「古代の恋人か……許してくれ、古代」 デスラーの瞳から涙が流れ、頬に伝うのをユキは見た。 (この人も、元からの悪人じゃないんだわ……) ヨロヨロと歩いてゆくデスラーを、背後から射つようなことをしなくてよかった、とユキは思った。 「ヤマトの諸君に伝えてくれ。彗星帝国に身を寄せていたとはいえ、私の心ははるかに君たちに近い……古代、戦え!」 小説 さらば宇宙戦艦ヤマト/森雪、デスラー総統/若桜木虔