風人 2016-11-02 05:15:58 |
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「青島、お前は、なんで最初に逃げなかった?」
「え?」
「どうしてだ」
「悪党の思うままになるのはいやです」
「怖くはないのか」
「怖いです。でも、正義を盾にしてますから」
「正義なんて言葉、死ぬまで口に出すな。心に秘めておけ。いいか、刑事は犯人に恨まれるんだ」
「……ぼくも今朝恨まれました」
「だからって、犯人を恨むなよ。恨んではいけない。この仕事は憎しみ合いじゃない。助け合いだ」
この土壇場で、手前の口からそんな言葉が出てこようとは、自分でも不思議だった。
青島俊作 和久平八郎/小説 踊る大捜査線/脚本 君塚良一 ノベライズ 丹後達臣
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