ほのか 2018-02-25 17:46:31 |
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『ここが37番通路だから、この先が出入り口ね。ん?おかしい。37番通路はNICUの向こうのはずなんだけど・・・。ん?』
”女医”が女の気配が違うことに気付いて後ろを振り向くと、女は”女医”に銃口を向けていた。
「ちょっと、あんた・・・。」
と、言うか言わぬかのうちに、ブシューという音と共に、”女医”たち2人をを白い煙が包み込み、”女医”と女は白い粉に覆われてあたり一面真っ白になった。
「ふーっ、取り敢えず”1面はクリア”ってところね。」
白い煙が収まると、その向こうには”女医”たちに消火器の噴射ノズルを向けた女2が立っていた。女2はカレシに、銀座での喫煙客のために持っていたダンヒルのライターを手渡して
「2人で肩車して、10歩後ろの天井の熱感知器をライターであぶってくれない?」
と言った。カレシはオトコにライターを渡してオトコを担ぎ、オトコは女2に言われたとおりにした。ライターであぶられた熱感知器は、”火災”を感知し、37番通路を防火扉で封鎖した。10歩後ろに下がっていたオトコとカレシは、防火扉の内側、すなわち中央通路に残された。防火扉の内側から
「おい!銀座の姉ちゃん、どういうつもりなんだよ!」
とオトコが怒鳴った。
「ごめんなさい。あなたたちにはNICU用の酸素ボンベを交換して欲しいの。外に酸素ボンベを積んだトラックが停まっているはずよ!後はNICUの看護婦さんに聞いて!」
カレシが答える。
「分かった。で、君達はどうするつもりだ?」
「もうすぐ”雨が降る”はず。早くNICUの待合室に入って!」
熱感知器は、防火扉を閉めた後、消火用スプリンクラーを作動させ、扉の外側にいた全員、すなわち、”女医”と女と女2と、バズーカ砲を担いだ男の4人をずぶ濡れにした。
「・・・先生と、拳銃を振り回すバカ女の頭を水で冷やしてから、アイデアを練り直すわ。」
女は、女2の後ろでバズーカ砲を構えている男と目が合った。男はベッドで寝たまま病棟へ連れてこられた時と同様にほほえみ、女は、今が夢などではない現実だと知り、胸が熱くなった。
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