桜宮サーガ雑談

桜宮サーガ雑談

風人  2014-11-30 06:00:58 
通報
『チーム・バチスタの栄光』から始まる田口・白鳥シリーズに発端し架空都市桜宮市を中心に過去・現在・未来、東京霞ヶ関や北は北海道の極北市、ドイツのブリュッセルまで広大に広がる桜宮サーガを雑談し語る部屋

トピ主はまだ読んで一年と満たないですが桜宮サーガを語れる方がいてくれたら嬉しいです。男女年齢に関わらずお越しください。

『桜宮サーガ』のシリーズなら小説・映画・ドラマ・漫画などいずれでも話題は構いません

コメントを投稿する

  • No.418 by 風人  2017-01-22 14:15:20 

Aiとてなんでもわかる万能でないことは『玉村警部補の災難』収録の「エナメルの証言」にある。
“CTで三割、MRIで六割しか死因はわからない”とある。
ただ『祝祭』や『輝天炎上』などにあるように解剖と共存する手を取り合うやり方が望ましいと言えるでしょう。
だけどそこに既得権益なり利益が関わろうとするのが大人社会の複雑さ。
Aiをするとお金をかかるようになっているAi以前の社会の問題もある。
社会のゆがみやひずみと言うのはかんたんだけど一方でそんな目に見えない存在が闇をうむこともあれば光りをうむこともあるのが現実社会。
『桜宮サーガ』シリーズのひとつひとつを組み合わせていけば社会や世界の見えない存在がフィクションであるのを通して見えてくる。

  • No.419 by 風人  2017-01-26 09:02:57 

『スカラムーシュ・ムーン』『スリジエセンター』などはまだ文庫化に至ってないみたい。
それだけある程度は追いついた感じ。
文庫で手に入れてないのは『アクアマリンの神殿』などごく数冊。
『カレイドスコープの箱庭』であらためて海堂尊先生のトピックスや作品内の歴史年表や時系列などが整理されてることで各作品間のつながりがわかりやすい。
『箱庭』で速水先生がちらっと彦根先生に睨みを利かせるのは彦根先生が後輩にあるまじき行動をしてるからでしょう。
彦根先生が救急センターをたずねでもしたら手足の如くこき使われるのをわかってるから近寄らない。
すずめ四天王が揃ったのは現時点では『箱庭』だけでしょうか。
また過去の物語に触れられる作品があったら海堂先生が書かないとも限らない。『輝天炎上』で天馬くんはすずめ四天王については興味ありそうだったから医療サスペンスとは違う形で関わる形も考えられる。
『輝天炎上』で天馬くんは島津先生、彦根先生そして田口先生と三人とは出会ってるわけだし。
Ai絡みでなくとも大学病院に在籍してる間あるいは卒業後の進路如何によってはいくらでも縁はあるはず。

個人的には田口先生、今中先生の恋愛モノを書いてほしいところ。
というか天馬くんは別宮葉子に冷泉深雪と囲まれすぎ。

  • No.420 by 風人  2017-01-26 14:39:21 

『桜宮サーガ』のシリーズを読むと医者や看護師などにいろいろな人物がいて医療に従事してそれらを含めて病院という存在に社会が支えられていること。
速水先生みたいに救急医療をする者もいれば田口先生みたいに手術とはほぼ無縁の不定愁訴外来を生業とする者もいる。
彦根先生はネットを通しながら病理医をする先生もいる。
桐生先生や天城先生のように心臓手術をする先生もいる。桐生先生は『バチスタ』で挫折を余儀なくされたのもある。
『箱庭』では以前と変わらないままでありながら手術できなくなったことからの挫折からの脱却と成長、ある種の本人なりの哲学を構築された雰囲気はある。
救急病院に市民病院が対応できない『極北ラプソディ』のような医療の先細りもある。
世良先生の判断は市にすればたしかに厄介かも知れないが市から予算が出ないことには人員をつけられない背景もある。
世良先生は過去の出来事からいかなる経緯かは不明だけど医療債権請負人となった身。
『極北ラプソディ』で察した範囲内でも神威島に至る経緯や医療債権請負人と活躍するなかでも紆余曲折があったように思われる。花房さんを振ったことからもうかがえる。
高階病院長にしても過去の悔やみある。『田口白鳥シリーズ』で『弾丸』以降振り返っていることからスリジエセンターを潰したことがよほど後悔になってると思われる。
天城先生の撒いた種?は高階病院長、世良先生、桐生先生、村雨府知事、彦根先生、藤原看護師のなかで生きている。
天城先生の人物像は『ブレイズメス』を読んだだけでも伝わる。

  • No.421 by 風人  2017-01-30 15:04:16 

スリジエセンターは何らかの形で高階先生に潰されはしたけど、いろいろな形で高階先生たちの内に心残りや後悔として残った……。
スリジエ(さくら)がオレンジ病棟に変わったのもひとつの継承なんでしょう。
速水先生の内に何らかの形で考えはあったと思われる。
世良先生が医療債権請負人になったのもおそらく『ブレイズメス』での過去のやり取りそして東城医大になんらかの限界を感じたからでしょう。現に『ブレイズメス』において高階先生たちは議論とはいえ天城先生に納得できる答えを返していないのを世良先生は直に見ている。

  • No.422 by 風人  2017-02-17 08:20:58 

他の本ばかり読んでるので海堂先生の本は今年まだ読んでない。
『外科医 須磨久善』は去年一度読んだくらい。
『カレイドスコープの箱庭』でいったん完結した感があったのかもしれない。
まだ文庫化にいたってない本もあるからゆっくりじっくり読まないとならない。
『スカラムーシュ・ムーン』『スリジエセンター』を早く文庫化してほしいもの。

  • No.423 by 風人  2017-02-18 06:38:11 

『ケルベロスの肖像』の物足りなさを『輝天炎上』がフォローしているが『肖像』はもう少し踏み込んで欲しかった。
田口先生がなにも知らないまま物語を終えているのはある種の切なさ。
小百合・すみれ姉妹は本当に亡くなったのか。謎のまま。
城崎さんは妹ふたりの生死は気にならないのか。『夢見る黄金地球儀』ではまだ4Sエージェンシーは続けたと思うがいずれは4Sエージェンシーを城崎さんは離れるつもりか。
『桜宮サーガ』の大半の登場人物は社会や病院などの組織の内にいる人間が主役をつとめる。
ただ城崎さんに限っていえばその枠から出ようとしてる感はある。自由でもあるし自分勝手とも取れるが、『輝天炎上』でのすみれとの会話から察するに父である巌雄先生との間になんらかの確執があったと思われる。
とはいえ習った医療関係は彼が芸能界に身を置いた際に皮肉にも歌手育成に役に立つことになる。
城崎さんもたぶんに医療から逃れられない運命にあるとも取れる。本意ではないかもしれない技術や知識だろうけど役に立つのはなにかのひとつの証明。

  • No.424 by 風人  2017-03-12 15:12:23 

今年は他の本に目移りしている。
肝心の『桜宮サーガ』シリーズにはまだ手を出してないことに気づく。まだ三月だけど。
『特Aランク病院の愉悦』でしょうか。田口先生を主役にしてる本を読みたいですね。

  • No.425 by 風人  2017-03-13 12:58:56 

ようやく『ランクA病院の愉悦』を手に入れた。
『玉村警部補の災難』同様に短編集なので読みやすい。
はじめの『健康推進モデル事業』で厚労省の小太りの上司は明らかに白鳥さんですね。
だけど『夢見る黄金地球儀』の久光譲治でしょうか。彼が出てきてる。

  • No.426 by 風人  2017-03-13 17:29:46 

『ランクA病院の愉悦』に収録されている「緑剥樹の下で」に登場しているセイは渡海征四郎なんですね。
『モルフェウスの領域』でヒロイン涼子に大きな影響を与えた人物と思うけどノルガ共和国で一匹狼的に活躍するのがこの人物の在り方なんでしょう。
なにものにも縛られず己の信念のまま生きていく。それを考えたら『ブラックペアン1988』のラストで東城医大という組織を出たことは正しかったように思われる。
基本的に組織や縦社会に縛られるとなにもできない反骨精神のあらわれとも渡海先生はそんな風にいえる人物。
だけど佐伯清剛病院長はおそらくそんな一面さえも認めた上で若き高階先生と競わせることで東城医大の未来を担いたかったんだろう。
だけど渡海先生には東城医大はおろか日本が狭かったのかもしれない。
いずれどこかで他の人物と渡海先生は出会う未来があるかもしれない。

  • No.427 by 風人  2017-03-14 05:03:55 

渡海先生は『モルフェウスの領域』『緑剥樹の下で』では謎の人物扱いなのは格好いい反面、いささかもったいない使われ方してるともいえる。
おそらく海堂尊先生の頭のなかではいろいろ活躍されるアイデアはいくらかはあるでしょうけど。
「被災地の空へ」は自衛隊との連携や縦割り社会が被災地への行き来を困難にしてる描写や救急医の在り方などがリアル。
速水先生と似た者同士の満島、この人物もまた深いことを考えている人物。
速水先生がまだ若いというのもあるんでしょうけど広い視野や思考というのが救急医やドクターヘリを扱うフライトドクターには必要なんだと思う。
それに被災地に同類の人間がふたりいる必要はないというのは理解する。
ひとりいれば事足りる。
短編ではあるけど必要なことを書かれてある。
『ガンコロリン』には八神所長と別宮葉子が出てる。ちゃんとそこかしこに『桜宮サーガ』のシリーズの一端と伝わる。

  • No.428 by 風人  2017-03-14 05:30:36 

「ガンコロリン」はコメディ色が強い話。
癌を治す特効薬の末路は癌手術を出来る医者が育たないままになりさらに新たな癌が生まれるという始末。
雰囲気としては『世にも奇妙な物語』ぽい。『世にも奇妙な物語』に似た物語があったでしょうか。

  • No.429 by 風人  2017-03-15 06:23:18 

『ランクA病院の愉悦』に収録されている「被災地の空へ」で速水先生が死体検案書にサインをする時の気持ちは複雑だったでしょう。
救うべき命を救えず相手の魂はすでに天に返り肉体は死と化している。
だけど死者を看とりひとがが現世から還ったことを現実に示すこともひとつのおこない。
ただサインをするのではなく検案書を記すことでひとが生きていた証を本人やその遺族に届け伝わることにもなる。
『桜宮サーガ』シリーズではたびたびひとが亡くなる描写は少なくない。
患者を救えなかったことに後悔もある地方病院の医者の気持ち。
また虐待を見過ごさないために死者の声に耳を傾ける気持ちなど。
“死者に耳を傾けろ”は『桜宮サーガ』の一貫したテーマのひとつでもある。
死体検案書にサインを記すというのも救急医としては報われないし満足いかない行為ではあるだろうけど誰かがおこなわなくてはならない。
現実に東北が震災に遭った当時に速水先生のような気持ちを抱えた救急医がいたとも思われる。
だけどそれが無駄な行為でもない。命が失われるのは悲しいことだが誰かがサインし示さなくてはならない。

  • No.430 by 風人  2017-03-15 12:49:44 

『ランクA病院の愉悦』収録の「被災地の空へ」で速水先生の勘が働かなかったことは素直にいい兆候ではなかったでしょうか。
『伝説』や『凱旋』の時みたいに救急患者で被災地があふれていたら速水先生のチームだけでなく満島先生たち他のチームもつぶれてたのではないでしょうか。
マンパワーにも限りはある。これはボランティアにも同じことがいえる。
軽症患者といえど患者。物語内ではそれでおさまりドクターヘリで重症患者は各々の病院に運ぶ。
行政や自衛隊の不便な縦割り社会の一面が読み取れるのも複雑なところ。
とはいえ行政や自衛隊がいなければ情報や現場が統制が取れない一面も生まれる。
まだまだこの辺りの連携はむずかしいんでしょうね。
だけど救急医にも速水先生や満島先生などいろいろあり風の噂もある。
だけどしっかり現場指揮を取れる人物が取ることは現場に混乱を少なくさせる利点もある。
短編ではあるけど情報量がかなりある物語。

  • No.431 by 風人  2017-03-20 06:33:42 

『ランクA病院の愉悦』の「健康推進モデル事業」はある意味厚労省など役所がおこなうことはわからないことへのブラックユーモアでしょう。
『桜宮サーガ』全体でもなにかとメタボをところどころに挙げながら登場人物たちは疑問を持ち吐息を漏らすのにあらわれている。
「健康推進モデル事業」もそのひとつ。仮にいくら快適に健康的に過ごせたとしても職場で生きられなかったらメンタル面から不健康になってしまう。ある意味現代社会のストレスの源である会社という誰もが直面する現状にもスポットをあてていると取れる。
肉体的健康か精神的健康かどちらを取るかを聞かれたらみな両方取りたいでしょう。それで会社で出世できたら万々歳でしょうけど。
現実はそんなうまくいかない。
物語内の主人公は結果的に会社を辞するものの愛する人を得て田舎に帰り健康に生きるという顛末。
だけど厚労省に限らず役人のやることはわからない。既得権益や天下りの一環がおおもとだからタチが悪い。『桜宮サーガ』では時にコメディとリアルさを交ぜて書かれてる。

  • No.432 by 風人  2017-04-02 18:43:43 

『ランクA病院の愉悦』収録の「ガンコロリン」のエピローグ部分はおそらくパラレルワールド的解釈でしょう。
作品自体が半ばコメディですし『桜宮サーガ』本筋の路線を考えたら癌治療が治療できることになってしまったら癌をテーマに作品は書けなくなるでしょう(苦笑)。
「ガンコロリン」に『モルフェウスの領域』の未来科学センターと八神所長に触れられているけど『領域』にはガンコロリンそのものには触れられていなかったから。
後半はパラレルワールド的解釈でいいと思う(笑)。

だけど癌を仮に治療できたとしても新たな耐性を身に付けた癌が現れるのは癌そのものもある意味、生命進化のひとつなんだと思う。
薬が毒というのも『桜宮サーガ』ではたびたび触れられている。薬自体も人間にとっては治療する良薬でもあるが一方では本来は身体が摂取しない成分も含まれるからそんな意味では害悪ないし身体における必要善であり必要悪。
人間の身体はむずかしい。

  • No.433 by 風人  2017-04-03 07:10:48 

『ランクA病院の愉悦』に収録の「ランクA病院の愉悦」にしっかり東城医大不定愁訴外来が出てくる。
これは田口先生の意向に関係なく医療関係者たちが宣伝したり自分の手に負えない患者が現れた際の措置でしょうか。
見方を変えたらほぼ宣伝にしか思えない(笑)。
良心的に解釈したら不定愁訴外来を積極的に取り入れる旨とも受け取れる。『ナニワ・モンスター』でも徳間先生は父親に伝えてたこともあるから『桜宮サーガ』の世界では不定愁訴外来は重宝されてると考えた方がいい。
現実に不定愁訴外来が浸透してるかはわかりませんが。

  • No.434 by 風人  2017-04-03 11:05:35 

「ランクA病院の愉悦」で東城医大の不定愁訴外来が取材を拒否したのは笑えた。
主人公はヤバいことを隠してるのではと揶揄や邪険な考えを一瞬持ったけど実際は不定愁訴外来からランクC病院に紹介できる患者はいないということだけ。
これは田口先生なりの誠意ある返答でしょう。
世の中にはこういうこともあるというひとつの答え。
それにしても『桜宮サーガ』世界では田口先生の存在が徐々に重宝されている雰囲気ある。

  • No.435 by 風人  2017-04-03 14:34:26 

『桜宮サーガ』は医療小説にちがいない。
だけどそのジャンルを確立や認知されるまでは長い道程でしょう。
とはいえ本筋の『田口白鳥シリーズ』、地域地方に焦点をあてた『極北シリーズ』、女性に視点をあてた『ジーン・ワルツ』『マドンナ・ヴェルデ』、バブル時代を舞台にした『バブル三部作シリーズ』。
『ひかりの剣』と『夢見る黄金地球儀』は『桜宮サーガ』シリーズのひとつではあるが医療小説ではないが組み込まれている。
『玉村警部補の災難』『ランクA病院の愉悦』それぞれの短編集ながら内容が充実してる。
『スカラムーシュ・ムーン』『スリジエセンター』を早く文庫化してほしいと共に中古書店に並ばないと買えないorz。

  • No.437 by 風人  2017-04-04 06:25:24 

医療において治療法やあるいは制度などにおいても絶対的な答えはないかもしれませんね。
手術や治療、薬などもあくまで効率や医師、患者などの精神的負担の軽減もあるだろうし制度においても医者と患者双方が納得するシステムの確立。とは医療費が高くなる現実もある。
『桜宮サーガ』のシリーズを読むと医者、患者、官僚、地方行政、薬剤師、あるいは医療関係業者など様々な職業の人たちが携わり成り立つ。
一個人や患者から見える範囲はごくわずか。薬の適用や副作用などは懸念する患者はどこにでもいるのも現実。
基本的に『桜宮サーガ』の世界に官僚は利権や既得権益を頑なに守ろうとする。
例外は白鳥さんや姫宮香織、坂田局長など特殊な人たちくらい。官僚ではあるけど彼らは組織を内側から打破してゆく人物として書かれている。
現実に白鳥さんみたいなことしてたら左遷されっぱなしでしょう。
だけど『領域』や「ガンコロリン」では八神さんは出世コースから外れ白鳥さんにこき使われてるみたいでなんだか不憫。
その布石はたぶん『イノセント・ゲリラの祝祭』のハシゴ外しがきっかけでしょう。あれがたぶんふたりの立場を変えたはず。
白鳥さんはなんだかんだで東城医大に思い入れがあるわけだし救済措置を『肖像』で示し未来科学センターで具現化してる。
再びAiセンターができるか否かはわからないけど。
医療に限らずだけど技術の進歩イコール人間の心や精神、中身がまだまだ伴わない時代なんでしょう。
飛躍的に科学技術が進んでも人間の心や精神はいろいろ善悪、画策などがありそこに利益を求める人間もいる。

  • No.438 by 風人  2017-04-04 17:52:38 

『イノセント・ゲリラの祝祭』(上巻)で白鳥さんが彦根先生に苦言を呈した一件は医師会クーデターの件ですね。
だけど彦根先生はクーデターを起こした張本人にも関わらずとある地位を得て仲間から反感を買ってしまった。
『祝祭』の前半をあらためて読むといろいろな輪郭がみえてくる。

  • No.439 by 風人  2017-04-05 05:07:33 

『イノセント・ゲリラの祝祭』と『カレイドスコープの箱庭』の彦根先生の人物を見るといくぶん雰囲気変わった感じ。
“スカラムーシュ(大ボラ吹き)”という一面はたぶんに変わりないけど未読にあたる『スカラムーシュ・ムーン』で敗北(?)から何かを学んだ可能性があると思われる。
先輩として田口先輩は『箱庭』で心配する一面は見せながらもコイツは立ち直るだろうくらいは予見してるから。
『スカラムーシュ・ムーン』で斑鳩室長にやられたんだと思う。
警察か医療か主導になる組織で民間に伝わる内容も異なると思う。それがまた社会にどう作用し影響するかというのも考えるべき内容なんでしょうね。

  • No.440 by 風人  2017-04-05 09:31:57 

『桜宮サーガ』のシリーズを読んで気づかされるの主人公や主体が誰もしくは所属する組織などによって視点が変わるということ。
『田口白鳥シリーズ』は窓際医者だった田口先生が火喰い鳥の官僚の白鳥さんと共に難題や事件を解決してゆく。
『極北シリーズ』は地域地方の病院が舞台。
今中先生もまた田口先生同様に一見、平凡な医者ではあるが現状現場あるいは自分の居場所から病院や地域を考えて見る目や思考を彼は持っている。
おそらく今中先生みたいに個人や組織に属する者もしくは医者としては医師や看護師などはそれくらいの見識はあるでしょう。
『ジーン・ワルツ』『マドンナ・ヴェルデ』は産婦人科が舞台。
女性の出産や代理出産などを扱いながらすこしずつ問題をひも解き解決してゆく。
『ブラックペアン』に始まるバブル三部作は物語としていえば『田口白鳥シリーズ』の過去の時代にあたる作品。
かわりゆく時代と共に高階先生や世良先生、天城先生たちが挑む。
昭和の頃の医療の現状がよくわかる。
シリーズ総じていえるのは立場や立ち位置で異なる意見や意思があるということ。そこに利権や個人的思惑もあるがそれが遠回りして結局は良かれ悪かれ我々市民に伝わり提供サービスにもなるし医療費負担にもなるということ。
無関係とは思えない実感が読むたびに伝わる。

  • No.441 by 風人  2017-04-06 17:25:07 

黒崎教授は読むたびに愛されるキャラだな思う。
いい意味悪い意味含めて東城医大のナンバー2。
藤原看護師も裏という意味ではナンバー2かもしれませんが。
『アリアドネの弾丸』では高階病院長が逮捕されたことにより病院長代行を兼任する器。
白鳥さんから見てもものわかりの悪さは多少あるものの黒崎教授がいなかったら病院運営は成り立たないのもある。
バブル三部作時代においても佐伯病院長から気概がないと言われる存在ではあるが高階先生、世良先生を当時は従える立場にもある。
よくも悪くも等身大かつ典型的な権威を振るうタイプの人物ではあり無用小器用型。
だけど組織においては必要不可欠な存在なのも否めない。
組織は天才肌や才能ある者だけでは仲間意識や集団意識あるいは組織に帰属意識なども芽生えない。
ある程度は無用小器用な存在がどこかにいて組織を見守り監督指導するのも組織内から暴走や離反者を最低限なくすこともできる。
黒崎教授がある程度、権威を振るうというのも必要に見えてくる。
『箱庭』では『肖像』のラストの件があったから田口先生に自ら口を挟めなくなったのは自業自得と表現せざる得ない(笑)。

  • No.442 by 風人  2017-04-07 06:16:44 

『アリアドネの弾丸』で宇佐見警視が使ったトリック自体は意外に単純かつわかりやすい。
だけどそこにいくつもワナが仕掛けられてもいる。
不自然なところはよくよく読めばいくらでもあるけど逆に考えたらそこに嵌めようとする策略も見える。
『弾丸』は桧山シオンによる活躍がひそかに大きいこと。彼女の画像解析技術がなければ解決には至らない。
白鳥さんは直接的に面識がない友野さんを事件の概要や顛末から間接的に理解する洞察力もしくは想像力というべきか。
一見、関わりのない友野さん殺害事件と高階病院長の冤罪事件。
ふたつの事件をうまい具合に重ねている。
城崎さん率いる4Sエージェンシーの活躍もないと東城医大は救われない。
『弾丸』においては間接的ながらサンタモニカにいる加納警視正のバックアップがなかった東城医大は世間に批判され醜聞の嵐。
結果的には医療と司法の対立が『祝祭』より明確化されるのもひとつ。

  • No.443 by 風人  2017-04-08 07:46:12 

『アクアマリンの神殿』を購入するはずが別な本を購入してしまう。
ちらっと図書館で『神殿』見たけど『輝天炎上』のようにラノベぽい雰囲気だった。
天馬くんやアツシ少年(正しくは少年という年齢ではないが)が主人公になると田口先生や白鳥さんよりは作品が若返る雰囲気がある。

  • No.444 by 風人  2017-04-09 11:32:38 

『アリアドネの弾丸』で海堂先生は自らが書く登場人物の白鳥さんに“出来の悪いミステリー小説”と揶揄させる表現はまたおもしろい。
『弾丸』はよく読むとけっこう宇佐見警視たちが放った事件は矛盾だらけ。
これは事件に使われたコロンブスエッグという機器にいろいろな制約があるからと気づく。
医療機器が安全かつ精密機械であるということ。
CTなどもそうだけど医療機器は金属を引き寄せる磁場を持っていたり些細なことでも機器を壊したりエラーをもたらすこともあるから。
だけど『弾丸』においての斑鳩室長は圧倒的に存在感を放つ。
目に見えている相手や存在なのにまるで(司法の)闇そのもの。
作品中にもあるけど“自然にある闇より人がつくった闇の方がおそろしい”くだりはまさに斑鳩室長であるといえる。
この人物の将来を著者である海堂先生はどうするのか?
白鳥さんとて全面対決をしたら厚労省を巻き込む巻き込まないに関わらずただでは済まないのは自覚してる。
だからうかつに敵にまわせないまわしたくない存在。
『螺鈿迷宮』で巌雄先生が鳥さんが光りを浴びればそのぶん誰かが彼を敵に回し出る杭は打たれると仰ってたがそれが“誰”なのか?
すでに既出な人物なのかまだ見ぬ未知の人物なのか?
なぞ。

  • No.445 by 風人  2017-04-10 15:54:58 

『極北シリーズ』に地方の医者不足は書かれてましたね。
読むと痛切なくらいに研修医の実状が記されている。
『極北シリーズ』は『ランクA病院の愉悦』に収録されている短編でもわずかに触れられていたしこの辺は上手に海堂先生が巧みにリンクさせてる。
大学を地元からなくすと若者がいなくなる。
『輝天炎上』では浪速府が大学を地元から逃さないようにおこなっていた。地域地方によって特徴特色が出る。

  • No.446 by 風人  2017-04-11 06:21:33 

医療は立場によって異なるというのもある。
不定愁訴外来のような部署も必要な時代でもありドクターヘリが必要とされる地域や地方もいる。
厚労省など政府の思惑も現実に必要有無に関わらず政府や役所の意向も現実にはある。
どの立場になるかでまったく異なる。
大半は当然、一般市民は患者として診られるのが主。
だけどその患者にしても大学病院のような大きな病院かあるいは地方地域の市民病院や町病院、診療所など様々。
『桜宮サーガ』のシリーズを読んで気づくのは厚労省役人を含めて医療に携わる人たちが種々様々であるということ。
現実に白鳥さんみたいな役所を内部から潰そうという人物は現実にはおそらくはいないでしょうけど役所にもいちおうは改革の意思がある人物は少数ながらはいるでしょう。だけど世間の目にはおそらく触れない。
『桜宮サーガ』で白鳥さんが脚光を浴びてるのはフィクションだから。
『極北シリーズ』の市役所みたいに大半は地方と中央の狭間であえぐ者もいる。
お上には逆らえない現実もある。
むずかしいとしか言えない。

  • No.447 by 風人  2017-04-12 12:19:04 

白鳥さんが医者としてではなく官僚として医療改革(?)をする意図がいまだ明確ではない。
映画『ケルベロスの肖像』では小百合によって過去の医療ミスとされる事件が暴かれるけどこれは映画による改変だから原作と直接結びつくかは疑問の余地がある。
だけど東城医大には高階病院長、坂田局長を通じてシンパシーや意思の交流がある。
高階病院長と坂田局長のこの繋がりもあるから。
白鳥圭輔という人物は本人より本人を知る田口先生のように事件を通して関わる人物やもしく加納警視正やプリンス高嶺など同期の人物たちの口を借りた方がある意味理解しやすい。
『ナニワ・モンスター』でも“Aiバカ”と称される、なぜそう表現される云われがあるのか。
ただやはり『桜宮サーガ』全般にほぼ近いのは天城雪彦の影響が彼を知る者は節々に見られる。
良い悪いに関係なく。
逆に田口先生や今中先生などのように知らない人物は又聞きする以外ないという。
この辺にも人物の情報の解離もまたある。
速水先生は少なくても天城雪彦先生の言葉を聞いた人物であろうと思われる節がある。
白鳥さんも原作『ケルベロスの肖像』で“さくらの樹”を言ってることからなにかしら影響はあったのだろうくらいしかわからない。

  • No.448 by 風人  2017-04-13 16:19:30 

『アリアドネの弾丸』で興味深いのは警察庁に非合法犯罪組織があるくだり。
彦根先生がいかなる経緯で知ったかは不明だけど白鳥さんでさえ黙りすることからおそらく存在する組織なんでしょう。
『弾丸』ではそれ以上触れられてなかったけど他作品で触れられてるでしょう。
まさに自然の闇よりも人間がつくりだした闇のひとつともいえる。

  • No.449 by 風人  2017-04-14 04:49:48 

『桜宮サーガ』シリーズを読みなれると“Ai”の言葉が人工知能ではなくオートプシー・イメージングと勘違いする。
たぶんに現実に報道されるとしたらCTか画像解析など別な表現に変換されてるでしょう。

  • No.450 by 風人  2017-04-15 05:11:25 

『ランクA病院の愉悦』収録の「健康増進モデル事業」。
ほぼコメディとしてつくられてるけどなにげにこの作品のヒロインが可愛らしい。
一回関係を主人公を持っただけでその後は停滞気味なのに主人公を同僚(?)として気遣いながらなんだかんだ最後は主人公とケッコンそして主人公と田舎暮らし。
さりげなく女性のしたたかさもあるかもしれないけど『田口白鳥シリーズ』の田口先生、『極北シリーズ』の今中先生など結婚していない人物がいるなか「健康増進モデル事業」の主人公は結婚できてる。短編なのもあるからでしょうけど。
「健康増進モデル事業」ではなく「結婚推進モデル事業」なのではとうかがってしまう(笑)。

  • No.451 by 風人  2017-04-16 08:25:46 

『ランクA病院の愉悦』収録の「剥葉樹の下で」の物語も医療ですが国家間の交流も大切ということ。
国家の意地のために王の肉親だけでなく国民が犠牲になる理不尽さ。
渡海先生は人格にやや問題はある人物かもしれませんが筋は通している。
だけど彼は“先生”ではないし“医者”ではあるが本人自体が医者という型にハマッていない生き方をしている人物。
ノルガ共和国という架空の国ではあるがそこに生きている。
東城医大においても高階病院長や田口先生にも印象を大きく残している。
『モルフェウスの領域』のヒロイン涼子の幼少期には先生として彼女の人生に影響もおそらくしている。

  • No.452 by 風人  2017-04-17 09:32:06 

海堂先生の作品を読んでて思うのは主人公側に立った人物たちを絶対的な正義にはしてないのも魅力。
『螺鈿迷宮』や『アリアドネの弾丸』では白鳥さんは結局は相手側に負けにされている一面がある。
『迷宮』では桜宮巌雄先生からいずれはお前を討つ者が出てくるかもしれないと揶揄し『弾丸』では宇佐美警視の背後にいた斑鳩室長に釘を刺される。
『弾丸』において田口先生が斑鳩室長と白鳥さんの関係についてはなにもできないが故に自分の気持ちを吐露する呟きしかもたされない立場にいてなおかつ客観的に書かれている。
司法と医療の対立は『ナニワ・モンスター』に引き継がれ舞台は浪速府へ。
地域地方の独立を謳うのは日本ではまだまだ夢のまた夢でもあると思う面もある。
『ナニワ・モンスター』を読むとリアルな架空シミュレーション。
インフルエンザウィルス「キャメル」ひとつで地方が中央から分断される恐怖。
患者の隔離とはわけがちがうとも言いたいがある意味においては患者の隔離と地方の孤立分断は似てるところもあることに気づかされる。
『ナニワ・モンスター』で徳衛医師は患者は病気にかかっただけにも関わらず住み慣れた地を離れなくてはいけなく隣近所から追い出された形に終わることに複雑な気持ちを抱く。
このことをマクロにして別角度から見たら地域地方の孤立分断にもなるとも言える。
『ナニワ・モンスター』はミクロとマクロなことが場面場面はちがうけどかなり事細かに書かれてることに気づく。
そしてそれは市民ひとりひとりに無関係ではないことのあらわれ。

  • No.453 by 風人  2017-04-17 14:52:39 

新装版で『ブラックペアン1988』はあったけどまだ買うには早い。
先に『アクアマリンの神殿』を読みたいが行った先にはなかったorz。
海堂作品でラノベに近い雰囲気あるのは『輝天炎上』でしょうか。
万年落第生から一応の脱出を果たしつつある天馬大吉、幼馴染みの新聞記者の別宮葉子、東城医大で同じ班として勉強することになった優等生かつ合気道ができる美少女冷泉深雪。
この三角関係の先も気になるところ。
だけど天馬くんがすみれに惹かれているのもまた事実。
幼馴染みや勉強を共にする美少女、そして以前に邂逅を交わした桜宮姉妹の双子。
天馬くんの立場からしたらセピア色の思い出。
少なくても『肖像』での田口先生にとってもすみれの魂や志、彼女が残したモノは中年である田口先生にしても少なくても軽くないモノなのはたしか。
すみれが『輝天炎上』でAiセンター長が田口先生だったのを知った時は少なからず多少の動揺があったのもまた事実。
この辺が物語としてはまた絶妙。複雑に人間関係が交錯する。
『桜宮サーガ』は人間関係を逐一整理してないといつ誰がどこでどんな結果をもたらしたかというのがあちこちに大なり小なり波及するシリーズ。
無関係の事象がいろいろな人物に後々関わる。

  • No.454 by 風人  2017-04-18 14:35:43 

斑鳩室長はシリーズを通して不気味な印象を与えるが「四兆七千億分の一」では東城大医学部エシックスの沼田先生にDNA情報のマスターキーを渡したとされるけどこれは斑鳩室長の策にも思える。
何らかの形で斑鳩室長が沼田先生にぐうの音を言わして預けた形になったと考えるのが自然と思う。
沼田先生のエシックスは倫理を振るっているだけだからそれ自体はたいしたことはない。
斑鳩室長が何らかの形で納得させたとしか思えない。
DNA情報を警察側が持っていたらいざという時に権力側が暴走する怖れがあるから東城大医学部に託したとすべきでしょう。
逆に言えばいざ何らかの形でDNA情報が間違えていたら、東城大に責任を負わせる?というのは考えすぎでしょうか?
捜査をするのは警察、DNA情報を持つのは医大。
自然に思えるようだけど『桜宮サーガ』シリーズを読みなれるとその世界観にいる警察側を疑うようになってしまう(苦笑い)。

  • No.455 by 風人  2017-04-19 08:54:39 

白鳥さんと加納警視正の関係は互いに憎からず相手はたしかでしょうけどそれぞれ厚労省、警察庁という場や同じ世代ということもかりプリンス高嶺などと結託しながら彼らなりに霞ヶ関の古いやり方を変えていきたいのもおそらく共通の信念としてありそう。
『弾丸』で加納警視正が斑鳩室長に口を挟まなかったら東城医大は桜宮の地から消えていたでしょう。
間接的ながら北海道での三枝医師逮捕の件で少なからず警察庁は恥をかいた側面があったのも関係している。
『弾丸』を読むと司法の勇み足が怖い。冤罪事件が生まれるわけだ。
『弾丸』のラストで司法にはマスコミが甘いという田口先生の姿を借りての作家海堂先生の言葉や現実の重み。
つくづくこわい。

  • No.456 by 風人  2017-04-19 14:43:46 

加納警視正は警察庁の方に忠誠心あるでしょう。
あくまで東城医大については個人的行為や利用価値、利用頻度があるからややひいき目もないとはいえない。
だけど『弾丸』においての三日間の猶予を与えた功績は東城医大にとっては意義ある行為。
『玉村警部補の災難』の短編集でも田口先生を困らせる始末。
だけど見方を素直に考えたら事件の早期解決にもつながる。
医療が持つ患者の個人情報は警察捜査にも必要不可欠な存在。
医療、警察どちらの立場になって考えるかで考え方は変わる。
『桜宮サーガ』のシリーズ自体がいろいろな人物の立場や気持ちになって読める醍醐味。

  • No.457 by 風人  2017-04-22 06:08:03 

『肖像』で勝利をおさめたのは小百合の意思そのもの。
ただしくは司法の勝利ではない。
『弾丸』のように意図した司法側の意思は少ない。
ただ『桜宮サーガ』全体を読むと個人の意思で思想や制度を実現や具現化している人物は少ないように思われる。
現実に近い社会や世界観を書いてるから高階病院長のように病院長というトップにいるからといって大学病院や地域のすべてを担っているわけではない。
高階病院長は医療の手術畑を営んできた人物だから経済観念にはやや疎い。
これは病院関係者で経済に携わっていない人物のほとんどにいえるかもしれない。
司法側においては斑鳩室長は実像が見えにくい。
明らかに彼より組織の上の人物は存在はしてるでしょう。だけど私が読んだ限りは彼より上の人物はほぼ明確にあらわれていない。
Aiという思想が綿毛のように広がっているなかでは思想は無形かついずれ芽を出す思想だから止められない。
『箱庭』で田口先生が講演で語ったのも芽が出たひとつのあらわれ。
現実にAiやドクターヘリなどは海堂先生が『桜宮サーガ』という作品を書き伝えた実存のあらわれ。
なかにはこころよく思わない人間もいるでしょうね。これは現実もフィクションもおなじ。
権力に物事を訴えるむずかしさもある。

  • No.458 by 風人  2017-04-23 15:47:17 

『アリアドネの弾丸』をあらためて読むと斑鳩室長の不気味さ。
白鳥さんがでっち上げたデータを斑鳩室長は事実を知ってたのに自分に飛び火する恐れもあったからあえて黙っていた。
架空のデータということを宇佐見警視が知ってたら死ぬことはなかったかもしれないが警察庁上層部や斑鳩室長が裁判の場に立たないとなる恐れある。
『桜宮サーガ』の世界においていえば警察庁の存在はなりゆきしだい。
何らかの会議をおこなうにしてもひとや相手は選べないむずかしさ。
『箱庭』で白鳥さんは警察庁側の人選を加納警視正にしたいところを斑鳩室長と踏んでたのもある。
まだまだ白鳥さんや加納警視正、高嶺氏など若い世代というのは否めない。これは田口先生たちすずめ四天王などもですが。

  • No.459 by 風人  2017-04-24 10:44:42 

医療が敵にするのは時代ごとによる諸問題すべてでしょう。
明確な答えはいかなる立場でもおそらく存在はしてないと思う。
医者と患者というふたつの対極の立場も医者が一般的に社会的に陥れられるのは医療ミスという行為。
患者の側にしても医者を信じないと治療や手術などの受ける側の関係は成り立たない。
だけど医者からの情報をどこまで信じるか個人的や患者としての気持ち。
これに不具合が生じた場合に『桜宮サーガ』シリーズの不定愁訴外来のような存在が必要となる。
あるいは裁判となった場合に医者と患者側家族遺族などの橋渡しの存在が必要不可欠となる。
田口先生のような立場だと誰のための会議あるいは誰のためのAiかと問う必要は出てくる。
Aiを司法か医療かの主導権争いも物語内では医療に主軸を置くむきで書かれている。
とはいえいちおうは桜宮科学捜査研究所も置かれているからこの点は斑鳩室長たち警察庁が抜け目がない。
科学捜査研究所などもないと犯罪を見逃すおそれがある。
だけど利権なり利益が絡むのが社会。
『輝天炎上』の天馬くんと冷泉深雪のふたりが辿る物語はそれを明確にしている。

  • No.460 by 風人  2017-04-24 17:59:14 

『ナニワ・モンスター』久しぶりに読むと菊間徳衛医師の半生が深い。
冒頭ほんの数頁だけど年配の人物なので書いてあることは少ないけど内容が深い。
旦那や医師として亡き奥さんにできたことの少なさからの反省や悔やみ。
近隣の住人に慕われる町の診療所のありがたさ。
息子の祥一くんを親としてあたたかく見守る父としての瞳、祥一くんの奥さんには亡き奥さんに言えなかったことを伝える優しさ。
物語の本筋に一見、無関係なようでインフルエンザウィルスキャメルが子どもに感染した際には祥一くんの奥さんが役に立つという。
医者や看護師ではない人物だけど影から支えている雰囲気がさりげなく感動するかな。

  • No.461 by 風人  2017-04-24 19:43:37 

『ナニワ・モンスター』の第一部を読むとインフルエンザウィルスへの空港などでの水際防疫というのが如何ほどに役に立ってるか疑問。
たんなる国や厚労省の気休めにも思える。
インフルエンザウィルスなどは潜伏期間があるからその間はおそらくはわかるわけない。
国に戻って日常生活しているなかで潜伏期間から覚醒期間になり気づいた時には患者はあちこちへ移動した後。
基本的に意味を成してないと思う。
また別な言い方をしたら空港などで水際防疫をする以外にパフォーマンス的な方法しかないと言える。
患者となりうる人間あるいは感染の可能性あるだけでは旅行者を隔離はできない現状。
たぶんに人口が少なく行き来が少ない社会ならそれはできるかもしれないけど現実の現代社会ではどだい無理。
『ナニワ・モンスター』の菊間徳衛医者の視点はミクロからマクロを見ている思考。
町医者だから物語内でできることは少ないけど対応は迅速。

  • No.462 by 風人  2017-04-25 07:54:49 

『ナニワ・モンスター』で徳衛先生は警察とマスコミのつながりについて違和感を感じることに気づくのは『弾丸』『肖像』で田口先生がマスコミが報道を抑制なり警察にコントロールされていることと重なる。
権力による報道抑制やコントロールのこわさ。
『ナニワ・モンスター』は一種の仮想シミュレーション的な作品ではあるけど中央と地方の対立をミクロからマクロへと描いている本でもある。
徳衛先生は多少は気むずかしい人物ではあるけど歳を重ねている人物でもある。
『極北ラプソディ』の神威島の診療所もまた歳を重ねた人物と後藤先生が営んでるけど時間の積み重ねがある。
年配者の言うことに耳を傾けることは日常において大切。
だけど市井の人からの発信はむずかしい。
『ナニワ・モンスター』ではネットから伝えるという方法は用いられてない。また診療所という舞台であるから町医者は国の権力には逆らえないむきもある。
どう対処すればいいのかで苦悩する。

  • No.463 by 風人  2017-04-25 10:43:29 

『ナニワ・モンスター』で海外に渡航経験がない人物が特定のインフルエンザウィルスに通常は感染するわけがない。
おそらく政府の手による者の実行で少年はどこかで感染した。
テレビ出演している本田講師がインフルエンザウィルス『キャメル』が弱毒性なのを語らないのは斑鳩室長たち政府の方針。
現実に報道が偏った内容しか伝えない時はないとはいえない。
これは実にこわい。
情報の精査をする目と耳、思考は必要。

  • No.464 by 風人  2017-04-26 04:46:29 

『ナニワ・モンスター』の鎌形のガサ入れはある種の気持ちいい痛快感や爽快感ある。
村雨府知事との対面、交渉を経ての厚労省へとガサ入れする。
しかし府知事のそばにいる彦根先生への警戒。
彦根先生は鎌形をさほど意識してるかはさだかではないが鎌形は意識してるのはストライキの件で警戒感を抱いてた雰囲気。
一介の医者が常識的に考えて府知事と知り合いとは思わない。
高階病院長にしても厚労省のパイプは坂田局長白鳥さん姫宮さんくらいだろうから。
一見、無関係に見える事象が後々人物たちに深く関わるおもしろさ。
インフルエンザウィルス“キャメル”による浪速府の経済封鎖をどう解いていくかを各々の視点。
菊間徳衛先生は一介の町医者だしマスコミとのパイプはほぼないだろうから何も言えないもどかしさと町という存在を通しての町医者の役割。
彦根先生側の立場になるというのは悪い表現をすれば政府にマークされる側になる危うさ。
田口先生はなんだかんだで八神にマークはされたけど彼は白鳥さんがいるから何もできないに等しい。
斑鳩室長にしても田口先生はマークの対象の枠に入れるべきか否かのぎりぎりの範囲ではないだろうか。あくまで田口先生はそれなりに意見を発し誰かに操られ耳を傾けてる。
彦根先生ほど能動的ではないだけに外部からは動きが見えにくいといえる。

  • No.465 by 風人  2017-04-26 09:51:09 

『ナニワ・モンスター』の二部にある霞ヶ関の“ルーレット”。
ある意味ひとの作り出した闇。
八神室長を通して書かれ見ることで霞ヶ関の闇の恐ろしさが伝わる。
斑鳩室長のどの作品に出ても不気味な存在感。決して他の意見を耳に貸さないわけでなく暴君でも独裁者でもない人物ではあるが底無し沼のように深い……。
霞ヶ関の裏側の権力のいくつかは彼が持ってると考えるべき。
だけど権力という力を制御している。宇佐美警視なような暴発はしないくらいの適度なコントロール。
権力を制御する理性というのは奥深いものがあるかもしれない。
ふつうの市井の人々は権力に酔うもの。
高階病院長にしてもあくまで大学病院内や坂田局長などの力を借りるだけ。むしろそれが社会的にはほどほどと思う。
斑鳩室長の底が見えないのがこわい。
桜宮市や東城医大に起きたこともほんの一端でありすべてではない。

  • No.466 by 風人  2017-04-26 12:57:59 

『ナニワ・モンスター』を斑鳩室長や国、政府の立場側に立てば国を守ることは彼らなりの正義にも読める。
ある意味それは正しいとも思える。
『桜宮サーガ』は立場によって正義や倫理観が変わるおもしろさ。
何を主軸に置き主題にするかということ。
村雨府知事と鎌形検事を警戒する斑鳩室長。ふたりの背後に彦根先生がいることを感じているようにも思える。
文面だけではなかなかそのニュアンスはわからない。
再読やちがう物語を読む度に印象がちがうというのも特徴。
斑鳩室長は個人的には悪役な印象は拭えないですが彼の立場に司法を正義とするおもむきも理解しないではない。

  • No.467 by 風人  2017-04-26 14:52:24 

『ナニワ・モンスター』でわかるのはフィクションの物語を通して日本地図がよく見え理解できること。
浪速府のさほど大きくない町からインフルエンザウィルスキャメルに端を発し霞ヶ関官僚の闇、現実の社会においての無血革命と独立にむけての布石、斑鳩室長らは国を守る立場にいること。
だけど彦根先生による地域地方の経済レクチャー。虚実を使いわけながら実行に移す行動力。
首長の先端と末端の繋がり、発想を一歩も二歩ゆく飛躍した発想。
飛躍した発想にやや現実感はないかもしれないが良心的に考えれば時代の先を歩むこと。現実的にはどうしても否定的なニュアンスが混じるのあるからその辺の境はむずかしい。
だけど『ナニワ・モンスター』は改めて読んだら日本地図がちがって見える。

  • No.468 by 風人  2017-04-27 05:41:09 

彦根先生のように飛躍した発想した自体は悪くないと思う。
ただ現実にはできるできないの境界線があるのも事実。
日本三分の計にしてもいきなり日本を三つに分けるというの無理からぬこと。
興味深いのは経済的数値に置き換え各地方がどの程度の予算があるかということ。
四国でさえも欧州の国ひとつに匹敵するという事実。
思想と経済的数値が議論の場に値するか否かというのもある。
物語は基本的に相反する者や組織の片側でしか語られないというのもある。
『ナニワ・モンスター』の二部で斑鳩室長と本田先生との会話でも本田先生は斑鳩室長の本意が当初はわからないため思考にすれ違いがある。
日本三分の計にしても白鳥さんは『輝天炎上』で国家転覆を狙う彦根先生と明確に発言している。
この辺もまた思想が絡み合う。
彦根先生の発想自体が飛躍しすぎてる点もまたある。
現実にそれを受け止める土壌や土台の基盤や足固めが必要。
彦根先生のスカラムーシュ(大ボラ吹き)は若さもあるでしょうが固定した組織を持たない浅さもまたある。
田口先生が東城医大に、今中先生が市民病院にのように本人の複雑な気持ちを含めながらこのふたりの人物は組織に身を置いている。それはある意味日常在るべき姿。
彦根先生はその辺が微妙に欠けてる点はあるかもしれない。共感もあるが。

[PR]リアルタイムでチャットするなら老舗で安心チャットのチャベリ!
ニックネーム: 又は匿名を選択:

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字 下げ
利用規約 掲示板マナー
※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※必ず利用規約を熟読し、同意した上でご投稿ください
※顔文字など、全角の漢字・ひらがな・カタカナ含まない文章は投稿できません。
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください

[お勧め]初心者さん向けトピック  [ヒント]友達の作り方  [募集]セイチャットを広めよう

他のトピックを探す:大学生・社会人・主婦・大人チャット







トピック検索


【 トピックの作成はこちらから 】

カテゴリ


トピック名


ニックネーム

(ニックネームはリストから選択もできます: )

トピック本文

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字

※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください
利用規約   掲示板マナー





管理人室


キーワードでトピックを探す
初心者 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 部活 / 音楽 / 恋愛 / 小説 / しりとり / 旧セイチャット・旧セイクラブ

「これらのキーワードで検索した結果に、自分が新しく作ったトピックを表示したい」というご要望がありましたら、管理人まで、自分のトピック名と表示させたいキーワード名をご連絡ください。

最近見たトピック