サーヴァント 2018-08-25 23:22:43 |
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…分かったよ、ここで俺がどう言ったってお前は絶対曲げないだろ?なら好きなようにしてくれ。ただ、納得する為に聖杯へ望む願いとやらを教えて貰おうか。マスター。
(呆れた様に乾いた笑い声を喉から捻り出せば、馬鹿馬鹿しいとでも言いたいのか手を広げ己が感情を伝える。とんでもないハズレくじを引かされてしまった事を嘆きながら、さてどうするかを冷静な頭で見据える。この少女は令呪の使い方さえ知らない。聖杯を求めるのなら彼女をここで殺して魔術回路を喰らい、別の魔術師と契約した方が余程勝機はある。今、出会った人間を殺せない程の情があるわけでもない。__しかし、それは流石に気が引ける。友人にも酷く泣きながら叱られる事だろう。軽く舌打ちをすれば、これからの苦労と非情になりきれない自分を恨みながら腹を決める。自分の意思で参加した訳でもないこの戦争、呼び出されたのなら戦うのみだ。ただ、戦う目的を明らかにしたいのか少女に望みを問いかけ。勿論、その返答次第では利益のみを提供するとは限らなくなるが。戦うと決めたのなら今後何をしようと聖杯を手に入れる。その決意を外に漏らす事は無いまま、静かに魔力の根を辺りに張り巡らせ。)
…お父さんの仇を取る為だよ。お父さんはある男に殺されたの。だけど、その男は大物政治家で、裏で金で警察を動かして、証拠不十分で釈放された。あんな曲がったこと許さない。お父さんを生き返らせて、あの男に天誅を下す。逆にあなたにも願いがあるの?
(貼り付けたような笑みが消えた相手の顔を見つつ、尋ねられた聖杯の使い道に、言葉にするのが一瞬躊躇われる。それは口にするにも忌々しく、脳裏に焼き付いて離れない幼い頃の記憶。あの時からどれだけ自分に力があればと思ってきた事か。静かに拳を握りしめると苦々しげに言葉を絞り出して行く。聖杯が万能の願望機であるならばきっとそれはもっと崇高な考えを持った善人に渡るべきなのかもしれないが、何を願うにしてもそれは勝ち取った者の自由だろう。あの日から仇を打とうとどれだけ必死に尻尾を掴もうとしても煙に撒かれたあの男を地獄に突き落としてやるのだ。詳しい事は何もわからないままだが、そのチャンスが与えられたのだとすれば、それを無駄には出来ない。目の前の相手の口ぶりからすれば、普通はちゃんとした魔術師が召喚して聖杯戦争に共に参加する様子であるし、相手にとっては面倒極まり無いことは確かなのだろうが、協力してもらう他はない。真正面から相手の双眸を見詰めて揺らぐことなく自分の思いを相手に告げると、追うように相手の願いについて尋ねて)
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