声がするのは商店の向かい側から。商店の向かいは空き家だが、その家の古い小さな門の前でビザを着いてうずくまる男性がいた。 顔は見えなかったが白髪。男性の側には杖が落ちている。老人と呼べる歳のようだ。 「どうしました?」 声を掛けながら近付く。 老人がこちらに顔を向けた。 「あっ!!」 つい声を上げてしまった。 老人の顔は血まみれだった。