リルン 2018-01-22 22:08:36 |
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~私の師匠~
「大丈夫だ! さ、もう一度!」
「ちょ……、リダル師匠……! 待って下さい……!!」
私がまだ、宇宙光戦軍隊に入って間もない頃。未熟だった私を、リダル師匠は徹底的に教えてくれた。
「目を逸らすな! ちゃんと見るんだ、ラスタール!!」
指摘され、ビクッとする。それと同時に一発が入った。
「痛っ!!」
痛みにうずくまる私に、彼は傍に駆け寄り、
「ごめんな。大丈夫かい?」
そう言って、穏やかな笑みを浮かべ、私に手を差し伸べる。
「だ、大丈夫です。ありがとうございます」
私は御礼を言って、彼の手を取る。
「休憩しよっか。飲み物、取ってくるから待ってて」
「ありがとうございます……!」
彼の後ろ姿を見ながら、私はそっと溜息をついた。その溜息は疲れたからかなのか、あるいは自分の弱さに呆れたからなのか。それにしても、リダル師匠は凄い人だ。相手の隙を逃さず攻める戦闘スタイル……。それは私が今後、目標とする姿だった。すると、頬に冷たい感触が……
「わぁ!?」
「はい、飲み物だよ」
「あ、ありがとうございます……?」
どうやら、リダル師匠の仕業だったらしい。頬に当てられた冷たい物を受け取る。
「はは、大したことしてないよ」
そう笑い、彼は私の隣に座った。乾杯と言わんばかりに、彼はカァンと当てた。そして勢いよく飲む。私も慌てて飲む。すると、彼は飲むのをやめて、
「ラスタール」
私の名を言った。
「はい、何でしょう?」
彼の反応に、私も飲むのをやめる。
「無理に俺に合わさなくてたっていいんだよ」
「え? でも、リダル師匠がすることは凄いですし……だから私……頑張って真似しているんです」
「基本的な動作は真似してくれていい。だが、戦い方は人それぞれだ。だから、お前はお前なりの戦い方をするんだ。……これがお前に教えてやれる最後のことだ」
彼はただ笑って、私の頭を撫でた。私はどう返したらいいか分からず、ただされるがままだった。
「……本当はお前をあの戦場には連れて行きたくないんだ……」
彼の呟きは私に届くことはなかった。その声に私は振り向くと、彼は笑い
「何でもないよ。さぁ、そろそろ始めようか」
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