匿名ゆき 2014-11-23 17:15:10 |
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御惚けた電極の接近
この前の、雲に隠れた月の泣く夜、幼少時代を歩くための通行証を拾いました。
そこには何も書かれておらず、白い紙切れ一枚を持って佇んでいる自分を見つめなおすと、何故かは分かりませんが微笑んでしまいました…。
既に持っていた名刺の肩書きを塗り潰し、街に潜んだ夕方の落とし物を集めていると、艶やかで…しかし透き通った瞳ももつ女性と出会いました。
彼女は僕の言葉を拾い上げると、音を溢さずに…美味しそうに頬張って堪能し…僕をじわじわと虜んでいきました…。
次第に僕が呼吸をするだけで、彼女が目の前にいるようになるものだから…言葉を交わすこともなく直接僕を送り込んでやったのさ…
彼女が消化不良を起こしている間に、括れに両手を這わせる…記念品の割れ物を扱うように、壊してしまわないように上から下まで磨き直してあげたんだ…
絡み付く呼吸からは熱のこもった糸が出来上がって…Catenaryを描いて地面へ垂れた
その地面だけ粘り気を帯びたので、風が吹くたびに砂がそこへ媚り付き…透明だった糸の姿を暴いてしまった
真夜中の公園のブランコの揺れを止めることなど、出来るわけがなかった…
二人は夜中に根差しあい、朝日に覗き込まれたところで漸く夢から覚めたのでした…♪
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