心ノトビラ〜非募集〜

（車を運転していると、外の人間に怯えた様子で、こちらの服の端を持ったまま、片方の手で涙を拭っているとまだ自分以外の人間は怖いのだろうかと考えながらハンドルを握っていて。すると車に乗ってからしばらく固く閉ざされていた口が開くと、どうして優しくするのか、どうして家族と呼んでくれたのか、疑問二持っていたことを打ち明けてくれると「あのな、シュアン。この世はいい人が大半なんだ。俺もその大半の中の1人だ。お前は運悪く悪い人間達に囲まれてただけなんだ」と今まで相手があってきたのはごく一部の人間だということを説明して）

いい人…？
(つまりほとんどの人間が相手のように優しいのだろうか。丁寧に説明されてもにわかには信じられず、外を行き交う通行人たちをおずおずと眺めては誰かと目が合う度につい俯いてしまい。かつて怖い顔の人間も優しそうな言葉をかけてきた人間も皆結局は自分たちに酷いことをしてきたため、人間には悪い人しかいないという認識はなかなか薄れず｢…でもきっと、稜様が一番いい人です｣自分に理解できるのは目の前の相手が優しい人であるということだけ。相手以外の人間を拒むように呟いては、赤らんだ目を細めて微笑み)

あぁ、そこの人たちもきっといい人達だよ
（車の外を眺めるもすぐに顔を俯かせる相手に、どうやらまだ慣れないかと苦笑しながら上記のように言って。すると、相手がこちらを見て目を細めて微笑みながら呟くと、今までで一番の笑顔であり、その笑顔に見とれながらも「ありがとう」と言えば「シュアンは笑顔が一番だよ」と相手の頬を撫でながらそう言えば、先程の殴り合いからか突然に口から一筋の血液がつーっと流れ出し）

(相手の思いには応えたいがどうしてももう一度外に目をやる気にはなれず、相手のことだけ見つめていれば頭ではなく頬を撫でられてくすぐったいような気持ちになり。以前とは違って慣れない感覚を恐れることもなく、むしろより表情を和らげるが突然相手の口から真っ赤な血が流れると一瞬にしてまた泣きそうな顔に変わって｢稜、さまっ…血が出て…！｣やはり怪我をしていたのだろうか。とにかく傷口を確かめなければと自分も相手の頬に両手を添え、慌てて顔を近づけて)

あれ？ホントだ
（こちらの手にもう恐れる様子はなく、逆に表情緩めている相手の笑顔を眺めていれば、自分の口から血が出ていることに気づいていなくて、相手が笑顔から一瞬にして泣きそうな顔になるとやっと気づいたようで。すると、慌てて顔を近づけてくる相手に「だ、大丈夫大丈夫。そんな酷い傷じゃないから」とまた微笑みながら言えば服の袖で口元を拭うが、それでも血は止まらず流れ出してきて）

(いくら相手が大丈夫と言っても今回だけは納得できず、自分を安心させようとしてくれているのか未だ消えない微笑みと、拭っても拭っても服を汚すだけで止まらない血を半ば混乱しながら見つめては咄嗟に一つの判断を思いつき｢――…ごめんなさい…｣自分のせいで怪我をさせたことへの罪悪感だけでなく、これから起こす行動に対しての謝罪を零すとその唇を赤く染まった唇に重ね。そのまま溢れる血を吸い取っては鉄の味にクラクラしつつ、流血が落ち着くまで繰り返し)

なかなか止まらないな…
（袖で何度擦って拭ってもなかなか止まらない血に、困り果てながら上記のように呟いて。すると頬に添えられた手の持ち主が何故か謝罪の言葉を漏らし、「なにが…んむっ…！？」何故謝るのかを問いかけようとした途端、こちらの唇が相手の唇で塞がり、そのまま溢れてくる血を吸う様子はまさに吸血鬼のようで。急なことで驚いてしまい、また充分に息をしてないまま口を塞がれたため、少し息苦しさを覚えながらも相手の心遣いを感じながらその奉仕を黙ったまま受けて）

(制止を受けなかったためそのまま行為を続け、しばらくして血の味が薄れてくるとようやく唇を離し。ずっと息を止めていたため酸欠で薄く赤らんだ顔を俯ける姿は叱られるのを怖がる子供のようで。相手が奴隷のくせに、なんて言わないことはわかっているけれど、それでも不快に思われたかもしれないと案じては｢その…お洋服も汚れてしまいますし、指を怪我したときにこうすると、すぐ血が止まって…｣混乱していたとはいえ理由はあるにだと言い訳のようにぽつぽつと説明し)

（しばらく相手のキス、もとい治療を受けていればようやく唇を離してくれて。その頃にはもう血は流れておらず、口元を拭う必要もなくなっていて、俯く相手にお礼を述べようとすると、理由をぽつりぽつりと紡ぎだし始める相手に胸の底から急に愛おしさがこみあげて「ありがとう。おかげで痛くなくなったよ」と耳元で囁けば今度はお返しとばかりに相手の額にキスをして。余談だが、もう自宅のマンションに着いていて）

そうですか、なら良かったです――……あの、私も血、出ていましたか…？
(相手の言葉にほっと安心して顔を上げ、囁かれる吐息のくすぐったさもありまた小さく笑みを浮かべるが、今度は相手の唇が額に触れると止血のための行為だと考えていたため手で抑えながら問いかけて。相手ばかり見ていたせいで気付かなかったものの、首を傾げた拍子にいつの間にかマンションまで戻ってきていることに気づくと質問の前にまずは昨日同様自分から車を降りようとして)

（相手が安心したように顔を上げて笑みを浮かべれば、どうやら先程のキスの意味を理解していないようで、逆に自分がしたことに恥ずかしく思いながら顔を少し赤くして。「出てたよ」と照れ隠しのように言えば車を降りて、昨日と同じようにエレベーターに乗り、最上階のボタンを押せば最上階までつくのは待っている間、「もう1人で外に出るんじゃないぞ。出るときは俺と一緒に、だ」と1人で外に出ていて、無防備なところを狙われたのだと思えばそう注意して最上階に着き）

(血はついていないのに赤く見えた顔にますます首を傾げるが、相手が降りてしまうと自分もドアを開け、誰もいないか周りを確認してから車を降りて。また相手の見ていない内にさらわれるのは嫌だと、今度は後ろではなく隣を歩いてエレベーターに乗り込めば忠告にも素直に頷いて｢…稜様をお迎えに行きたかったんです。でも…もう絶対に、一人では外に行きません｣まだ殴られた痛みの残る体に触れながら答えると僅かに表情を曇らせ、動けば気付かれてしまうため、翼を伸ばすことによって少しだけ相手との距離を縮めてエレベーターを降り)

（初めて会った日は常に自分の後ろを歩いていたが、今はもう隣を歩けるようになっていて。こちらの忠告に外に出た理由と素直に頷けば「よし、良い子だ。ありがとな。その気持ちだけで充分だよ」とお迎えしたかったと言う相手の気持ちを汲みながら上記のように言って。やがて自宅まで着けば早速中に入り、「ふとご飯作らなきゃな」と呟けば、「今日はシュアンに晩御飯任せてみようかな」と言った矢先、先程受けた暴行は大丈夫だろうかなどと思い出してしまい）

ミスです
「ふとご飯作らなきゃな」→ふと「ご飯作らなきゃな」
です、ごめんなさい

晩御飯、ですね。稜様のように美味しく作れるかわかりませんが…頑張ります。
(中に入るときちんと鍵を閉め、昨日も今朝も相手が食事を用意してくれたので、相手の呟きにはようやく自分の務めを果たせると思いしっかりと返事をして。けれどそれよりも先に気になることがあり、先ほどの一件で汚れてしまった相手のスーツに目をやると口の他にも傷を負っていないか心配で｢…ですが、お食事の前に怪我の手当をさせてください。また血が出てしまったら困りますから｣控えめに、しかし大丈夫だと言い切られてしまわないよう相手の体に手を添えながら懇願して)

(/大丈夫です、私も誤字は多いのでお気になさらないでください！)

（自分が先に自宅に入り、すると後ろから聞こえるガチャリという施錠音に気付き、そちらを向けばどうやら先の一件で警戒心が強まっているらしく、その様子に苦笑しながらリビングへと入っていき。すると、晩御飯よりも怪我の手当てを優先したいと懇願する相手に「わかったよ」とその様子に押し負けたのか観念したように言えば「でも、血が出たらさっきみたいなことしてくれるのかな？」など先程のキス紛いのことを思い出しながら冗談を含め、相手をからかうように言って。）

(承諾を得るとまずは着替えを手伝うべく相手の上着に手をかけるが、物騒な冗談に目を丸めては｢い、いえ、道具さえ貸していただればもっと良い手当をさせていただきます｣混乱していた時の行動はこうして落ち着いている時に思い出してみると何だか気恥ずかしく、困ったように眉を下げては瞳を揺らしながら律儀に説明して。しかし何かお気に召したのだろうかと自分の唇に触れながら考えれば｢…稜様がしたいと仰るなら、血が出ていなくても…｣それで主人が喜ぶなら、と目を逸らしたままおずおずと提案し)

（まずは寝室に向かって汚れた服を着替えようとすれば脱いだ服を相手に預けて。こちらの冗談に対して来恥ずかしそうに瞳を揺らせば「さっきのが最高の手当てだと思うよ、正直」と相手ほどの美少女とあのようなことをするなど願ったりで、また追い打ちをかけるようにからかい。するとおずおずと提案すると「そうか…じゃあ、偶に頼もうかな」と耳元で囁けば、着替え終わり）

（/本体返信忘れてました！お優しい言葉ありがとうございます！）

(一言一言真摯に受け止めるせいで相手の冗談にもすんなりと騙されてしまい、あれが消毒やガーゼより良いのだろうか、などとますます困惑の表情を浮かべるものの嫌がられるよりは褒められるほうが当然嬉しく｢…はい。私でよろしければ、いつでもお申しつけください｣囁かれた耳の先をほんのり赤くしながら頭を下げれば、服を持ったまま相手の体に多少浮かぶ傷や痣をひとつずつ確かめていって。その痛ましさに目を伏せては徐に相手の顔を見上げ｢今日は"普通"の手当でよろしいでしょうか…？｣と、救急箱を借りる前に至って真剣な顔で尋ね)

（こちらは軽く相手をからかっているつもりが冗談ということを知らないのか冗談をまともに受ける相手が耳の先をほんのり赤くさせると「シュアンの体の傷も手当てしようか？」と自分より酷い傷の相手も先程のような方法で手当てしようかと問いかけて。相手が血が出てないかなどを、確認するために上半身裸のままでいると。真剣な顔で尋ねてくると、普通じゃなかったら先程のようなことを痣だらけの体にしてくれるのだろうか。そんな興奮と期待感を持てば「普通じゃないので頼む」と内心ドキドキしながら普通ではない手当てを頼んで）