やばい人 2018-09-09 01:43:24 |
通報 |
その部屋は、古い洋館のような雰囲気があった。
床には厚みのある高級そうなカーペットが敷かれており、壁沿いには分厚い洋書がぎっしり詰まった本棚が二つあった。
本棚の間に掛けられた絵は、細かな彫刻がなされた銀色の額縁に収められている。
天井では、一つの大きなシャンデリアが優しい光を放っていた。
俺の寝ていたベッドもキングサイズのもので、布団もやわらかな手触りで質が良さそうだ。
しかし、豪華な空気に包まれたこの部屋も、今の俺からしたらワンダーランドの入り口のように思えた。
いや。
今は正直、部屋の様子なんて、どうでも良かった。俺は、部屋を見渡していて気が付いてしまった。
なんと、ベッドのすぐ横に一人の女が立って此方を見ていたのだ。
しかも、普通の女じゃない。
目に、白い目隠しのようなものを着けた、金髪の女だ。
トピック検索 |