霜月タルト 2017-01-03 19:12:07 |
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青葉くんは私の理想の相手だと思っていた。彼は自然とクラスに溶け込み、いつの間にか家族も持っていた。不思議な事だけど・・・そんなことはどうでもいい。だってそれは当然の事だから。
最初のうち青葉くんは私のことを見てくれていた。昼休みに女の子に囲まれても気さくに声をかけてくれた。
でも、私が望めば望む程に彼は、青葉くんではなくなっていった。小説の中の青葉くんじゃない、姿格好だけが同じの別の普通の男子になっていった。
私はあれから色々なリレー小説に投稿した。その度に"これじゃない"、そんな想いに責め立てられる。
自棄になった私は、遂になんとなく、なんとなくそれだけはやってはいけない、そう前から自粛していたことをした。
私はリレー小説に"愛"という人物を登場させた。
そして、・・・アルゼンチン・タンゴの合図に合わせ、虚空の私は小説から消えて、ゾンビになった私は現実に目覚めた。
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