主 2016-03-07 22:27:02 |
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【設定】
‡ 物語 ‡
明治の代より続く名門「雲林院(うじいん)家」。
何時の時代にもその雷名を轟かせ、当主の一声は政界にも響き渡り、影響たるや計り知れぬとか。故、雲林院の主は天下人と称され衆人は媚びへつらう。
雲林院家の耀かしい歴世にも翳りが生まれ。十四代目当主、雲林院 吉久には世継ぎが生まれずそして吉久の寿命は間も無くして尽きるのは目に見えており。そして彼は己の代で雲林院を絶す訳にはいかぬと、苦肉の策を取る。己と全く血の繋がりの無い養子を。雲林院に相応しい才に秀でた者を六人引き取る事に。そして吉久は彼等の教育を彼の右腕であった執事に託し、この世を去った。
何故六人か。当主の座は一つ。光輝あるその御座に座るのは一体__。
「競え、競え。その御座には其処に相応しき者を。」
才を持て余した者達は今宵も戯ぶ。
華麗にして美麗。優美でありながらも何処か退廃的なシーソーゲーム。
__彼等が紡ぐ戯作とは如何に。
‡ 舞台 ‡
都心、某所。人入り混じる喧騒から外れた先、黒の威圧的な門を構えた屋敷。外からは窺い知れぬが門を潜れば視界に入ってくるのは見事な庭園。巨大な噴水を直中とし、周りに侍らす様に植えられた四季織々の花々。
そして奥に静として佇む赤煉瓦造りの屋敷。ギシリと軋む年期の入った扉を開け中に入れば__床は赤絨毯が敷かれ、辺りを照らすは見るも眩しいシャンデリア。壁には美しき絵画が飾られ、奥に進む事に在る無数の部屋。有り余る財で造られた正に豪華絢爛なこの屋敷に突如放り込まれた是六人。互いに知らぬ顔同士、喰いつ喰われつ。優雅で頽唐。そんな奇異な共同生活が始まる。
__嗚呼、一つ言い忘れを。この屋敷の門は「当主の命」が無い限り、けして、けして開かれないので入る際は御注意下さいませ。
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