《 Fate / ＿＿＿運命 》

そうさな、…手始めにそこな雑種。貴様の其の眸が飾りではないか否かも含め、我を暫し注視しているが善い。何、此度貴様が我の元へ赴いたと云うならば…赦してやろう。貴様が我に傅く迄、此の双眸は確と見据えている故な。最早貴様の言動全てに於いて我の手中である。今更怖気付く迄もない、……但し、我に不敬のない姿を晒せ。でなければ我の魔杖の藻屑と消え失せよ。（言動等含め塩対応過多。英雄王拠り少し砕けた塩程度）

お早う。…朝忙しくしている君の為にも、と料理に腕を振るいたいんだが何せ僕の祖国の料理は余り評判が良くない。寧ろ、……否、何でもない。さて、お喋りは此処迄にしよう。君はこれから出掛けるんじゃなかったかな？…僕の事は構わない、仕度を済ませたら行っておいで。最近は何かと物騒でもあるからね、気を付けるんだよ。＿＿＿そう不安気な顔は止して欲しい。君を守る騎士として、直ぐに駆け付けてみせよう。だからほら、もう行くんだ。

お前も此の牢獄に身を巻かれた哀れな輩と云えような。…ふ、……フハハハハハ！！いいだろう、貴様が此処を彷徨う先に見得る絶命が先か、此の塔からの脱獄が先か。此の俺が見定めて遣る。復讐に己を削る俺と対等に並ぶのだ、背を丸める様な姿は見せるなよ。＿＿＿精々底無しの悪鬼から足掻いて見せよ。貴様の様相次第では、望む先刻を与えて遣ろう。

＿＿＿ほう。異邦のマスター、貴様か。浅ましき人の世に此のオジマンディアスを誘う者は他には居まい。然しもの、余は貴様の価値等既に見極めて居る。其れ故、貴様が余のマスターに相応しいか如何か…貴様に足らぬのは最早其れだけであろう。彼程余の腹を揺する貴様成らば…滅びの火を目前に迫りながらも其の歩みを躊躇せずよもや世界の救済を謳った貴様成らば！……異邦のマスター、否。余と共に肩を並べる勇者よ。余を其の気にさせたと成らば矢張り覚悟を要するものである。つまらぬ返事をしようものなら其の場で我が光輝に灼かれ灰と化すのみ。故に其の命、暫し預ける。

＿＿＿此れではまるで王宮誌扱いよ。だが善い、…我とて二度も過労死に見舞われるつもりはないのだからな。偶の休養に言を交える程度で構わぬ、貴様の歩幅で此の光輝に近う寄れ。特別に赦す。我は魔術師等と云う下臈は好かん。万が一にも彼奴等と共存とあらば真っ先にあの輩が絶命に至る迄よな。小間使いも其の類で在ったか、……ふむ。…そう構えるでない、無論我に刃を向けようものなら相応の罰を下すであろうが貴様は魔術師以前に我の小間使い故。存分に我の傀儡として働いて見せぬか。

ただいま、…の言葉に必要性を見出せなくなってから随分経つけれど。一先ず我が家に帰ってきた訳だし、待って居てくれる貴方が居る以上この言葉を掛けなきゃいけないと思う。私が幾ら捻くれていようとも、聖杯戦争に関わる気が微塵もなくとも。……うん。何というか、人として。そうすべきだ。だから一応、改めて。＿＿＿ただいま、セイバー。