風人 2014-11-30 06:00:58 |
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『桜宮サーガ』シリーズは内容が豊富。
『モルフェウスの領域』『アクアマリンの神殿』のような冷凍睡眠(コールド・スリープ)がもし現実に実行されたらどうなるんでしょう。
被験者が病気を将来や未来に治療できるにしても時の流れは被験者を浦島太郎にしてしまう。
『領域』後半のアツシ少年はまさにそれ。
両親は親権を放棄し自分が知る人たちも限られる。
また睡眠学習により頭はよくなっていることは『領域』ではよきことのように描写されているが『神殿』では頭がよくなったことが普通の生活を送れない一部弊害になっている。
西野さんが厳しく接したのはアツシくんを社会の化け物や犯罪者にしないためにあえて厳しく言い諭したと思う。
頭よくなったのが睡眠学習の結果としてそれを含めて人生のなかで為さねばならないこと。
冷凍睡眠、睡眠学習は『領域』『神殿』ともにいずれは現実で使われた場合に被験者がいかなる人生を送るかという課題。
社会はその責任を担わなくてはならない。
アツシくんが『神殿』の時代には東城医大には足が遠のいてはいたけど彼にとっての人生の原点や布石でもあった。
頭がよくなっても『ハイパーマン・バッカス』が好きな少年の気持ちが原点でもあった。
この辺の描写は海堂先生の人物にたいしてのやさしさでしょう。
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