとどんな風に使ったかを軽く説明をしまぁあとは暗殺とかなと思いながら店員のつながり優しそうに話し)

へぇ、全然見えなかった。
確かに、屋敷には連れてこないよな。滅多に
(車の中に乗り込むと、見て分からなかったと意外そうに。拾われる前は別世界でも、そこら辺に裏社会の人は居るのだと思うと少しぞっとしつつ)

屋敷に招き入れてもええけど、片付けが大変やから…。それに酒が入るとどうも制御が効かんことがあるから知らんうちに高いもん壊したら…なぁ～。

(ぽりぽりと頬を掻きながら車の窓を眺めながら昔屋敷でやった宴事件を思い出しながら苦笑いをし口喧嘩がきっかけで戦争になったらいい笑い者だと言う風に話しながらクツクツと笑みを浮かべ)

あー確かに。
つか、組長は酔ったら暴れんのか？
(そういえば、相手が泥酔したところはあまり見かけた事がなく首を傾げると想像出来ないなと付け足して)

いや、私はあんまり酔わんし酔ったら寝るだけわからなぁ…。そいや雅は酒は飲まんのか？

(違うと否定しながら首を緩く左右に振りたしかと記憶を探すように呟きふと不良なのに酒を飲んでるところを見たところがないなと思い出し単純な疑問を質問し)

組長、強そうだもんな。
俺は未成年だっつの。あー…いや、先輩に飲まされた事はあったけど頭くらくらするし思考回路働くなるから、きっとこれからも飲むことはあまりねぇよ。
(予想通りと納得。相手の言葉に、否定しつつも経験はあるのか頬ぽりっとかきながら首横に振り)

それは残念やな…。
飲めるんやったら飲み比べしようかと思っとったのに。

(酒が弱いと言われ残念と肩を下げながら寂しそうに呟き飲めたら一緒に盃を交わしたかったとクスクス子供みたいに微笑み車が家の門についたのを確認しそろそろ出る準備をし)

…組長には拾われた恩もあるしな。成人になったら、晩酌くらいは付き合ってやるよ。
(相手との晩酌なら酔ったとしてもどうにかなるだろうと安心、よっぽど信頼していて。屋敷の目の前に着くと、相手を後ろから追って)

おおきにぃな～。
…なんや、騒がしいのぅ。

(暖かい気遣いに目を細ませながらにこりと笑いながらわしゃわしゃと犬を撫でるみたいに撫で玄関辺りに入るとなんかどたばたと組員が落ち着きがなく首を傾がせながら呟き)

…おう。ま、それまで俺が居ればだけどな。
(屋敷の近く、見知った組合と環境に相手が撫でる手も止めず。屋敷に入ると、どたばた足音が響き相手の隣で″あ？″と一歩出て中に顔を覗かせて)

おやおや、これはこれは。
なんや騒がしいと思っとったらお客さんかぃ？

(覗かせる雅の首根っこを掴み自分の後ろに庇うように引っ張り前に現れた怒り狂ってる男性に嘲笑うかのように話しかけ自分の組員たちに目を配らせて微笑みながら問いかけ)

うわ、っ…あ？
……組長の知り合いか？随分怒ってんぞ、待ち合わせすっぽかしたのか？
(首根っこ掴まれると、後ろによろけながら相手の後ろに回る。お客さん、と言われ皮肉に気付かず耳元に顔寄せるとひそひそと問いかけ)

ん？何言ってるんや？宴で会ったやろ？
ほら、雅が転んだのを見物しておった偉そうなおっさんやで…あぁすんません。落ちこぼれの組長と言った方がええかのぅ？

(ひそひそと問われくすぐったそうに身をよじりんんっと気を取り直しながら自ら罠にかかったネズミをバカにするように雅に説明をしたら急に客が銃をこちらに向けてきてのにもかからわらず平然と罵声をかけ)

あー…確かに居たかも。ヤクザってみんな同じ顔に見えるから、覚えきれねぇんだよ。…っ、おい。組長、っ
(似たような人相の悪さに、元より記憶力も悪いため脳裏に思い出そうとするがぴんとこず。突然、銃を向けてくる男に、思わず相手の服をきゅっと震える手で掴みながら逃げないと、と思い)

…落ち着いて話をするっちゅ～選択はないのか？
まぁ、あんたはんは今私を殺しても罪が重なるっつぅだけやがっなぁ！！

(怯えている雅を安心させるよう手を優しく握り返し扇子を広げ口元を隠しながら悠々と話を続け微かに遠くから聞こえる警察のサイレンに顔馴染みの警察が来たなと考えながらゆっくりと距離を近づきながら扇子を閉じ上をなげ扇子に注意を向かせその隙に足払いをしてから背負い投げを食らわせ)

っ！！……く、組長…？
(優しく答えてくれた相手の姿は一瞬で豹変し、目の前で男が宙を舞う。一瞬の出来事で頭が真っ白になるも、サイレンの音で我に帰り、一歩後退すると相手が何だが怖く感じ、)