アンバランス． / 非募

(/結構古い作品ですからね。こちらも一緒になりきりをしてくれる方が居てくれて本当に嬉しいです！
では本編終了後の設定で始めていきますね！)


(魔界から人間界へ戻ってくると、季節は冬になっていた。町行く人々が厚着をしているのを見て、魔界に行く前に見た蔵馬の姿を思い出す。アイツも衣替えとやらをしたのだろうか、年がら年中同じ服の飛影には関係のない衣替え。そんなことを考えながら蔵馬の家への道を急ぐ)
開けろ、俺だ。
(屋根に上がり明かりのついた部屋の窓を叩き声をかける。部屋の主は自身のよく知った仲間、ライバル？、友人…それ以上の関係の相手…今、誰よりも会いたい人だ)

(/初回の絡み文ありがとうございます！なりきりに関してこうして欲しい等あればなんなりと仰って下さい！)


(仕事で使う書類に忙しくペンを走らせていたが、不意に窓を叩く音と共に聞き馴染みのある声が聞こえてくればペンの動きを止め。机に落としていた視線を持ち上げ窓際を見遣るとそこには夜闇と同じ漆黒を身に纏った小柄な少年が佇んでいて。久しく見ていなかったその姿に目を丸くするが、すぐに嬉しそうに微笑み浮かべ。早足でベランダに向かうと窓を開け、どうぞとなかに入るよう相手に促し。)

やあ、飛影。久しぶりですね。今日はあっちの仕事はオフですか？

　

ああ、魔界に迷い込むバカが減ったおかげでな。
(相手に促されるまま部屋に入り、ベッドに腰かけ、部屋を見回す。久し振りに入った蔵馬の部屋には見慣れぬ資料や本等が置いてあって。それは自分の知らない蔵馬が増えたという事を意味していて、嬉しいような悲しいような、複雑な気持ちを起こさせる)
…お前の方はどうなんだ。休みを取っているのか。
(質問に答えた後――恐らく仕事の途中であろう――書類の置いてある机を指差しながら、少し疲れの色が見える蔵馬の顔を覗き込んで)

(/ロルに関しては、これと言った希望はございません！)

(/それなら良かったです！それでは背後はこの辺で失礼させて頂きますね。またなにかありましたらその時はお声掛け下さい！)


勿論、ちゃんと取ってますよ。
(こちらをじっと見つめる瞳と視線がぶつかれば、目を弓なりに細めてまるで自分は大丈夫だとでも言うかのように大きく頷いてみせて。

…そういえば今日はどこも怪我していないみたいですね。
(相手が自分の部屋を訪れるときは決まって大なり小なりどこかしらに怪我を負っているが、今日はどこも怪我していないことにふと気がつき。そのことにほっと安心しつつも少しからかうように相手の腕やら顔を確認するように順に見ていって。)

　

…治療のためだけに此処に来ている訳じゃない。今日はただ…会いに来てやっただけだ。
(からかう相手にムッとした表情を浮かべると、上着を脱いで体に傷がないことを確認させて。服を着直すと、ふいっと顔を逸らしながら「会いに来てやった」と、素直じゃない言い方をして)

……。
(てっきりなにか用があってきたのだとばかり思っていたので相手の言葉を聞けば少しの間ぽかんとしていて。しかしすぐに素直じゃない相手の姿に面白いものを見つけたと言うように双瞳細めると「それはどうも、ありがとうございます。わざわざ貴方の方から会いに来てくれるなんて嬉しいです。」とわざとらしいくらいにこやかにそして弾んだ声音で告げ。)

　

…ムカつく顔だぜ…。
(完全に此方の真意を見通すような表情に、わざとらしい声。それがとても勘に触って…それでいて愛しい。寧ろ、愛しいからこそ勘に触るのだろう。相手の顔をムカつくとこれまた素直じゃない表し方をして)
何か変わったことはあるか？
(ふぅと一つ息をつけば、話を変えようと近況を尋ねる。蔵馬のこと、雪菜のこと、他のみんなのこと、魔界に居ては知り得ない情報について)

こっちは特に変わりなく、皆元気にやってますよ。
(顎に手を添えうーんと考えるが特にこれといってなにか大きな変化や異常は無く、此処最近は比較的平穏な日々が続いていて。そのことを相手に伝えると「折角だし久しぶりに会ってみたらどうですか？まだ幽助達に顔出していないんでしょう？」と提案を持ちかけ。)

　

構わん。会ったとしても話すことがない。
(会いたくないわけではないが、実際会って話すことがあるわけではなく。それよりも今は、こうして会えた相手との静かな時間を過ごしたいと思っていて。「…お前とは楽で良い」そう言ってベッドに寝転がるとふぅと息を吐いて)

(/お返事遅くなってしまい申し訳御座いません！)


そうですか？…ならまた今度ですね。
(人と関わることをあまり好まない相手の返答はある程度予想はついていたもののやはり少しだけ残念だと思ってしまい。だからといって無理強いさせるつもりは無く、相手がそう言うのならとそれ以上薦める事はせず。)

　

(/気にしないでください！）

…何だ？お前は俺と居るのが嫌なのか。
(相手の言葉に引っ掛かりを覚え、久し振りに会いに来たのにと勝手に不満を抱き不機嫌になって。「ふん…邪魔したな」そう言って起き上がり、窓を開け帰ろうとして)

(/優しいお言葉ありがとうございます…！)


え！？ちょっと待ってください飛影…！
(自分は全くもってそんなつもりで言った言葉では無かったので、困惑するがそれ以上に相手に勘違いされたことがなんだか辛い、というか悔しくて。このまま黙って相手を帰すことは出来ないと思い立ち上がるとすぐさま相手の腕を掴み引き留め。)

　

気安く…！……チッ…残ってやる。
(相手の手を振り払おうとするが、蔵馬の表情を見て自分は彼にこんな顔をさせに来たのではないと思い、出ていくのを止めて留まり。「…勘違いするなよ。ただの気まぐれだ」ふいっと顔を逸らし、いつもの調子で本音じゃないことを言って)

……ッ。
(一先ず留まってくれたことにホッとするが、相手の口から発せられた拒絶の言葉が頭から離れず胸がズキリと痛み。しかしそれでも怯んだ様子は見せず、腕を掴んでいた手の力を少し強めると「嫌いだったら一緒にいない…それにこうして部屋に入れたりもしないよ。」と鋭く真剣な眼差しで相手を見据え。)

　

………
(すまない、そんな謝罪は滅多に口にしないが、蔵馬の視線を受けて多少の罪悪感を感じ、それから逃れるように、そっと蔵馬の上まぶたに触れ目を閉じさせる。「…好きにしろ」やっぱり触れていいとか、言いすぎたとか、ごめんとか…苦手な言葉は言わない。ただ、相手に身を委ねるよう抱きついてそう一言漏らす)

…！！飛影…。
(突然抱きつかれ少々驚くが、自分にくっつく相手の姿に言いようもない程の愛しさが込み上げてきて胸がキュゥゥと締め付けられる。そっと相手の背中に腕を回し「飛影…こっち向いて。」と優しい声音で自分に顔を見せるよう言って。)

　

………
(蔵馬の言葉に応じて顔をあげる。その表情は氷泪石を見つめるとき以上に穏やかで、安心しきった表情をしていて。蔵馬の顔が近くにあって、自分を見つめてくれていることが何より幸せと感じながらそっと唇を重ねて)

あなたから、その…してくれるとは思いませんでした。
(名残惜しそうに重ねていた唇をゆっくりと離して。気恥ずかしさから相手の顔が真っ直ぐ見れず目を逸らすと片手で口元隠して。しかし此方からしようと思っていたため先手を打たれたことが少々悔しく「本当はオレからしたかったな…。」なんて不満気に小さくぼやいて。)

　

…悔しかったらやり返してみるんだな、好きにしろとは言ってあるはずだ。
(そう言って挑発的な笑みを浮かべ蔵馬の頬に手を当てて此方を向かせる。そして蔵馬の胸を押してベッドに押し倒し、見下ろすような形からそっと口付けをして)

……。
(再び相手からキスされるとやっぱり悔しいと思うがそれ以上に嬉しくて。不意に両腕を伸ばし相手の背に手を回すと軽く力を込め、自分の方に倒れ込ませる様に体を引き寄せて。片方の手で後頭部の髪を梳くように撫でながら「…愛しています、飛影。」と耳元で愛の言葉囁き。)