ほのか 2018-02-25 17:46:31 |
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「『最後は……皆殺し』・・・いかにもHWらしい答えね。だけど恐怖で本音が出る当たりはこの子が言った通りの『試作品』だわ。」
銀座の女は後ろを振り向いて”女医”に問うた。
「ねぇ、何の話してるの?HWって何?」
「HWはHUMAN WEAPONの頭文字で、意味通りの”人間兵器”。昔日本がノーベル賞を取ったiPS細胞だけでできた、空想上の『究極の生物兵器』よ。あくまで空想上の話だったんだけど、今は現実にあたいの隣にいる。ペットボトルに指紋が1つもついてなかったから、今あんたの隣でハンドルを握っている男もHWよ。しかもこの男はこの子よりソフトウェアのヴァージョンが高い。『昔のアクション映画』というデータをインストールされているわ。」
「その子は『茜』って言ってたわよね。じゃああなたの名前は?」
「・・・識別用として、『悟』(さとる)とだけ言っておく。」
「悟。あんたはどこで造られたの?」
「・・・。」
「あんたも『試作品』なの?『量産型』はもう完成してるの?」
「・・・。」
「なんとか言いなさいよ!」
「・・・。」
「茜さん。あなたはどこなの?」
「・・・に、新潟第一医科大学・・・し、し、試作品番号・・・」
「茜!そこまでだ。早く後ろのトカレフを構えろ!でないと『HW相互支援法』違反でお前を撃つ!」
悟は車のバックミラーを見ながら左腕を上から後ろに回して茜に向けて拳銃を構えた。
「止めなさいよ!もういいわ!あたいはもう聞かないよ!危ないから前を見て運転しな!」
と”女医”が言うなりまたドスンと言う音と共に車がゾンビをはね飛ばした。悟は
「ちゃんと前を見て運転してはね飛ばした。」
と言った。銀座の女はぼやく。
「いくらレクサスのSUVでも、何度もゾンビをはねたら壊れるじゃない・・・どうせ盗んできた車だろうけど・・・。」
「トヨタレンタリースで拝借してきたが『ゾンビ店員』にカネを払う必要はないさ。」
「茜!早くなんとか言う拳銃の準備をしな!」
と、”女医”は茜を急かせた。悟は銃を下ろした。
「悟。あんたの拳銃はあたい、どこかで見たことある。」
「『ワルサーP38』。ルパン三世、『昔のアクション』だがまだ使える。」
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