カク 2015-06-17 01:25:49 |
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俺に不調なんかあるかよ。(己のカバーをしてくれるつもりらしい相手の言葉に思わず頬を緩めてしまいそうになるもどうにか堪えただ一言だけを返すも、相手の嫌味には「ま、その話は後だな。」と返答を後回しにして早速建物内に踏み込んで。「船大工のもんだが、預かってたお宅らの船、修理終わったぜ?さっさと代金を…」言葉を最後まで言い終えるまでもなく明らかに瞳をぎらりと光らせた海賊たちに思わず溜息つけば、次に飛んでくるのは罵倒。たった二人で来たのか、素直に払うと思ってんのか、など、好き勝手言ってくれる海賊相手に面倒くさそうに頭掻けば相手に向き直り、「うし、今晩倒した数少ねぇ方の奢りな?」と折角だからと呑気にも賭けを申し出て)
ギャンブル好きじゃのうお前さんは。…仕方ない、付き合ってやるとしよう。( 予想通りとも言える周囲の反応に最早小さく吐息つく程度で、指をコキコキと鳴らしながら相手の提案に満更でもなさそうに口角上げては同意し。息の根は止めない、痛めつけるだけ、と内心再確認しては遊びとはいえ賭けに負けるつもりは毛頭無いのかさっさとその場から走り出し海賊の群れに突っ込んで、 )
あっ、汚ねっ!(先手を取り先に駆けていってしまった相手の背を見て狡いとばかりに文句言いつつ数秒遅れて己も海賊の群れに突っ込んでいき。相手は銃やら刃物やら、好き勝手武器を振り回して襲い掛かってくるものの、今更そんなもので怯むような柔な神経は持ち合わせておらず、どちらかというと怖いもの知らずという言葉がぴったりな様子でまずは周囲の雑魚からばたばたと倒していき)
汚いも何もなかろう…!( 先程相手が言った通り素手で速やかに周りの雑魚を排除していけば別段問題がない様子で相手の言葉の返事を返し。余裕がないわけではないのかその口元に小さく笑みすら浮かべてはその場の敵をいなして行き、2人での行動の割に数分後には海賊団の頭以外は床に伸びている状態になり、 )
…おら、さっさと金払うかてめぇらの首海軍に差し出すかぐれぇは選ばせてやる。どっちにしろ金さえ回収できりゃ俺たちに文句はねぇ。(たった二人の船大工相手にあっという間に残るは自分だけという窮地に立たされれば、いくら海賊団の頭といえど先程までの強気な態度はどこ吹く風、蒼ざめてしまっており。そんな相手にこれ以上のやる気削がれれば乱雑に両手をポケットに突っ込んでジロリと睨み効かせつつ上記の選択を吐き捨てるように迫り)
すっかり取立屋じゃわい、パウリーも。( 自分も取立に来た側なのだが相手の様を見ては面白げにくつくつと喉奥鳴らして笑い。相手が海賊の頭と話してる間自分は周囲見渡せば地に伏した海賊の雑兵が銃口を相手に向けているのを見て息を呑み、咄嗟に相手の腕掴んで屈んではその瞬間に銃声が鳴り、 )___伏せろ、パウリー!
っ、くそ…っ!(軽く船員全員を倒した上頼みの綱である筈の船長までが戦意喪失しているその現状にすっかり油断しきっていた故に相手の言動で知らされるまで周囲には全くノーマークであり。腕掴まれたことでぐらりと体制が揺らぎ、一応は回避できたものの軽く肩を掠めてしまってはその箇所押さえつつ、すっかり油断していた己自身と往生際の悪い海賊、両方への怒りで目はすわりゆらりと立ち上がって )
っ、…大丈夫か、パウリー。( 相手の様子から命に別状がない事は明確では有るが肝を冷やした事に変わりはなく、贔屓目にも自分の大事な相手だからこそ直ぐに起き上がれば反射的に声掛け。怪我は微々たる物で安堵するものの不穏な雰囲気纏い立ち上がる相手に心中察しては相手止める気もなく、こりゃ荒れるのう、と他人事のように立ち上がっては「パウリー、言っとくがわしらの目的は取立だからの。」と釘を刺し、 )
これくらいどうってことねぇ。…ありがとな。(肩の傷押さえたままではあるものの大丈夫かとの問いにさらりと答えれば少々バツが悪そうに、けれどもしっかりと礼を述べ。やってやるとばかりに胸の前で己の拳と掌ぱん、と合わせるも、先に釘を刺されてしまえば少々萎えた様子で舌打ちし、「わーってるよ。」と。落ち着いて、それでいて決して遅くもない足取りで己を撃った雑兵の元へと歩み寄れば思いっきり腕振り下ろし顔のすぐ横を殴り、地面に拳めり込ませつつ顔は船長に向け「…あんま煽んなや。」とキツく睨み効かせ)
( 渋々、といった様子ながら自分の忠告は守る相手に呆れながらも小さく口角上げ、青ざめた様子で此方を見る頭の方に飄々と近づけば目線合わせるようにかがんでやり、「と、言うわけじゃ。分かってもらえたか?」帽子のつばでで目元隠しながらも不敵に笑ってみせると慌てた様子で金用意し始めあっという間に金入った鞄用意されては何事もなかったかのように鞄受け取り、「毎度あり。───さてと、帰るかのう。」と相手の元に歩み寄れば手を取って相手の手を引き、 )
ん、お、おう…(金が相手の手に納められるのを横目で捉えつつも腹の虫は収まらずやっぱ一発殴ってやろうか、と真下に居る雑兵に睨み効かせるも次の瞬間には相手に手を取られそのまま歩み始めており。なんとも不完全燃焼ではあるものの握られた手首から伝わる温もりで今度こそ完全に戦意喪失させればはぁ、と溜息一つつき、その照れ臭さを誤魔化す意味も込め、「離せよ、カク。…血付くぞ?」と。気付けばその手は肩の傷口押さえた上、地面を強く殴ったせいで拳にまで傷作り血を滲ませていて)
そんなこと気にしとる場合か、全く。何が余裕、じゃ。( 建物の外に出て仕舞えばもう既に夕暮れ時で、相手の血が自分に付くことなど気にも止めておらずスタスタと歩いていけば幾分か人通りのない裏道まで歩いてきて。そこで漸く手を離し相手の方を振り返ると呆れた様子滲ませ肩竦め、「わしを気にしとる場合か、無茶ばかりしおって。軽傷だったから良かったものの…。」と咎める口調続けるものの相手の傷ついた手を労わるように撫でる手つきは優しいもので、 )
余裕だったろ、途中までは。……その、悪かったよ。今回のことは完全に俺の落ち度だ。油断してた。(余裕という言葉自体を訂正するつもりはないものの、それでも己を心配する故の咎める口調も労わるような手付きも、自分の想い人であるからこそ尚更無下になどできず、珍しく自分の落ち度認め素直に反省の意を示して。実際相手が居なければ死んでいた、その事実すら勿論把握しきっており、命の恩人と言っても過言ではないほどの相手に対し、ぶっきらぼうな上遠回しでもあるが今一度「お前が居なかったらこんなんで済んでねぇ。…借りができたな。」と礼を述べて)
わしも気づかなんだからお互い様じゃ。借りなんぞよりも、お前さんが無事で良かったわい。( 相手だけの責任と言うわけでなく気づかなかった自分にも落ち度はあると相手の言葉躱す様にひらひらと片手を振り、あの弾道では当たりどころが悪ければ…と言う事過ると肩掠めたものの大事に至らず良かったと心底安堵し、相手のぶっきらぼうな物言いにも笑って答え。「しかしこりゃガレーラに戻ってアイスバーグさんに金を渡したら即手当じゃな。」肩の傷口からは少しずつ出血は止まってきているものの酷い有様には変わりなく、自分の手についた血を見ては困ったように肩竦め、 )
手当てなんか必要ねぇよ。こんなもん酒でもぶっ掛けときゃ治る。(己の身を案ずる相手の様子に居た堪れなくなり、そもそも素直に人に頼るということ自体どうにも苦手な元々の性格も手伝っては大袈裟だとばかりにひらりと片手振り。とりあえず葉巻を吸おうとポケットを探った際にふと己のロープが懐に入っているのを思い出しそれを手に掴んで乱雑に引っ張り出せば、「なぁ?これで縛っときゃ止血にぐれぇなると思うか?」と今思い付いた考えに対する意見を問い)
やめておけ、別の傷になりそうだわい。後無茶しようとするな、酒飲みに行くのは又の機会でもええんじゃし。( 大袈裟と言わんばかりの態度にむ、としながらも相手の言葉に冷静に応対し、仕方なしに持っていた自分のタオルを取ると相手の肩口の傷押さえるようにして縛ってやり、相手から誘われた呑みも念の為療養させたほうがいいだろうと内心で納得しては縛り終え、 )ないよりかはマシじゃろ。ほれ、さっさと行くぞ。
……悪い。(相手からの言葉は正論そのものであり返す言葉も無くなれば漸く謝罪を口にして。今夜の呑みまで白紙に戻ってしまえばがしがしと乱暴に頭掻きつつ溜息零し、「ついてねぇな…」とぽつり。勿論運の問題ではなく紛れも無い己の注意力不足故のミスであることは自覚済みではあるがそうでも呟かなければやっていられなくて。バツが悪そうに溜息吐き出しながら今度こそポケットから葉巻を出して口に咥え、相手に促されるままについていけばすぐにガレーラに到着して)
また傷が大丈夫そうなら行けばいいだけじゃ、そんなに落ち込むな。( すっかりしょげてしまった相手が不憫で仕方なく、自分としても相手との二人での呑みは楽しみだったからか残念ではあるが相手の体の方が大事な事には変わりなく、相手励ますように血に濡れていない方の手で相手の頭ぽんぽん、と撫で。少しだけではあるが傷負って帰ってきた自分達に気付かない人間は居らず驚いたように振り返る職人脇目にアイスバーグのいるであろう建物の方に移動して、 )
別に落ち込んでねぇよ。(凹んでいることが見抜かれてしまってはそんなに分かりやすくしょげていたのかと恥ずかしくなり、これじゃいつバレてもおかしくねぇぞ、と自身に言い聞かせつつふい、と顔を逸らして分かりきった嘘をつき。建物内に入れば迷うことなくアイスバーグの部屋の前まで行き、一応のノックをした後に重い身体どうにか動かして入室すればやはり彼の視線は己の肩口に注がれ、その表情は驚きで目を見開いていて。やっぱり、と更にバツが悪くなれば再び頭掻き、「あー…、見ての通りちょっとミスっちまったけど金は回収してきましたんで。仕事にもいつも通り出ますのでご心配なく。」と端的に告げては相手に目を向け、金の入った袋を渡そうと合図して)
( 案の定分かりやすい嘘で逃れようとする姿に思わず小さく笑ってしまっては何も言わず相手の後についていき、状況説明は相手が一応アイスバーグにしたからか自分からは別段言うこともなく、促されるままに前へと出ると机上に金の入った袋置いて、「取り敢えず手当が嫌だと駄々こねるパウリーは救護室に連れて行っておくわい。急にすまんの、アイスバーグさん。」と茶化すように告げればそれに釣られたように笑うアイスバーグにその場の空気和らげれた事安堵すると宣言通り踵返すと相手の首根っこあたりの服掴んでずるずると引き摺りながら退室し、 )
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