匿名さん 2015-12-30 05:14:36 |
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(中二病及び御都合主義多々有り/主キャラside)
此処は閑静な住宅街を抜け、緑豊かな道をひたすら進んだ所にある学園。学園の名は無く、四方を厳重なセキュリティに囲まれた閉鎖的な空間。其処は生徒の親族すら訪問することを許されず、人々は其処を監獄等と呼ぶ。
夜になると不気味な音が聞こえてくる、夜になると生徒のはしゃぐ様な声が聞こえる、といった噂も絶えない。第一にして、其処は人が歩いて来るには少し遠い場所にあり、車が通ることも滅多にない場所。誰かが面白半分で噂を流したのでは、とも思うが。
何故そんな学園に向かっているのかと言うと、今から三日前の事。
私は田舎で一人暮らしをしていた。バスは三十分に一本、という少々利便性に欠ける町で。両親は既に事故で他界しており、数年前迄一緒に住んでいた叔父は簡素な手紙を残して行方不明に。
アルバイトをしながらの高校生活に慣れてきた頃、一通の手紙を受け取る。真っ黒な封筒の口を赤黒い蝋で留めた、如何にも怪しげな物だった。差出人の名前は無く、私の住所と名前が綺麗な字で書かれていた。封を切れば、ふんわりと香るフリージアの香り。うちの叔父が推していたなあ、なんて思いつつ、中から出てきたのは三つに折られた如何にも高そうな羊皮紙(多分)。
仕掛けが無いことを確認し、内容に目を通し始めた。書かれていたのは今の高校を辞め、指定した学園に編入すること。今の家を引き払い、寮に移り住むこと。主にその二つについて事細かに書かれていた。最後に書かれていた叔父より、の言葉に一瞬、時間が止まったような錯覚に陥った。
文章はパソコンで打った様な綺麗な字であったが、叔父より、と叔父本人の名前は手書きであって、それも癖のある叔父本人の文字であった。
後付けで書かれた「詳しい内容は、三日後の夜九時に遣いを送る。その車に乗って、来て欲しい。」の言葉に、私は文句の一つでも言ってやろうと乗り込んだのが今日である。
車は重厚な門を抜け、少ししてより一層派手な外装の入口に停まった。扉を開ける運転手に礼を述べ、変な生き物の形をしたドアノッカーに手を伸ばした。
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