匿名 2012-05-28 15:27:51 |
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うつろな瞳。
蒼白な顔。
それらとは対照的な鮮やかに滴る赤。
君は壊れてしまったんだね。
――ねえ、私たちこれでずっと一緒よね。
光を映さないその瞳からポロポロ涙を流し、彼女は問う。
僕はそっとその体を抱き寄せた。
ジトリとした赤色が僕と彼女の肌を染める。
――ああ、もちろん。ずっと一緒だよ。
痛みがないと言えば嘘になる。
けれど痛みよりも恍惚とした喜びが勝って自然と笑みが零れた。
君が僕の胸に突き刺した刃は
君を僕に繋ぎ止めるための楔となるのだ。
霞がかっていく意識の中でふと考える。
僕の居ない世界で君は何を思うのだろう。
…ああ、そんなの愚問だったか。
君は自らが殺めた僕の事だけを思って生きて死ぬ。
病める時も健やかなる時も
君は僕のことしか考えられないんだ。
それのなんと甘美な事か。
重くなってきた瞼を無理やりこじ開ける。
君をこの目に焼き付けるために。
僕を君の目に焼き付けるために。
彼女の瞳にひどく歪んだ
けれどもとても満足気な笑みを浮かべる僕が映った。
(/久々の投稿で相互ヤンデレは難しすぎた。)
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