太陽 2015-12-22 01:12:59 |
通報 |
「畜生……俺のカップ麺ストックが……」
先ほどコンビニで買ってきたカップ麺。
今日食べる用とは別に5.6個購入してきたのだが、今はもう皆亡き者となってしまった。
「雪……本当アイツどんだけ食うんだよ……」
まあ「朝飯食って無いんならラーメン要るか?」とか言い出したのは俺なんだがな。
最近世話焼きスキルがどんどん向上していっているのを感じる。
洗い物を済ませて雪の方に目をやると、彼はソファーの上ですやすやと寝息を立てていた。
本能のままに生きているな。
「おい!そーそーぎ!起ーきーろ!」
「うぅ……?そーや…………?」
このままだとナチュラルに住まれかねないので、俺は雪を叩き起こす。
だが雪はひとつ欠伸をすると、また目を閉じてしまった。
「だあぁー、もう!!」
怒鳴り声をあげて手近にあったクッションを投げつける。
雪は眠ったまま片腕だけを素早く動かし、クッションを弾き返した。
お前は歴戦のアサシンか。
……にしても朝っぱらからよくここまで熟睡できるな…………まだ9時だぞ。
「……ん、そうだ」
床に落ちたクッションを拾い上げた所で、俺の脳裏にある考えが浮かんだ。
「雪!一回起きろ!」
「んん…………なに……」
雪はトロンと眠そうな目をこっちに向ける。
「俺ちょっと出かけてくるから。眠いんだったら寝てて良いから、帰るまで留守番しててくんねぇか?」
そう。
雪をここに閉じ込めておけば良いのだ。
そうすれば俺は安心して桃菜とのお喋りに興ずる事が出来る。
「……ん…………わかった…………いってらっひゃぃ……」
「ああ」
コイツに留守を任せる事に一抹の不安を感じなくもないが、まあすぐ帰ってくれば大丈夫だろう。
俺はさっき投げた時のまま放置されていた傘を手に取り、玄関の扉を開けた。
≪7話・完≫
トピック検索 |