終夜語~ヨスガラガタリ~【和風/BML/指名制】

終夜語~ヨスガラガタリ~【和風/BML/指名制】

操觚者  2015-12-27 16:46:42 
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「見返落書」

射干玉の夜にひらめく玉の緒へ、浅きゆめ見しあやしの身さへ
婚ひ星散りかふ小夜すがら、君が星こそかなしけれ
淡き十六夜まなこに抱き、いざやまみえむ、昏きとばりに——


「夜が更けるまで今少し、口を噤んで待たれよ。」

目次
>1 其の壱「講釈」
>2 其の弐「決まりごと」
>3 其の参「あやかし紹介」
その他諸々

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  • No.36 by 淡島 藤吉  2016-01-02 22:28:24 

>朽縄

(身を休めるという勧めは弱った心身に余りに甘すぎて思わずこくりと首を縦に振りそうにもなる。けれども己の信条とは対極の位置にある其れを、例え随一に信頼する者の言葉とて安易に是とすることは出来ぬもの。揺れる思考は不安定に歪みをつくり始め ゆらゆら己を揺さぶって堪え難い。ふらつかせた両の眼が捉えた先は相手の口許。薄く照される唇がほどけては血とも見紛う朱が見える。其処から洩れ出す声は魔のようにやさしい声色、然しやさしくやさしく聴こえる其れは承知こそすれ奥底が受け入れ切れぬ現実を己に差し向けては、ぐさりぐさりと刺すもので)
あ…そんな…違います違います、違うのです。わたしが手前の体さえも管理の出来ぬ不精ものであったが故のこと、商いへの努力と熱の不足故のことでしょう。お願いします、どうか此以上はお止し下さい……
(はくはくと無意味に開閉させた口は小さく細切れの悲鳴の様な叫びを洩らし堪えきれなくなり耳を塞いで。正に其の通りとは言え、簡単に認められるものではないもの。商いごとの出来ぬのは勿論、己の持っていた全てを奪う男が憎いこと、更に同様に他の人間も病に伏せ乍も治りもくたばりもせぬ自分に煩わしく感じているであろうこと、此らがどっとのし掛かってくるように頭を重くして。)

  • No.37 by 葦原 嘉瑞  2016-01-04 18:00:07 

>八雲
(彼が自分の名を紡いだ時、ゾクリと何かが走った。其れは恐怖でそして…甘美であり。自分でも此れはおかしいと分かっている、だがそれでも赤面する一方で。仕方なしに小さくゥウと呻き声ならぬものを上げながら、恥ずかしげに掌の甲で顔を隠した。彼の口が結ばれた時やっと顔の火照りがとれホッと胸をなでおろすと、伸ばされた腕に先程顔を隠していた手で掴み、優しくも力強く引っ張って。)
…ヤァだ八雲さん。礼だなんて、僕にはもったいないで…あゝ!!そうだ鍋を忘れていた!うわっと!…
(二人とも体制を整えたのち御礼を断ろうとしたが思わぬ邪魔者が入った、暖めていた鍋である。実はこの嘉瑞、かなりの料理ベタである。それと共に仕事が忙しくあまり家事が出来ないのもあり、料理の腕は一向に上達の兆しが見えなかった。唯一得意な鍋も、話し込んでいたりするとすぐ忘れてしまうからさぁ大変、高確率で焦がしたりする。今回も忘れていたようで、吹きこぼれた鍋の残念なこと。嘉瑞は苦笑いで首を掻いた)

  • No.38 by 朽縄  2016-01-05 01:10:28 

>藤吉


嗚呼、すまない、ならばこの話はもう終いにしよう……現のことなぞ考えず、君は唯々寝ていると良い。
(人の子は何故、幸も災いも皆すべて己等の手柄にしたがるのやら……此方の口を閉じさせる悲痛な言葉は病に蝕まれた身をなお責め立てるものばかり、やれ不精だの不足だのと偉そうに自惚れる様は少しばかり腹立たしい。詫びてあやしてやる口ぶりにも聞き分けのない赤子へ言い付けるような投げ槍の色が滲むというものだが、素知らぬ顔で彼の頭に手を伸ばせばトンと己の胸に押し当て)
夜が明ければ私は去り、君はまた日が沈む迄病に耐えなければならない……休息は然りとっておくべきだ。
(とうに艶は失せているものの、はらはらと良い手触りのする黒髪を弄り、嘗てどこぞの人間がそうしていたのを真似て抱き竦めるように背中にもやんわり腕を回し)

  • No.39 by 八雲  2016-01-05 03:19:02 

>嘉瑞


(優しく引き起こす腕の何と温かいことか。その温もりが篝火のように虫けらを魅入らせ惚れさせるのだと、人の良い言葉を遮って告げてみたくもなるが、ささやかな気の迷いは突として泡を吹いた鍋に寸での所で掻き消され。勢いよく流れ出た汁につい身を引いたのも束の間、やれやれ困ったと聞こえてきそうな苦笑と顔を見合せれば釣られて此方もくすくす肩を揺らしてしまい)
……嘉瑞、あんたどうにも家事の類は苦手と見たが。普段は嫁さんに任せっきりってとこか。
(遅ればせながら火箸をとって引っ掻き回し、火の勢いを殺してやりながらぐるりと見やるは二人の影が伸びるばかりの家の中。そこいらに置かれた道具を数えれば独り身であることは明らか、それでも横目で彼を見つめては揶揄うように首を傾け)

  • No.40 by 操觚者  2016-01-05 19:01:27 

・追加


●肆、『夢喰ヒ』
~あらすじ~
貴方様は夜ごと不思議な夢を見ております。
夢の中の貴方様は見知らぬ男と恋仲であり、同じく見知らぬ座敷や野原で仲睦まじく夜を過ごすのです。はじめこそ訝しんでおりましたが、やがて現でも男に心惹かれ、夢での逢瀬が楽しみになる貴方様。
しかし何時からでしょう。ふと目を覚ますと、真っ暗な夜道にひとり立っているようになったのは。
何時からでしょう。今見ているのは現かはたまた夢のまた夢か、とんと区別がつかなくなったのは——。

(注釈)

貴方様と、見知らぬ恋人との甘い甘い夢物語。
何せ夢の中の御噺、恋人は貴方様が望むのならば異国の街にも御伽草子の国にも手を引いて誘ってくれることでしょう。万華鏡の如き目まぐるしい蜜月をお過ごしください。
ただし恋人とて所詮はあやかし、貴方様に惚れ込むあまり所謂"夢遊病"のような術をかけ、現の貴方様の身さえ手に入れようとするやもしれません。それが叶わなければ貴方様が目覚めぬよう小細工を仕掛けることもあるでしょう。
どうぞお気軽に、されどお気をつけてお戯れくださいませ。

「あァ良かった、来てくれた。今夜は会えないのかと思ったよ。」
『目覚めない夢があったとしたら、それを現と呼ぶんじゃないかな。まァそんなのはどうでも良いね、僕には寝ても覚めても君だけだから。』

名前/漠(バク)
年頃/二十代
容姿/黒檀の髪は耳の上あたりで切り揃えられ、右耳には飾り紐がなびき結わえた鈴がちりんと澄んだ音を零す。唐人のような見慣れぬ群青の衣装には香が焚きしめてあり、袖を振るたびに甘い匂いが貴方様を包み込む。顔立ちもまた唐の色が強く、一重の瞳はスッと小刀を入れたかの如く切れ長で涼やか、笑えば目を閉じているよう。背丈は179cmほど。着込んだ衣装からのぞく首筋はしっかりとしている。

性格/貴方様が傍にいるためか何時もニコニコと楽しげで、物腰柔らかな男であるが時折貴方様を悪戯に振り回すような奔放さが顔を出す。とにもかくにも貴方様が愛しくて愛らしくて仕方がない様子、暇さえあれば指を絡めたり接吻をしたりと
所構わず可愛がる。貴方様を好いている、それは紛うことなき事実であるものの、そこに慈しみやいたわりが在るかと問われれば話は別。己と貴方様が永久に共にいられるならば、現の貴方様の身がどうなろうが構うものかという身勝手さを隠し持っている。

備考/一人称は「僕」、二人称は「君」。甘く深みのある声は優しい物言いに反して低く響く。
夜であろうと現の貴方様の前にはあらわれず、夢の中で貴方様が眠りにつくのを唯々待ち侘びている。時折恋しさのあまり我慢が効かなくなれば、貴方様へそっと術をかけ寝かせてしまうことも。

正体/熊の躯に虎の脚、男の腕ほどの牙を備えた象の顔といびつな成りをした妖「獏」。
人の悪夢を喰らって生きており、ある夜食事を求めて彼方此方をさまよい歩いている内にうなされていた貴方様の枕元へたどり着き、その寝姿へ一目惚れ。悪夢を喰らい、空になった貴方様の夢の中へと住み着いた。
今は夢での睦み合いで心満たされているものの、何時現の貴方様にも手を伸ばすか知れたものではない。


募集/
・此れといった指定や条件は御座いません、年齢、性格、容姿等はご自由に。どんな御仁であれ獏は愛しい可愛いと喜ぶことでしょう。

  • No.41 by 葦原 嘉瑞  2016-01-05 23:48:21 

>八雲
…僕には良い縁が無いようでねぇ、お嫁さんなんて影も形も全く。寂しく1人暮らしを謳歌しています。
(謳歌しているというにはあまりにも切なげに。何かを思い出す様に細められた瞳には弱まった火がちらちらと映る、だが脳裏には遠い昔の思ひ出が掠めていった。首に置いていた手を膝へと戻すと、表情を緩めへらりと笑った。まるで記憶に蓋をするように、そう、何もなかったかのように、そしてその赤茶色の瞳にはもう何も映ってはいなかった。よし、と呟きぐるりと首を一周回すと、再び台所に立とうと立ち上がろうとして)

  • No.42 by 八雲  2016-01-06 01:21:19 

>嘉瑞

……そうかい。だが、なぁ。どうせ歌うならひとりよりふたりの方が良いとは思わねぇか。
(ほんのひと時。瞬きをする間もないほどささやかなひと時ではあったが、赤茶の目が己ではない何かに向けられたことを察すれば笑みとはまた異なる形に瞳を細め唇を固く引き結び。ある種異様な身の上だけに目に見えぬ物事には殊更敏い、よもや瞼の裏に女の影でも見ているのではあるまいなと板の間に爪を立てそうになるがしかし、彼がふたたび笑う頃には涼しげな面を取り戻して笑顔をさえ返してやり。立ち上がろうとした手をぐいと引き止めては揶揄う声音はそのままに、熟れた紫の眼を昏く光らせて)
独り身ってんなら話は早ぇ。俺ぁ何も三味線だけ弄って生きてきた訳じゃねぇ、鍋も飯炊きもあんたよりきっと上手くやる………いや、この身でやれることなら何だってやってやるさ。……どうだ、嫁代わりとはいかねぇが。ひとつ恩を返させてやると思って、俺を暫くここに置いちゃあくれねぇかな。
(一息で、そのくせ苦しさも感じさせずにつらつらと、口上を述べるように頭の隅で用意していた言葉を読み上げる。それは何時かこの手のひらにすくわれたときからの悲願であり、揶揄の気配こそ漂わせているが瞳の奥のまた奥底は真っ直ぐ男を見据えていて)

  • No.43 by 葦原 嘉瑞  2016-01-06 04:10:14 

>八雲
…え…?………はい⁈
(一瞬、何を言われたかわからなかった。その言葉を、意味を、掬い取ることができなかった。間を開け言葉を咀嚼し、やっと脳へと送った頃にはもう素っ頓狂な声を上げていた。顔は赤くなったり青くなったりと忙しい。言いたいことは山程ある、同居?恩返し?なんでそこまで?喉元まで迫っていた言葉達は口を開けば出てきそうだ。だが、言わなかった。言えなかった。彼の瞳を、奥を見た瞬間、消え去ってしまったから。鈍感で野暮な己でも分かってしまう何かを、見てしまったから。立ち上がろうとした体制からすごすごと元の正座に戻った、引きとめられた手は二人分の体温で温く際立っている。頭は正常に回らなかった、でも返事だけでもと口を開いた)
えぇと…あの…ふ、不束者ですが…よろしく…お願いします。

  • No.44 by 夢見し者  2016-01-06 09:52:17 

そこの貴方、少しばかりこの場にお邪魔させて頂くよ。
なに、大した事ではないのですが、最近夢見が悪く、漠に喰ろうてもらいたいと思ってね。

名簿は子の刻にまでにはお渡しするよ。

ではまた、夢に捕われる時刻にお会いしましょう。

  • No.45 by 操觚者  2016-01-06 20:20:38 

>夢見し者様

斯様に得体の知れぬ場へお越しいただき、誠にありがとうございます。獏の御予約確と承りました。

この国では古来より寝る間が極楽と申しますが、いやはや、夢見が悪いとあればさぞやお疲れのことでしょう。子の刻と言わず朝寝を終えてからでも構いません、名簿のほうはどうぞごゆるりとご記入ください。
それでは獏共々、夢と現のあわいにてお待ちしております。

  • No.46 by 八雲  2016-01-06 21:56:15 

>嘉瑞

それじゃあ本当に嫁入りじゃねえか……男を娶るつもりはねぇが、まあ、俺のほうこそよろしく頼む。下男でも拾ったつもりで好きに使ってやってくれ。
(至極当然のことではあるがこれでもかと戸惑いをあらわし、それでも訴えを呑んでくれる彼を見届けふ、とようやく目を伏せる。少々人が良いにも程があると身を案じたくもなるものの、今日からは誰か悪い輩に引っ掛かったとて大事にはならないだろうと篝火に光る弦へ静かに眼差しを向ける。己の真摯さごと茶化すように彼の言葉へ茶々を入れ、全ては気ままな旅芸人の思いつき、そう惑わせるためにくつりくつり肩さえ揺らして笑うと挨拶代わりに掴んだ手を軽く握って)
っと、何時までもこうしていたって仕方がねぇな。手慣らしに早速、飯の仕度でもさせてもらおうか。
(暫く傍にいられるとあらば手を離すことさえもう惜しくはなく。ぱっと指を解いて立ち上がれば、早速なにか面倒を見させてもらおうと食事をよそう椀を探して)

  • No.47 by 夢見し者  2016-01-06 23:17:50 


名前/ 藤 直徳(フジ ナオノリ)
年齢/ 25
御噺/ 肆『夢喰ヒ』

容姿/ 先祖に異国の血を引いている者がいたとかで、容姿は北欧寄り。髪色は色素が薄く栗色、前髪は真ん中分けで、全体的に軽くウェーブがかかっている。後ろ髪は肩先につく程度。 瞳は光を通すと青味がかって見えるも、暗闇では黒色。形は二重瞼で、眦がきゅと上がっており、気の強そうな印象を見る者に与える。唇は薄く、平常時は機嫌が悪そうに真一文字に引き結んでいるも、一度夢の彼に出会えば笑みに緩む。肌は色白であるも、体格は厳格な父の扱きにより、適度に鍛えられている。服装は茶人であり、所謂十徳と言われるもの。(襟が衣の身の下端まであり、前で斜に合わさない。衽はない。袖は一幅で広袖。丈は短く膝位までで、襟は羽織のように折り返さず。紐はくけ紐で胸前につける。身の両脇に袖下のあたりから下に脇入れをつける。帯はなし。地は通常紗の無地の単物で、色は黒色。)

性格/ 元来は素直で自由奔放。然し容姿から周りに中々受け入れてもらえなかったり、茶道一家という家柄礼儀作法に父母とも厳しく、軈て周囲に弱みを握られないため、自分を律し、優等生を演じるように。夢で会う彼にだけは本当の自分を表出でき、どんな自分でも受け入れてくれる彼の存在に次第に溺れていくようになる。彼にだけは態と困らせるために我儘を言って振り回してみたり、という一面も。

備考/ 茶道の家元で育ち、上に優秀な兄が一人いる。兄と比較される事に徐々に辟易し、次第に悪夢を見る程追い詰められるように。いつしか悪夢は甘美な夢へと変わり、のめり込むようになる。それに伴い勉学や稽古にも勢力的に取り組むようになる。段々眠りの時間が増えていくも本人は未だ気付かず、家族友人が不審がり始めるが、聞く耳を持たず。

希望・要望/ 此方からは特にありません。漠様の見せる甘美な夢に徐々に溺れていくも、その後は話の流れは、夢の住人になるも、夜に現で会うも、此方が正気に戻るも運命へと委ねましょう。

漸く名簿が出来たので、届けに参りました。果たして斯様な者でも受け入れて頂けるかどうか…。今宵も夢で貴方様に逢える事を願いつつ、お返事を待つことにさせてもらいましょう。

まさに貴方に贈る言葉は黒種草。

  • No.48 by 操觚者  2016-01-07 00:50:44 

>夢見し者様

子の刻ぴったりとはいかず申し訳御座いません。名簿の方、確かに頂戴致しました。

華やかな異国の香り漂う何とも素敵なお坊ちゃんで……これでは獏が見惚れたとて無理もないでしょう、その花のかんばせに免じてどうか、夢路にてこの厄介な妖めのお相手をよろしくお願い致します。
彼奴はもう黒種草の花園で「早くおいで」と手を振っている始末…余程この花が気に入ったのでしょう。何せ貴方様がたの為だけに咲いているような花で御座いますから……。

さて書き出しですが、藤様さえよろしければ其方から御噺を始めてはいただけないでしょうか。
初めて夢で出会った場でも、幾度かの逢瀬を重ねた頃合いからでも構いません。藤様の綴りやすい形で結構で御座います、文章の書き口や長さ等、手本を見せていただけると実に有り難いのですが……。
しかし夜も休まれぬお疲れの御仁に我が儘は申しません、少しばかりやりづらいようでしたら私めの悪文を披露致します。どうぞ気兼ねなくお申しつけくださいませ。


  • No.49 by 藤 直徳  2016-01-07 18:37:40 

>漠

無事貴方に名簿が届いたようで良かった。無論、此方から始めるのに何の異存も在りませんよ。ただ、稚拙な文章をお見せする事に対して些か恥ずかしい思いがありますが…。数度夢の中で出会った所から御話を書かせて頂きましたが、分かり辛い所等あれば、お伝え下さいね。



(本日の茶道の稽古を終え、気付けば外は月が夜空に浮かぶ時分。隙間風に冷えた長廊下を心持ち早足で抜け、屋敷の奥に位置する己の自室へと戻って来て。寒さに肩を一度震わせ、部屋の中央に置いてある火鉢に木炭をくべ、火をつけて。緩々と昇る青紫色の火元を見つめ乍、考えるのは最近続いた悪夢がパタリと消え、その変わりに現れた摩訶不思議な彼のこと。未だ二度程しか、それも短い泡沫の様な一瞬しか話しておらぬと云うのに、何故だが心許し、既に会うのが待ち遠しいほど。人に話せば笑われてしまうであろう。この自分が、若しかしたら今晩は出逢えぬかも知れぬと不安に駆られ、稽古の合間をぬい、曖昧な記憶を頼りに、彼から微かに香る匂いを求め、におい袋を買う始末なのだから。懐から取り出したにおい袋をそっと枕元に置き、着ていた服を脱ぎ襦袢姿へ。褞袍を被り、今宵も彼の待つ夢の園へ旅立つべくそっと目蓋を閉じて。白濁する意識のなか、ぽつりと零した言葉は、果たして現のものか、夢の中でのものか、既にそれを知覚する事は出来ず。)
…早く、会いに来てくれ…。

  • No.50 by 漠/操觚者  2016-01-08 18:18:36 

我が儘を聞いていただきありがとうございます。
稚拙だ何てとんでも御座いません、茶道家元の名の通り、知性の感ぜられる端正な文章…獏が急かすのも忘れてついつい見惚れてしまいました。

私にも至らぬ点、理解し難い点は多々見受けられるかと思います。その際はどうか御指摘くださいませ。
さて、直徳様も不可思議な夢路へ旅立たれた頃合いでしょう、私めはこの辺りで失礼させていただきます。それでは、どうか良い御噺を。



>直徳

——可笑しなこと言うね。会いに来てくれたのは君じゃないか、直徳。
(愛しい者の夢の中、今宵は地平いっぱいに広がる花園を作り上げたその場所で、ただひとつ現と変わらぬ月を見上げながら彼を待っていればふいに聞こえた言葉。振り向くと、そこには西洋の面影を宿す綺麗な綺麗な彼がいて。前の晩もその前の晩もこうして逢瀬を重ねたというのに、久方振りの再会のように満面の笑みを咲かせては、白に薄紅、青紫の花弁をつま先で舞い散らしながら傍へ寄りニッコリ先の言葉に答えてみせ。夢に住まう己は、彼の身体が眠りにつき、その魂が夢路を辿って此処へとやって来るのを待つことしかできぬ身の上。それだけに彼の言葉が可笑しく、微笑ましく、また己を欲していることが喜ばしくもあり。瞳を糸の形にして笑うとさて、今夜はどう戯れようかと白い手をとって歩きだそうとするが、ふいに鼻先を甘い匂いがかすめていくと襟のあたりに顔を寄せ)
……なんだか今夜は良い匂いがする。これは何?

  • No.51 by 操觚者  2016-01-08 18:36:25 

「御噺目録」

●壱、『夜蜘蛛』(葦原 嘉瑞様)(>10)
●弐、『手負蛇』(淡島 藤吉様)(>15)
●参、『化ケ猫』(空き)
●肆、『夢喰ヒ』(藤 直徳様)(>47)

・只今手に取れる御噺は『化ケ猫』、もしくは持ち込みの御噺のみとなっております。

しかしまあ、化け猫……人の成りをしていたとて中身はそっくり獣な訳ですから、得体の知れぬ、中々にぞっとくる妖では御座いますが。私の筆才の陳腐さ故かあまり目を留めて頂けぬ。
「一丁私が書き直してしてやろう」そのような御親切な方がいらっしゃいましたら是非お声かけくださいませ。

  • No.52 by 藤 直徳  2016-01-08 22:38:54 

>漠

…貴方がずっと、ここで待っていてくれる保証はないではないか。
(ふわふわと心地良い時の中、目蓋を開けば目の前には色とりどりの草花が咲き乱れ。鮮やかな景色にひと時の間見惚れていれば、彼方より待ちに待った彼の声。嬉しさに口元を綻ばせ乍、歩み寄ってくれる彼をその場で待ち。然し、聞こえた内容に関しては腑に落ちない所があるのか、むっすりと口を閉ざして。足元に咲く胡蝶蘭に視線を落としつつ、小さな声量で不満と不安を綯い交ぜにした言葉を零し。不意にとられた手に自然と落とした視線も上を向き。寄せられた顔と共に、矢張り彼から香るのは艶やかな芳香。懐に手を当て指先に探り当てた物を取り出してみると、其処には枕元に置いてきた筈のにおい袋が。何故、と疑問が脳裏を過るも、このにおい袋が彼へと導いてくれた気がして。嬉しさに煌めく瞳を彼へと注ぎつつ、常よりも浮かれた声色でその事を告げ乍、におい袋を彼の鼻元へと持っていこうと差し出し。)
此れは、におい袋というものです。ほら、貴方に似た香りがする。きっとこの香りが、今日も貴方の元へ俺を運んでくれたのだ。

  • No.53 by 葦原 嘉瑞  2016-01-12 02:23:17 

>八雲
……っあゝ、そうですねぇ。ええと、椀はあっちに…。
(離れていく手を、少しだけ惜しく思った。だがハッと気づき彼に続くように急いで台所へと向かうと、最近使っていなかったお椀を数週間前の記憶を頼りに探して。棚の奥の方に対となった二つの椀を見つけた、買ってから今まで一度も対として使われていなかった片方の椀が誇らしげに見えて笑みをこぼす)
やっと見つかりました。…そういえば八雲さん寒くないですか、着替えます?
(言葉と共にかちゃりと台に置き。ふと彼の姿を見れば今更だが気がついて着替えを進めて、と言っても彼は身一つということなので自分の着物に着替えて貰う事になるのだが。体の大きさは同じ位だと思われるし、細い細いと言っても男性なのだからそこまで緩くはないはずと考えを巡らせながらも彼の立ち姿を見ていて)

  • No.54 by 操觚者  2016-01-12 23:09:58 

>藤様
>葦原様


長らくお待たせしてしてしまい申し訳御座いません。予め遅筆と記したとはいえ心苦しく、不粋とは百も承知の上で妖共を押しのけ顔を出させていただきます。
お返事の方は、七日七晩とは申しません、どうか今少しだけお待ちいただければ幸いに御座います。

……また、口より手を動かせとお叱りを受けるやも知れませんが。夜毎不出来な私や妖連中のお相手をしてくださることへの御礼も書き残させていただきます。
それではまた、御噺の中にてお会い致しましょう。

  • No.55 by 藤 直徳  2016-01-27 20:33:29 

なに、此方もお待たせしてしまう事があるので、気に病む事はありません。
夢の中でまた貴方方に出会えることを、夜な夜な黒種草を眺めつつ、お待ちすることとしましょう。

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