────ML.

偉そうに言ってんじゃねぇよ。起こされずに起きろや。
(どこか得意気な雰囲気のする表情に片方の眉を上げてむっとすれば、相手の首元を両手で掴み引き寄せると再び唇を寄せて。手を離し態勢を元に戻し腰に手をあて仁王立ちすると、人差し指でクイクイッと急げとせかしダイニングへと歩きだして)

おまっ…、怒るなよ。だってさ、いつも要が起こしてくれるから。(こちらの態度が気に食わないのかむすっとした表情をしては唇を奪われ頭が着いていかずされるがままに。先に部屋を出て行ってしまう彼の背中をやれやれとでも言うように追いかけながらも言い訳を口走り。つれない口調でもキスや抱き締めることには抵抗しないというように天の邪鬼で此方の心が掻き立てられ終始惹かれてしまい今に至っているのを思えば最早自分に非がないのではと調子の良いことを考えて。)

俺は目覚ましじゃねぇっての。せっかくの朝飯が冷めちまうだろーが。
(相手の甘えた言い訳を許す自分も、無駄に甘いのかもしれないと一つため息ついてから小さく笑い。ダイニングへの扉を、後ろにいる相手のため開いたまま中へと入り。冷えはじめた朝食だが、まだ微かに湯気が上がるのを見て温めなおさなくても良いと判断して、そのまま自分の椅子を引いて腰かけ。手を合わせたまま、相手が席に座るのを待つように視線で所作を追って)

そんくらい分かってるって、ごめんな。おー、毎度毎度よくここまで作れるな。うまそ。(ダイニングの机の上には毎度のことながらいかにも朝食らしい献立の品が並んでいて自然と机に向かい合って並んだ椅子へと吸い寄せられるように一直線に歩き。彼が座ったのを見て自身も腰掛けると手を合わせては「いただきます。」と挨拶しつつ彼になただウィンクを飛ばし。)

俺の愛情こもってんだ。旨いに決まってんだから、死ぬ気で味わえ。
(朝食への賛辞とウィンクに気分が上がる己の単純さも嫌になるが、それを直接伝えるのはなんとも憎たらしいのであえて回りくどく言葉にし。吐き終えたあとは何事もないかのように、揃いのフォーク手にしてサラダを口へと運び新鮮な葉を咀嚼する音を鳴らして)

(/なんか下がるの早ぇな。急かすわけじゃなく、埋まるの癪だからあげるわ。置きレスだから時間とか気にすんなよ)

あいよ。って、要は俺が死んでもいいのかよ。(度が過ぎる口振りに照れ隠しかと解釈しつつ、フォーク片手にくすくすと笑みを浮かべ。ハムを突き刺しもくもくと食べればちらちらと彼の様子を見て。いつもながら安定の美味に食べ物を口に入れつつ「んめぇな。」と自然と口ずさみタレ目を細めて満面の笑みを浮かべその後もかつかつと食べて。)


(/上げありがと。とかいいつつ寂しかったんだろ。かーわいー。黙)

物の例えに決まってんだろ。嫌なの分かってるクセにいちいち言うな。さっさと食えよな...ったく。
(黙々と咀嚼していればからかうような物言いに、無駄に早口で噛み付いて。己の気持ちを大っぴらにするのはあまり好きではないが、キチンと伝えないのもまた嫌いでまくし立てる事で誤魔化すと、トーストを口いっぱいに頬張り。相手の小さな賞賛の声にチラと視線向ければ視界に相手の笑顔が広がり「...可愛い」と呟くと最後の一口をたいらげ、コーヒーをのみ)

(/うっせ。埋まっちまったら見つけにくいだろーが。寂しいとかじゃねぇ...多分/逃)

あいはい。お前に構うのが俺の趣味なの。ちょっとだけ付き合えよ。(ハムエッグを平らげるとまたもや勘に触るような物言いをすれば、片手にパン、片手にコーヒーと食べる速度を上げて。彼が此方に視線を合わせているのをお構いなしに食べることに夢中になり、サラダに手を着けて。「ん、要今日仕事何時に上がりなわけ？」急に頭に浮かんだ疑問をフォークを口端にくわえながら尋ねて。)


(/素直じゃないのね。大丈夫、メンタル強いしきゅんきゅんするから。そわそわ)

......お前居ねぇと困る。
(言われるままに急いで食べている相手見れば癪に触るような物言いも所詮は愛らしさへと変わり、仕方ないといった素振りで小さく漏らし。付き合ってあげているのだといった素振りで気持ちを吐くと視線外して、ゆっくりとコーヒーを飲み。食べている側でくつろいでいれば問われた内容に顔を向け「今日は定時の18時上がり。貴康は？」とカップをテーブルに置きながらたずねて)

(/なんだよそれ。俺の口調にきゅんきゅんするとか珍しい奴。俺もハマってきちまってんだから責任とれよな/じと)

えっ……、要もっかい言って。(急な出来事で思わず手から転がり落ちそうになったフォークを慌ててぎゅっと握れば嬉しそうに口角を上げ頬に靨を作ってにまにまと。その後真剣な表情で再びお願いするように手のひらを顔前で擦り合わせて。「俺もそんくらい。よし、一緒に帰れるな。…先帰るなよ。」レタスをフォークに突き刺しながら自身の脳内で展開される光景は永遠続き、まるで付き合いたての恋人のように帰宅途中でも同行を求めて。)


(/ホンモノのツンデレ要員だ。流石だな。責任は分からんが、ツンデレを手名付けたいとは思っている。じーっ)

あ？ちょっと付き合ってやったんだから、もう言わねぇ。
(ニヤけ顔は愛しいからスルーするとしても、もう１回などと目前で拝むように懇願されて、そのままもう一度言うなど軽々しいからとおねだりをひと蹴りすれば、平然とコーヒーを飲み干して。「別にいいけど、帰りの買い物付き合えよ？スーパーの特売あっから」と相手の脳内にはなさそうなリアルな発言を述べて、こちらの脳内は相手に荷物を持たせようといった意図が浮かび微笑み向けて)

(/あ？ツンデレとか知るか。簡単にてな付けられるとか思うなよ？俺がてな付けてやる/ニヤリ)

イケズ。…んあ、美味かった。ご馳走さん。(やはり、そうきたかと言うほど彼の行動は予測していたが、時折見せる素直な一面に度肝を抜かれ骨抜きにされているため深く追求はせずに。こちらも坦々と食べ終えると再び手を合わせて挨拶を交わし。「スーパー？それってなんだか新婚さんみたいだな。」彼から提案された終業後の予定を思い浮かべればあれやこれや口うるさくも文句を言われながら、それに従う自身を思い浮かべて。２人仲良く買い物する姿に思わず笑みがこぼれてしまって。)


(/何それダメだから。あ、展開的な提案で会社で密会とかしたい。真顔)

イケズで結構。ん、俺はこれ洗ったら準備完了だからさっさと準備してゴミまとめろよな。
（相手の所作に合わせるように両手を合わせて挨拶をすると、相手の空の皿に手を伸ばして自身の空皿と重ねて。椅子に掛けておいたエプロンを腰に巻き結んでいると、聞こえた言葉に顔を紅潮させて「新婚とか言うな朝から恥ずかしい。さっさと準備しねぇと置いていくぞ！」と少し声を荒げて反抗し、空皿を音立てながらキッチンへ運んで流しだして。ぶつくさと小さな小言吐きながらスポンジで二人分の食器を洗浄していれば、慌てたせいか手からスポンジがにゅるんと逃げ出して床に着地したため盛大に溜息をこぼして）

(/攻×攻のくせになんか俺が受っぽくされてんのが癪だから、絶対手名付けてやる。真顔で密会したいとか言うなっつーの。するに決まってんだろ/ドヤ)

はいよ。今支度する。(彼が２人分の食器を洗う後ろ姿を見ては感謝しつつもエプロン姿に背後から流し見て。いかにも嫁と言いたくなるようなこの光景を一人で堪能すれば顎下に手を添えてふむふむと頷き。新婚というワードにわざわざ突っかかり、スポンジを落とす動作を見ては笑いを堪えながらも「あーあ、要気を付けろ。」と他人のミスを指摘して。“置いていくぞ”と虚勢を張るのも自身に厳しいのも愛故だと勝手に解釈すれば、歩きながら寝間着を脱いで自室へと進みスーツに着替えて。)


(/大丈夫、こればかりは仕方のないことだから。いいねえ、ノリノリじゃん。)

誰のせいだよ誰の。...朝から気障ったらしい奴め。
(スポンジを拾い着地点をティッシュでふきながら、相手が着替えに行く背中を見送るのと一緒に半ば理不尽な文句を小さく呟いて。相手の着替えや洗面にさほど時間はかからぬだろうと気を取り直し、さっさと朝食の片付けを済ませれば、エプロンを冷蔵庫脇のフックに引っ掛け。弁当と鞄を準備しているか横目で確認しながらスーツのジャケットを羽織ると、相手が終わるのを新聞見ながら待っており)

(/仕方なくねぇよ、騙されてたまるか。そこはMLの醍醐味だろ。俺がお前の唇奪いにいくつもりだしな)

──お待たせ。どうよ？今日もいい男か？(着替えを終え、洗面所での身支度を済ませると彼が居るであろうリビングへと足を運び。廊下からリビングに入るドアへと手を掛け、もう片手を自身の腰にあて気取ったようにポーズを取り流し目で見て。毎度のことながら年齢の割に馬鹿げたことをしたがるのをどうにかしたいけども、これを見て笑ってくれたら嬉しい。)

ん、いいんじゃね？さっさと行くぞ、イケメンさん。
(相手の声に振り向くと、こちらをドヤ顔するように見ていて少し笑ってしまい。それを誤魔化すように咳払いをすると、新聞をテーブルに放り投げて立ち上がってか鞄片手に歩み寄り。少々からかいの混じった言葉を相手に投げるとネクタイをつかんで引き寄せ、ちゅっと唇を奪って口角あげて)

はい、もっかいな。(いつになく小馬鹿にされたようにあしらわれたかと思ったらネクタイを引っ張られされるがまま彼の元に身体を寄せるとふいうちの如く唇が重なり眉を上下させ。唇が離れると同時に彼の肩を抱き寄せるとそう述べて、今度は此方からわさわさと背中を撫でつつ口端をぺろりと舐めて。)

ん...遅れんだろーがセクハラ上司め。
(朝からの甘い雰囲気に酔いそうになるも視界の端に時計が写り、少しだけ身を離して頬を指で撫で離れて。してやられている悔しさも混じり悪態つくが、嫌悪などとはむしろ真逆の感情で。相手の指に自身の指先を絡め、軽く引くように玄関へと向かって歩きだし、絡めた指先はそままに器用に靴を履いて)