真選組屯所内の秘密　非募

あぁ、何処でも連れてってやるよ、丁度明日オフだろ？どっか行きたいとこあんのか？（彼の我が儘など今となれば愛らしく、なんでも叶えてやりたくて。腕の中にいる相手を見つめれば問い掛け返事を待つ間に頬や額にキスを散らし彼の反応を楽しむように）

やったァ！……なっ、！？ひ……土方さ、っ(相手の言葉に歓喜し叫んだ後返事する為思考巡らそうとしたものの、一瞬にして一緒に出掛ける場所処か目の前の彼の事しか考えられなくなり。みるみるうちに顔だけでなく耳や首筋までも朱く染まって)、～…ッッ、この…土方コノヤローなんも考えられねェっつうの！(此方の反応を見て楽しんでいるのが分かれば、むむッと眉間に皺を寄せ羞恥に息を荒げてグーで殴りかかり。けれど、力の入っていない為其れは至極弱いもので)

っ…と、危ねェな（相手の拳が自分へと向かってくるも弱々しくすんなりと手首を掴み、もう片方の手はしっかりと彼の腰に回して）お前、いつからそんな弱くなったんだ？（恥ずかしさからだと分かっているものの口角を上げ態とらしく問い、首筋まで真っ赤な彼を満足気に見下ろしそれでも首筋や鎖骨に再びキスを散らし）

～…ッ、弱くねェし……っ！(攻撃した拳は簡単に受け止められ悔しげに睨み付けようとするも、其の前に腕が腰に回され再び近くなる距離に心臓はまたもやバクバクと早鐘を打つ事に)、ッひゃ───！？(意地悪な表情で見下ろされているのに、何故か見惚れてしまっており。そんな中、首筋や鎖骨への刺激にぞくッとし、パニクりながら慌てストップ掛けて)

…、そんで、決まったのか？何処行くか（パニクる彼を相変わらず楽しそうに見つめ、手首から手を離せば優しく髪を撫で決まっている訳もないのだが上記を述べて）…10秒以内に決めなかったら出掛けるのは無しだ、10…9…（愛らしさに心を擽ぐられ彼が悔しがるのを余所に意地悪をやめずに。ゆっくりとカウントをしながら指先で髪を裂き）

えっ…？ちょ、ま待って…！(いきなりカウントダウン始めた相手に焦り、けれど未だ心臓の鼓動は相変わらずで、思考が働く筈もなくただただ狼狽えている間に時は進んでいき)、あ…ぅ、……

……1…0…、時間切れだ（狼狽える彼を見つめそれもまた可愛いと感じてしまう自分を疑いながらカウントを進めていき、時間切れになれば撫でる手を止め…。こんな事で予定を潰す気などさらさら無いのだが普段の彼からは考えられない表情を自分がさせていると思うとつい意地悪してしまい）

…っ………土方コノヤロー…さっきのはぜってーずりぃでさァ！───こうなったら土方さんのオフ、付きまとってやりまさ…(相手の言葉に未だ頬に熱の余韻を残しながらも、納得いかないとばかりに抗議の声を挙げ、両想いになって初めての休日となるのだ別々になど考えられず絶対に一緒に過ごしてやる、と意気込んで)

付きまとうってお前な…、嘘だよ、ちゃんと一緒に出かけるから安心しろ（彼の提案には苦笑いを浮かべそれでも内心は嬉しく。上記を述べながら頭をくしゃと撫で立ち上がり薄く笑みを向けて）明日の為にももう寝るか…、また明日な、総悟（自室はへもどろうとするも、最後におやすみと唇を重ねれば部屋を出て行き）

…っ…………(部屋を出ていき其の姿見えなくなるまで、彼の行動には心動かされてばかりしており、改めて大人なんだなと。熱くなった顔に掌添えさせ、暫くはぼうッと襖見つめていて)
──…あっ、やべ、…寝ねェと……！(はッとして急いで敷いた布団の上に横になれば、ふと今日有った目まぐるしかった一日を振り返り、ふにゃりと表情緩ませ、楽しみで眠れないかとも思ったが疲れも有ってか、自然と眠気は訪れてくれ其の侭にゆっくり目を伏せて)

……（自室に戻るなり布団を敷き静かに目を閉じて、ちゃんと眠れているのだろうかとしばらくの間彼の事を考えているも気づけば眠りにつき）
っ…ん…、（夜が明け襖の隙間から射す光で目が覚めれば大きく欠伸をし身体を起こし、襖を開け太陽が見えればらしくもなく天気の良さに安心したりして。彼はもう起きただろうか、外出用の衣服に着替え準備をしながら寝癖を整えて）

ひーじーかーたさぁーん！！(朝から元気いっぱい叫びながら、ノックもせず無遠慮に襖開ければ、直ぐさま相手を視界に捉えたようで表情は明るくなり、嬉しそうに歩み寄り)、土方さん、朝ですぜ！(着替えは万全なようで、当たり前の事を満面笑顔で報告して)

わっ、わかってるよ、お前朝から元気だな…（ボーッと準備をしている中いきなり大きな声と共に襖が開き驚いた様子で彼を見つめ、これが年齢の差か…と思い知らされながら歩み寄ってきた相手の頭を撫で）…マフラー、しないと寒いだろーが（念のためにとマフラーを彼の首に巻き自分ももう１つあるマフラーを巻いて準備を終えて、出る前にタバコを吸おうと火を付け）吸い終わったらでるからな、

(呆れたような言葉掛けられるも頭撫でられては、擽ったそうに。次いで彼のマフラーを首に巻いてもらう事態に驚き、数回瞬きをした後、巻いて貰ったマフラーにそっと手を添え)………土方さん、此のマフラー、ニコチンとマヨの臭いがしやすぜィ…(嬉しいくせにそんな天の邪鬼な発言をしては、マフラーの端を指先で弄っては遊び始めて、彼が煙草が吸い終わるのを素直に待ち)

うるせぇなっ…嫌なら外せ（彼の発言を聞き眉間にしわを寄せ返答するも端を弄り遊び始める姿を見れば小さく笑い短くなったタバコを灰皿に押し付け）…いくぞ、お前に見せたい場所がある（そう相手に告げ立ち上がれば待っていた彼の髪をサラリと撫で部屋を出ていき）

………見せたい場所？、(マフラー外すつもりなどさらさら無く、相手の発言は当然の如くスルーし、其の後頭撫でられ“見せたい場所”と告げられははてなマークを浮かばせつつも期待で心は落ち着かず、胸躍らせ。部屋を出ていく彼を急ぎ追い掛けて)

……（振り返り追い掛けてくる彼を見ればそれもまた愛らしく笑みを溢し、手でも繋いで歩きたいくらいだが流石にそれは許されないだろうとポケットへ手を忍ばせ屯所を後にして）天気もいいし、そんなに寒くねェな…（相手に歩幅を合わせながら歩き空を見上げながらポツリと呟いて）

(追い付けば彼を見上げ、長い付き合いは有るが非番の日に仕事関係なく二人きりで何処かに出掛けるなんてのは、記憶にはなく。そんな思考巡らせつつ屯所後に。)──そうですねィ、いい天気でさァ…俺の日頃の行いがいいんでお天道さんも味方してくれてンでさ、感謝しなせェ！(調子のいい事述べながらも天気より意識は、気のせいか歩幅を合わせて呉れているような気がする隣を歩く、こ…ここ恋人の方が気になり横目でちら見して)

そーかよ…、そういう事自分で言わなきゃもっと良い子なんだけどな？（子供のような事を述べる彼を困ったように見下ろし頭を撫でそうになる手を引っ込め上記を述べて、最近は可愛いと感じると頭を撫でる癖があるようで…）階段少し長いけど登れるか？（町から外れた場所に来れば長く続く石段があり、人気がなく静かに葉の揺れる音だけが聞こえて、誰の目もないのをいい事に手を差し伸べて）

ッ…べ、別にアンタにいい子なんざ思われてェとか思ってねーし…っ(困ったように言われた言葉に、ぷいッと視線逸らし上記述べるも、気にしてるのは傍目から見ても丸和かりで有り)──、？階段登るンですかィ？、……っ！(普段余り訪れる事の無いような自然豊かな雰囲気に、世話しなくキョロキョロしており。其処へごく自然に手を差し伸べられては、頬に赤みが差し、あわわと相手の顔と伸ばされた手を交互に 見つめて)