風人 2017-02-09 19:49:33 |
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ゲゲゲの女房 人生は……終わりよければ、すべてよし!!
著:武良布枝
ドラマ化や映画化、舞台化もされた水木しげる氏の奥さまの視点から綴られた自伝。
武良布枝さんの幼少からはじまりまた彼女も故郷のちかくで妖怪の話を聞いたという。
また彼女も戦中戦後を経験し貧しい時代を過ごしたことも語られる。
その後は家業を手伝い縁談を待つ日々。
そしてきた縁談相手が後の水木しげること武良茂。
戦争で片腕を失いながらもストーブをつける姿に惹かれたり東京に行ってから再び貧乏暮らし。
貸本漫画を書いたり出版社に原稿を持っていくも安くあしらわれたり。
だけど貧乏であっても温かみがあるふたりは地味に地道にやっていく姿が書かれている。
貧乏神が本当に憑いていたみたいとも記されてたと思いますがいつか貧乏神は離れてゆく。
お化けや妖怪の漫画に怖がりながらも時に手伝ったりみかんをわけあったりと戦後の苦労が伝わる。
『悪魔くん』や『鬼太郎』がテレビ化され裕福になり娘も生まれるが裕福になる反面、家庭内が仕事に追われケンカしながらも仲直りを繰り返す。
また世の中の文明が発達し妖怪やお化けが忘れられるのでは、と懸念する水木先生の姿も書かれている。
だけど再びアニメ化や鳥取県境港などが後推ししてくれたことで鬼太郎や水木先生などの像が立つ。
なにか悪いことがあっても水木夫妻や家庭はどちらが前にたつのではなくならんでたつみたいな姿勢は涙を誘う。
武良布枝さん自身は自ら前にたつ方ではないと思いますが水木先生を陰日向に支えてきた姿勢は感動。
あとがきは水木先生と縁がある荒俣宏先生が書かれしあわせを考えさせられる一冊。
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