蓮へ

おはよう、行ってらっしゃい。当たり前に言ってたのに寂しいよ。

あの日はね、側にいてほしかった。早く帰ってきてほしかった。なのに深夜に帰ってきたから我慢したの。
朝、蓮が起きるまで待ってた。でも最近は早くに出勤するから寂しくて悲しくて。棘も出ちゃうよ、堪えられなくなるよ。
突き放さないでよ。

ごめんね、って言っても蓮には届かないから。何も言えなくなるよ。

お疲れ様、まだ仕事中だよね。蓮は私がいない方が楽だよね。

蓮…おかえりなさい、お疲れ様。蓮は私なんか必要ないね。

蓮はそのままでいいって言ってくれたけど、そういうところ嫌いって言ったってことはそのままの私でいい訳じゃなかったってことでしょ？無理しないでよ、嘘つかないでよ。

蓮、おはよう。起きたらすぐ会社、終わって帰宅したら疲れて眠るだけ。休みの日は片付けとかやらなきゃいけないことが沢山。蓮の生活に私の居場所は無かったね。

蓮…会いたい。

起きたかな、もう出勤かな。蓮は一人でも大丈夫だね。私は蓮がいないと崩れそうだよ。

蓮…本当は前からさよならしたかったのかな。タイミングよく私が酷い態度だったから内心すごく嬉しくて距離置こうって言ったのかな。

蓮…寂しいよ。嫌いなら嫌いって言って。ただ苦しいだけだよ、蓮。

蓮…蓮……。

行ってらっしゃい、もうとっくに会社だね。雨は大丈夫だった？ねぇ蓮、私ね、怖いことがあったの。だから蓮に早く帰ってきてほしかったの。朝、蓮を見送って普通に蓮の帰りを待ってた。夕方それがあって帰宅して、ずっとケータイ握って蓮のこと待ってた。蓮が遅くに帰ってきて、本当は起きててほしかったけど、疲れてやっと帰宅した蓮に、もう寝ていいよって言うのが精一杯だった。朝も蓮と離れたくなかったけど、出勤時間最近微妙に早くなってるの感じてたから。私から行ってらっしゃいって言わないといけない気がした。本当はまだ怖くて行かないでって言いそうで、でも蓮を困らせたくなくて。一緒に過ごそうって言ったのも叶わなくて一人ぼっちにされたように思えて、気持ちが落ち着いていなかった。ねぇ蓮、私ね、蓮に会いたいよ。今すぐ会いたい。蓮、もう会えないの？

蓮……蓮は仕事があるから忘れることができるの？私は無理だよ。どこにいても何をしても蓮のことが頭から離れないよ。蓮、置いていかないで。

蓮…蓮に会いたい。

明日…夜お休みなの。蓮に会いたい。蓮と一緒にいたい。蓮……。

お疲れ様。蓮…蓮に会いたい…。

蓮、おかえりなさい。おやすみなさい、ゆっくり休んで。

おはよう、蓮。

蓮は私なんか要らないんだね…。