風人 2017-02-09 19:49:33 |
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機動警察パトレイバー TOKYO WAR(前後編)/押井守/富士見ファンタジア文庫
もしも平和な日本東京が戦争状況下に置かれたら、という仮想シミュレーション的物語。
同名アニメ劇場用ニ作品のノベライズ。
あとがきにもあるが紛れもなく本作品は“機動警察パトレイバー”であるということ。言い換えれば“機動警察パトレイバー”の作品を押井守氏が借りながら自らが持つ思想をぶつけた作品ともいえる。
アニメ映画では出番の少なかった旧第2小隊人物たちたが小説版ではそこそこフォローされ野明、遊馬、太田、進士、山崎の五人が自衛隊絡みの問題に警察が動くことそして特車二課というかつての職場を離れ現状の自分たちの立場や気持ちを考えながら“大人になろうとしていく”ことに考えてゆく姿勢が短いながら書かれている。
あくまで大人としての役割は後藤喜一と南雲しのぶに任されている点がある。
本作品におけるヒロインは南雲しのぶといえるが。
そして柘植ら決起グループにより都内は戦争状況に置かれ通信機器はほぼ全滅、ただし一部は通信は生きているが政府により出動した自衛隊は誰が敵なのかわからないまま疲弊してゆく。作中では触れられる程度だが食料についても書かれ戦うために食べ食べるために戦うという軍隊の一面が見られる。
“食”の一面が見えるのもおもしろいところ。
南雲しのぶの過去との恋愛や出会い、警察対自衛隊の対立構造、戦争状況下に置かれた都内、大人になろうとする主人公野明たちなど。
戦争シミュレーション的な演出が目立つ本作品だが他にも見所読み応えがある作品であることもポイントである。
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