ほのか 2018-02-25 17:46:31 |
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”女医”は病院の内線番号表をパラパラとめくった。日本国内の医科大学附属病院の中でも、”女医”が勤めているこの病院は特に規模が大きい。内線番号だけで1冊の電話帳ができるくらいだ。”女医”は外来受付の内線番号を押した。
「はい、外来受付です。」
「感染症隔離病棟の常駐勤務医よ。診察が終わった外来患者はどうしてるの?」
「はい、警備員室からの連絡で正面入り口を閉鎖しましたので、混乱状態です。」
「分かった。ありがとう。」
”女医”は警備員室の内線番号を押した。
「はい、警備員室です。」
「感染症隔離病棟の常駐勤務医よ。そちらから病院の外の様子が分かる?」
「はい、監視カメラの映像からは、何体かのゾンビがうろついている様です。」
「ゾンビが院内に侵入した形跡はある?」
「いえ、こちらからの遠隔操作で全ての入り口に施錠していますので、院内には侵入されていません。」
「特定の入り口やドアだけ開けることはできるの?」
「ええ、それは可能ですが、今開けるのは危険です。」
「分かったわ。ありがとう。また連絡する。」
受話器を置いた”女医”は女を見て言った。
「あんた、その拳銃であたい達を守る自信はある?ドジふんだら、今度はあんたがゾンビになるよ。」
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