微温[BL]

ー…すいません。
（冗談のような口調でも傷ついたと言われれば素直に謝り、眉尻を下げて。己の小言が聞こえてしまったのか気に止めた様な声を出す彼から咄嗟に顔を逸らして。そして彼も休むと言い始めた彼に苦笑いを零し、｢僕はありませんが…｣と恐る恐る呟いて一足先に出ようと荷物まとめ始め。）

俺が。あるの。取り敢えず外出るぞ。
(相手の態度に短気な自分は少し苛立ち。怒りと笑顔が混じった表情で答えれば元々少ない荷物を片手に持ち先に出ようとする相手の腕を掴んで相手より早く歩き部室から出ようとすれば部室内にいるサークルメンバーに「こいつが具合悪いみたいだから、俺も咳ひどいし送ってから帰るわ。ごめんな。」と告げ、相手の腕を引っ張り部屋を出て

ー…っ、ちょ…。
（少し苛立った様な彼に少しばかり怯えるも拒否する事は出来ず彼の言われるままになり。サークルメンバーを置いて部室を出る時に腕を掴まれればその箇所だけ熱くなった様に感じ思わず振り払ってしまい。｢ー…あ、あの…。キス…した事、怒ってるなら、すいません…。｣と振り絞った様に述べては小さく頭下げて。もう何もしない、と此処で言うだけでいいのにそれすら言えない自分がいて。そこまで彼のことを想っているんだと改めて自覚して。）

怒ってねぇよ。ただ、なんでしたかわかんねぇから。
(手を振り払われればため息にも似た深呼吸をして。言葉とは真逆の表情と声色で上記を述べ。すると突然気まずそうになり躊躇いながら「あー、そのなんだ。俺は…ノンケ、だったと思う、けど。…お前はその、ゲ…んと、男が好きな、のか？」としどろもどろになりながら聞いてみて

(/あげておきますね)

（/うわ、すいません。気付いてなかったです。
すぐ返事します、）

ー…キスする理由ってそんなにいくつもありますか？
（なんでしたかわからないと言われると己の気持ちには気付いていないと確信し。残念なような幸運なのか。溜息混じりに上記を述べては言い切った様な言葉になってしまい。次いで彼から問題のところに触れられれば｢ー…ゲイ、なんです。気持ち悪いですよね、こんな奴。｣と鼻で自分自身をあしらう様に笑っては顔を彼から逸らして。）

(/大丈夫ですよー。お気になさらずb)

えっ、と。それはお前が俺の事好きってことで受け取るけどいいのか？
(相手の言葉をきけば、自分の中でキスは愛情表現だと判断しているのでそう言われれば、焦らず落ち着いた声で相手の目を見て尋ねて。顔を逸らし真実を告げられれば疑問が確信に変わり安堵の息をついて「そっか。てか、気持ち悪くはないだろ。恋愛なんて人それぞれだし」と自分自身を悪く言う相手に対し若干カッコつけながらそう言って

ー…はい。
（俺の事を好き、と彼に確認される様に尋ねられれば頷きながら小さく返事をして。これで拒否されても己のした事は軽く犯罪的なものなのでどうもできない。ましてや男同士となれば彼に迷惑かかる。受け入れてほしい反面そうでない自分もいて。己をフォローする様な彼の言葉に笑ってしまえば｢…そんな綺麗事はやめてください。はっきりと言ってくれた方が此方としても嬉しいんですが。｣と少々冷たくなってしまい。）

（/ ありがとうございます）

はぁぁぁ…良かった〜。ただの自意識過剰な奴になるかと…。ありがとな、俺なんかのこと好きになってくれて。その、今すぐ返事返した方がいい？
(相手の言葉聞けば片手で顔を覆い隠せば大きく息を吐き、安心すれば、手を相手の頭の上に移せば微笑んで礼を述べて。最後に言葉を付け足したその時にはどこかもう決心したような顔で。相手に冷たく返されれば苦笑し「やっぱ寒かったか。正直に言うと、…それ聞いて少し喜んでる俺が気持ち悪い。」と眉顰めて口に拳を当て申し訳なさそうにして

ー…え、あ…返事、…聞きます、今。
（安堵したような溜息と言葉に何処か期待をしてしまうもそんなことは有り得ないと自分に言い聞かせ。頭を撫でられ礼を言われると意味がわからないと思わず顔を振り彼の手を払ってしまい。返事が決まっていたかの様に早い答えに思わず再び頷き。｢…なんで、喜んでるんですか。｣とまだ疑問が消えないもやもやした表情で彼に尋ねて。）

っと、悪い…。その、お前なら有りかも、って思った。曖昧に聞こえたならー、はっきり言うと俺も好きだ、ってこと。
(手を払われれば小さく謝罪し。尋ねれば頷き返事を求める相手にあまり溜めずにはっきりと答えを出すもやはり恥ずかしいのか少し紅くなり眼鏡外し片手で目を隠して。尋ねられれば「モテモテな崎島くんの恋愛対象に超絶美女じゃなくて男の俺が入ってるからですかね。」照れているのかその場にしゃがみ込み俯きながらそう答えて

ー…っ、その…、嬉しい、です。
（彼の発言に一瞬言葉を詰まらせるも余程嬉しいのか冷静に告げようとするも口元が緩み片手の甲を口元にあて隠しながら上記呟き。眼鏡を外し、座り込んでしまった彼の姿にくすりと笑っては｢…ずっと前から、先輩しか見ていませんよ。｣と立ったまま彼の髪にそっと触れ。）

はぁぁぁ…すっげー緊張した…。俺から好きって言ったわけじゃねーのにな。
(上向き本日二度目の安堵の息をつけば、まだ火照る顔を手で仰ぎながら情けない自分に苦笑浮かべて。髪に触れ言った相手の言葉にフッと笑い「嬉しいんだけど、ものすごい照れる。」と相手の顔見上げ苦笑し髪に触れる相手の手を握れば思わず嬉しそうな微笑み浮かべて

ー…西宮さん…好き、です。
（ふと思い返して見れば己の口から好きと彼に伝えてない事に気付き、今更感もあれば恥ずかしさもあり言おうか迷っているも照れながら笑う彼を見れば自然と上記が出てしまい。｢…此方まで恥ずかしくなるのでそんなに照れないでください。｣と彼の言葉に先程発言した事を今になって恥ずかしくなれば顔逸らし手を握られれば此方からもぎゅ、と握り返して。）

おう。ありがとう。…あーだめだ、ニヤける
(相手に好きと言われればニヤけてしまい、口に手を当て我慢をしてみるも抑えられなくて。自分だけでなく相手も恥ずかしがっているのだと相手を見て実感すれば嬉しさが込み上げてきて「俺本当にダメかもしれない。好きって実感したらもう抑えられねーわ。」顔を逸らす相手を見つめていればニヤケが止まらなくて。指を絡め手を握り直して。

ー…ニヤけないでください。
（彼の口元が隠そうとしていても緩んでいる事がばればれで。それが可笑しくて笑ってしまえば冷静に上記を述べ。彼から好きと何度も出てこればそれだけで嬉しくて満足している己。まだ学内だけあって誰か知り合いとかに見つかれば彼はきっと困るだろうと思い、指を絡ませてくれる彼の手を名残り惜しく離し｢…誰かに見られる、かもなんで。｣と小さく付け足して）

……ふっ。無理だわ、ごめんっ
(ニヤけるなと言われれば多少耐えてみせるも直ぐに頬が緩んでしまい無理だと断言して。学内だからか手を離され、誰かに見られると相手が言えば少し悲しく思うも仕方ないかと苦笑し納得するもすぐに切り替え「休むっつったのにここにいたら怒られるなー。どこ行く？」とやっと立ち上がれば笑顔でそう尋ねて

ー…もう少し頑張ってくださいよ。
（緩みっ放しの彼の頬を軽く抓ればくすくすと笑って。こんな時間が先程までは考えられなかった為正直己も口元が緩み切っていて。｢…俺の部屋、来ますか？｣何処に行きたいかと尋ねられるもこれと言って行きたいところもなく此処から近いところで誰も気にしなくていい場所と言ったら己の部屋しか思い浮かばず恐る恐る尋ねてみて。）

かなり頑張ったって！てか、人のこと言えねーだろっ
(相手に笑わられ頬を抓られても尚頬は緩んでいて。頬を抓る相手も頬が緩んでいるのにツッコミ入れればこちらも相手の頬を摘んで。どこに行くと尋ねれば、まさかいきなり相手の部屋に誘われるとは思ってもいなかったので嬉しくて笑顔になれば「行きます。」と答えて